アニメの舞台や観光地としても人気と集める秩父市。
そんな秩父市から、新たな電力会社が誕生したことを知っていましたか?
秩父新電力は2018年に設立された電力会社。
この記事ではそんな秩父新電力が掲げる、地産地消の電力プランの魅力に迫ります!
秩父新電力とは?
概要
秩父新電力は2016年の電力自由化を受けて、2018年に設立された電力会社。
その名称からもわかる通り、埼玉県秩父市にオフィスを構える電力会社で、東京電力管内に電力を供給・販売しています。
電気の供給エリア
秩父新電力の電気の供給エリアは以下のようになります。(離島は除く)
- 東京都
- 神奈川県
- 埼玉県
- 千葉県
- 栃木県
- 群馬県
- 茨城県
- 山梨県
- 静岡県(富士川以東)
東京電力管内になるため、関東地方だけでなく山梨県や富士川以東の静岡県も含まれます。
秩父新電力の特徴
秩父新電力の何よりの特徴は、地方創生を掲げている点。
秩父新電力は、秩父という土地の豊かな自然を利用した再生可能エネルギーの普及と、地元電力会社を利用することによる地域経済の活性化を目指しています。
ここでは秩父新電力の特徴と、乗り換えるメリットを3つに分けて解説します。
①秩父で創られた再生可能エネルギーが使える
秩父新電力が販売する電力の一部は、地元秩父をはじめとする4市町村から集めた再生可能エネルギーで発電した電気です。
再生可能エネルギーとは、太陽光や水力、バイオマスによって作られるエネルギーのことで、化石燃料などの資源を使わず、永久にエネルギーを生み出せるという点で近年注目されています。
また化石燃料を使わないということは、燃料を燃やす際に発生するCO2を排出しないという面でも大きなメリットです。
つまり秩父新電力で供給されるのは、太陽光発電や水力発電、バイオマス発電によって作られる環境に優しい電気(CO2排出量が全国平均よりも少ない電気)なのです。
実際に資源エネルギー庁が発表している日本の再生可能エネルギーの利用率は18%(2019年)。これに対して秩父新電力は30%以上を再生可能エネルギーから供給しているため、環境に優しい電力会社だということができます。
②CO2排出量に応じたプランを選択することができる
前述した通り、秩父新電力は環境に優しい再生可能エネルギーを利用しているのが特徴ですが、CO2の排出量に応じて電力プランを選択することもできます。
選べる電力プランは3つあり、どのプランを選んでも全国平均よりCO2排出量を抑えられるため、環境負荷を軽減することができます。
③住宅用太陽光発電の電気を売電できる
秩父新電力は電気の供給だけでなく、買取も行なっています。
買取の対象となるのはFIT制度(固定価格買取制度)終了後の住宅用太陽発電が設置してある家庭。
埼玉か東京(離島を除く)の家庭であれば秩父新電力に売電をすることができます。
秩父新電力の余剰電力買取価格
プランA | プランB |
8.7円/kWh | 8.5円/kWh+3,000円 |
卒FIT後にそのまま東京電力に売電を続ける場合、買取価格は8.5円です。
そのため秩父電力のプランA・プランBどちらを選んでも、東京電力で売電を続けるよりはお得になります。
■プランA
秩父新電力に電気を8.7円/kWhで電気を買い取ってもらうのがプランAです。
売電された電気は秩父地域で消費され、その結果秩父の低炭素化が進みます。
プランの更新は年度単位で、毎年1回1年分の売電料金が振り込まれます。
■プランB
秩父新電力に電気を8.5円/kWHで買い取ってもらうのがプランBです。買取価格はプランAに劣りますが、3,000円分の地域通貨を契約時に受け取ることができます。
受け取った地域通貨を利用することで、秩父の地域経済が活性化します。
プランの更新は2年間で、1年ごとに売電料金が振り込まれます。
秩父新電力の料金プラン
秩父新電力の料金プランを紹介するとともに、乗り換えるとどれくらい安くなるのかをシミュレーションします。
ポテくまパワープラン
ポテくまパワープランは東京電力の「従量電灯B」に相当するプランです。
オール電化以外の一般家庭が該当します。
単位 | 単価 | |
基本料金 | 10Aあたり | 277.42円 |
従量料金 | 〜120kWh | 19.88円/kWh |
121kWh〜300kWh | 26.48円/kWh | |
301kWh〜 | 30.57円/kWh |
契約Aが10A〜60Aの家庭が対象になります。
東京電力と比較
東京電力 | 秩父新電力 | ||
基本料金 | 10Aあたり | 286.00円 | 277.42円 |
従量料金 | 〜120kWh | 19.88円/kWh | 19.88円/kWh |
121kWh〜300kWh | 26.48円/kWh | 26.48円/kWh | |
301kWh〜 | 30.57円/kWh | 30.57円/kWh |
秩父新電力のポテくまパワープランの特徴は、東京電力と比べて基本料金が3%安くなる点です。
従量料金は同じ価格なので大幅な電気代削減は望めませんが、毎月の電気代をそのままに電気の地産地消ができるようになります。
年間シミュレーション
シミュレーション条件 (世帯人数ごとの平均的な電気使用量をもとに計算)1人世帯(30A):年間1,800kWh使用 2人世帯(30A):年間3,000kWh使用 3人世帯(40A):年間4,200kWh使用 4人世帯(50A):年間5,400kWh使用 |
東京電力 | 秩父新電力 | |
1人世帯 | 52,385円 | 52,076円(-309円) |
2人世帯 | 87,354円 | 87,045円(-309円) |
3人世帯 | 127,686円 | 127,274円(-412円) |
4人世帯 | 169,960円 | 169,445円(-515円) |
秩父新電力に乗り換えると基本料金の分だけ安くなります。
秩父新電力に関するQ&A
①契約できるのは一般家庭だけ?
2021年12月時点、秩父新電力では事務所などの低圧法人、工場などの高圧法人でも契約できるプランが用意されています。
特に「ちちぶRE100電力」プランは、CO2を一切排出しない実質再生可能エネルギー100%の電力を使うことができます。
②オール電化でも契約できる?
秩父新電力で契約できるのは、契約容量が60Aの家庭までです。
そのためオール電化住宅でも契約容量が60A(6kVA)以下であれば契約することができます。
しかしオール電化住宅用のプランではないため、契約すると電気代が高くなってしまう可能性が高いです。
検討する際はシミュレーションを十分に重ねることをおすすめします。
秩父新電力の申し込み方法
申し込みから電力供給への流れは画像のようになります。
見積もりを見て契約するかどうかを検討することができるので、まずは公式サイトの問い合わせフォームから問い合わせてみてください。
まとめ
電力会社を切り替えるだけで、地域の地方創生に協力できる秩父新電力。
秩父近隣に住む方はもちろん、今は秩父を離れてしまったという元秩父市民でも、東京電力管内であれば故郷の地方創生に協力することができます。
さらに使える電力は再生可能エネルギーの割合が高い環境に優しい電力となれば、乗り換えない理由の方が少ないはずです。
この記事を読んで少しでも秩父新電力に興味を持った方は、乗り換えを検討してみてください。