今回は太陽光発電で発電した電気が売れる仕組みについて解説します。太陽光で発電して販売する仕組み?そんなもの知っていますよ・・・という方も、そうでない方も、もう一度詳しくおさらいができる内容になっています。何事も基本に立ち返って見直すことが大切です。

太陽光発電には二つの売電制度がある

太陽光発電の売電制度には大きく分けて2つのコースがあります。その1つは10kW未満の住宅用の太陽光発電の売電コースで、残りのコースは10kW以上の業務用太陽光発電の売電コースとなります。

住宅用の10kW未満の太陽光発電システム

10kW未満の太陽光発電はそのほとんどが家庭用の屋根などに取り付けるタイプです。ハウスメーカーなどが初めから屋根に設置しているタイプのものや、後から設置するものなどさまざまです。

2016年度現在の買い取り価格は、出力制御対応機器の設置義務なしの場合で31円/kWhとなっています。また、出力制御対応機器の設置義務ありの場合では33円/kWhとなっており、ともに買い取りの固定期間は10年間です。

出力制御対応機器とは、電力の需要が供給を下回った状態になると買取りに制限をかけるシステムのことです。制限がかかる分、買取り価格が割高に設定されています。出力制御対応機器の設置義務なしの地域は都市部に多く、東京電力や中部電力、関西電力の管内では、人口が多く電気の需要が多いので、今のところ無制限で電気を買い取ってもらえます。

住宅用の10W未満の買取り制度の場合は、全量買い取りではなくて、家庭で使用して余った電力だけを買い取る制度です。電気の買い取り価格よりも販売価格が上回っているので、昼間はできるだけ電気を節約して販売し、夜の安くなった時間帯に電気を購入するように工夫すると経済的です。

10kW以上の産業用太陽光発電システム

10KW以上の太陽光発電システムは、産業用としての用途がほとんどです。工場や倉庫などの広大な屋根への設置や、広大な空き地などに設置されている「野立て」と呼ばれるものがその代表です。

10KW以上の産業用太陽光発電システムと、住宅用の10kW未満の太陽光発電との大きな違いは、買取り制度にあります。住宅用の10kW未満の太陽光発電の場合では固定額で買い取る期間が10年なのに対して、10KW以上の産業用太陽光発電では20年の固定買い取り期間が設けられています。

また、固定買い取り期間の違いだけでなく、10KW以上の産業用太陽光発電の場合は全量買い取り制度が適用されるため、発電した電気のすべてが販売できます。住宅用では使用した分の余りしか販売でない仕組みとなっています。

さらに買取り固定期間が、住宅用の10kW未満の太陽光発電の場合10年間と決められていますが、10KW以上の産業用太陽光発電では20年間の固定買い取り期間が設けられています。申請してから20年間は買い取り価格が固定されているので、20年間の安定した運営計画が可能です。

売電期間が20年と長く、全量買い取り制度になっている代わりに、住宅用の10kW未満の太陽光発電よりも買取り価格が安く設定されています。ちなみに10KW以上の産業用太陽光発電の場合、2016年度の買い取り価格は29円/kWh+消費税となっています。

電力会社との系統連系契約について

太陽光発電システムを設置して売電するためには、管轄している電力会社と系統連系の契約を行う必要があります。この契約は電力会社の電線に接続するための契約で「系統連系契約」と呼ばれています。

この「系統連系契約」には2種類あって、50kWの発電量(太陽電池容量)を境にして50kW未満の場合は「低圧系統連系」契約を行い。50kWを超える場合は「高圧系統連係」の契約を結びます。

また、電力会社に電気を買い取ってもらうためには売電用の電力量計(メーター)を設置する必要があり、電力会社の電線に発電した電気を流すための「逆潮流」を電力会社に確認してもらう必要があります。「逆潮流」とは、こちら側の電圧が電力会社側の電線よりも高い場合に電線に発電した電力が供給され売電する仕組みです。

50kWを超える「高圧系統連係」の契約の場合は、電力受給契約を行う前に「接続検討」への申し込みが必要です。接続検討というのは、電力会社が規模の大きい発電所の場合に限って技術的な審査を行うもので、審査期間に2ヶ月から3ヶ月ほど要します。

太陽光発電システムの設置工事と国からの設備認定が完了したら、電力会社への契約申請を行います。その後、電力会社から立ち合いの日程について通知があり、施工した業者と電力会社、契約するオーナー(設置者)との3者が立会いのもと確認します。その後、電力受給契約を結ぶ運びです。

電力会社との電力受給契約が完了したら、毎月電力会社の点検員が電力量計のチェックをして売電量を確認してくれます。あとは契約者の口座に電力会社が指定した日付に毎月売電料金が振り込まれます。

家庭用の契約の場合、電力会社に支払う電気料金と売電料金とが相殺されることはありません。電気料金は普段通り支払って、売電料金は口座に振り込まれる仕組みです。ですから2枚のお知らせ葉書が郵送されてきます。