ダイヤモンド「太陽光発電10年で投資回収は大ウソだった」の記事取り下げについて

太陽光発電は今や普及と認知が進み、更に多くの方が導入を検討している程市場が拡大している分野です。しかし、週刊ダイヤモンドが、9月24日に公開した太陽光発電と投資回収期間に関するある記事について、大きな波紋を呼んでいる事態となりました。

しかし、一般の方からすると何が誤りで、何が問題だったのか分かりにくい所ですよね。それだけでなく、先に週刊ダイヤモンドの記事を拝見した方の中には、太陽光発電について誤った認識で考えてしまっている状況になっています。

そこで今回は週刊ダイヤモンドが公開した、「太陽光発電10年で投資回収は大ウソだった」の記事取り下げまでの流れと、何が誤りだったのかについて解説していきます。

太陽光発電は10年で回収可能ですので、誤った知識で導入等を考えている方は正しい情報を再度覚えましょう。

太陽光発電10年で投資回収は大ウソだったという記事は誤りだった

週刊ダイヤモンドが公開した記事とは、太陽光発電投資に関する費用とビジネスモデル、そしてそこから投資回収期間10年は大ウソという結論ありきで結び付けた内容でした
記事をまとめると、

2019年に住宅用太陽光発電を対象にした固定価格買い取り制度(FIT)が期限を迎える。しかし、政府が描くFIT終了後のビジネスモデルは盛り上がりそうにない。

09年の「余剰電力買取制度」施行から10年が経過し、太陽光発電の電力を売電していた世帯の契約が19年11月から満了を迎える。しかし、再エネを急拡大させるためのFITへの血税投入は増え続けている。特に太陽光発電の急激な増加で、18年度の買い取り総額3.1兆円のうち国民負担は2.4兆円にも及ぶ見込みだ。

Aさんは、「地球に優しいし、光熱費の節約になる。10年で元は取れるし、その後はもうかると言われた。これならいけると判断した」と振り返る。

試算の結果は、Aさんの期待からは程遠く、10年で115万円の赤字となった。実は、住宅用太陽光発電を導入した多くの人が、FITで投資を回収できると思い込んでいる。FIT期間中に回収できるのは、産業用(買い取り期間20年)だけだ。ちなみに、FITの買い取り価格が下落してから住宅用太陽光発電を設置した場合の費用対効果はどうなるか。

結果は散々で、10年後は202万円の赤字となった。さらに絶望的なのはFIT終了後だ。買い取り価格が11円/キロワット時の場合は黒字化が41年後、6円/キロワット時ならば83年後という途方もない結果に。

しかし、当初はこの記事をそのまま公開し続けていたため、多くの方が誤解してマイナスなイメージを生むきっかけととなりました。

何度も説明しますが、「太陽光発電10年で投資回収は大ウソだった」は全て誤りです。

週刊ダイヤモンドが公開した記事は誤りであったことが判明

はっきりと結論を説明します。

週刊ダイヤモンドが公開した、「太陽光発電10年で投資回収は大ウソだった」の内容及び投資回収期間10年が大ウソは、全て誤りです。

どのような経緯で、太陽光発電が赤字経営となることを決めつけた記事を作成したかは不明ですが、少なくとも赤字経営や投資回収期間10年がうそといった、ネガティブイメージを増やすような内容となっていたことは事実です。

更に大手ポータルサイトの、ヤフーニュースにも一時掲載されたことから、太陽光発電にかんする間違った情報が拡散されてしまいました。

9月24日に公開された記事は、5ページに渡って内容が作成されており太陽光発電について知らない一般の方や初めて導入を検討している方にとって、衝撃的な内容となっており、思わず信じてしまいそうになる構成です。

9月27日に週刊ダイヤモンド側が公式に記事取り下げと謝罪文を発表

約2日間に渡って、修正及び謝罪文無しで公開され続けた、「太陽光発電10年で投資回収は大ウソだった」の記事ですが、JPEA(太陽光発電協会)や太陽光発電の業界関係者などが抗議をしたことで謝罪文の掲載と取り下げが決定しました。

【お詫びと訂正】

2018年9月25日公開の本記事『住宅用太陽光発電の誤算、「10年で投資回収」は大ウソだった』におきまして、太陽光発電の投資回収シミュレーション(試算)に事実誤認がありました。同じ前提による正しい試算では、10年で投資はほぼ回収され、記事の見出しにある「大ウソだった」は覆ることになります。編集過程での確認・検証作業が不十分であったことに起因するミスで、誤解を与えてしまった読者のみなさま、およびご迷惑をおかけした関係者のみなさまに、心よりお詫び申し上げます。

本記事に関しましては、周知のため本日より10月26日までの1ヵ月間は公開を続け、その後は取り下げさせていただきます。

2018年9月27日
週刊ダイヤモンド編集部

謝罪文については週刊ダイヤモンド内の、「太陽光発電10年で投資回収は大ウソだった」の記事冒頭にて事実誤認、編集過程のミス、謝罪、謝罪文の周知のため10月26日まで記事と共に公開する趣旨を載せています。

今回の騒動で唯一救いだったのは、記事公開から約3日で記事に関する謝罪と誤りであったことを認めたことを発表した点です。

しかし、ヤフーニュースに掲載されてしまったこと、週刊ダイヤモンド自体大きな媒体であったことから、太陽光発電について知らない方には不安を与えてしまいました。

再度説明しますが、太陽光発電の費用回収は10年で可能ですし、記事に載っているような100万円を超える赤字となっている計算方法自体が間違っています。

太陽光発電10年で投資回収は大ウソだったの記事の内容

「太陽光発電10年で投資回収は大ウソだった」の記事は全て誤りです。その点を踏まえた上で、どのような記事の内容であったのかポイント別に紹介していきます。

冒頭は2019年問題について軽く解説しつつ売電価格の課題についてネガティブに解説

冒頭の文章は、近年話題になっている2019年問題に触れる所から始まります。2019年問題は、そもそも太陽光発電の生産コストの低下など、普及が進んだことによるもので必ずしもネガティブな問題ではありません。

そして、記事内では太陽光発電バブルの終焉という言葉が使われていますが、バブルという表現は不適切と言えます。

バブルという言葉を使うことにより、現実に即していない事業というイメージを抱かせる要因の1つとなる可能性があるからです。

2019年問題について解説した後は、売電価格の下落と税金に関する負担を中心に解説し、太陽光発電事業が進むことで国民1人1人の負担が増えて、無駄な事業という印象になりやすくなっています。

2019年問題についての詳しい記事はこちら
太陽光発電の2019年問題と解決策!買取期間が終了する住宅用太陽光は損?

中盤から後半にかけて回収費用に関する誤った計算と説明が続く

中盤から後半にかけては、太陽光発電の費用回収に関する計算と今回の問題の中心である誤った算出方法の紹介へと移ります。

太陽光発電の売電価格は下落している現状と、国が蓄電池と共に自家消費を進める方針を解説し、自家消費型太陽光発電について中立な解説が続くかと思いきや、ネガティブな論調が続きます。

そして最後は、自家消費型への太陽光発電の移行は難しく、その理由として初期費用回収ができないだけでなく赤字経営になってしまう、という結論へ結びつけるという流れが今回の記事の概要です。

太陽光発電10年で投資回収は大ウソだったの記事が誤りである理由

「太陽光発電10年で投資回収は大ウソだった」の構成は全て、太陽光発電システムを導入しても赤字経営になるという結論ありきとなっています。

しかし、太陽光発電の導入を検討している方や、良く知らない方からすると何が誤りかよく分からないことも事実です。

そこで、ここではなぜ記事内容が、誤りであるのかについて解説します。

冒頭からネガティブな論調で読者を誘導している

記事にはそれぞれ方向性というものがあるのは勿論ですが、「太陽光発電10年で投資回収は大ウソだった」の記事全体が、あまりにも批判的且つ誤った情報を基に構成されている点が、問題といえるでしょう。

更に、誤った情報である回収期間の計算については、一般の読者には正誤の判断がつきにくい計算式を中心に説明していることから、余計に信じやすい内容となってしまいました。

またFPによる解説も付いていることから、権威付けという意味で更に説得力の増す内容に感じるでしょう。

売電価格の下落だけ大げさに記述し業者や国が利用者をだましているかのような内容

誤った情報として各媒体で取り上げられているのは、投資回収に関する計算ですが、その前の文章から太陽光発電がデメリットのみのような論調で構成されていたことも誤った内容といえます。

特に売電価格の下落をデメリットの材料にしていますが、これは太陽光発電の生産コストの下落や普及が進んだことによる影響も関係しているのですが、その部分については触れていません。

また価格の下落というのは、太陽光発電に限った話ではありません。

例えばエアコンやテレビもかつては高級品でしたが、現在では数万円から数10万円と一般家庭の収入で購入できるほど価格が下落しました。

つまり物やサービスは自然と価格が下落し、適正な価格へと推移していくのが一般的なので、むしろ太陽光発電は一般家庭でも運用できるレベルまでコストが下がっているともいえます。

自家消費型についての解説やメリットについての記述がない

売電価格の下落に関する記事内容と関係あるのが、自家消費型に関する記述が少ないことと、メリットについて全く触れていない点も誤った内容といえるでしょう。

売電価格の下落に伴って、自家消費型にシフトし始めている趣旨を説明したすぐ後に、自家消費型にシフトしても赤字経営で何も得しないという構成に切り替わります。

これでは誰しも太陽光発電でどんな対策をとっても無意味と勘違いしてしまいます。

自家消費型システムは、太陽光発電の本来の運用方法という考え方もあり、特に災害の多い日本では自治体レベルでエネルギー供給の復旧に時間が掛かる事例を考慮すると、メリットがあるといえます。

また、投資回収期間の計算になぜか電気代を組み込んでいますが、その反面自家消費型の太陽光発電で電気代を節約できることについては記述していません。

この点も誤った内容の1つと考えられます。

裏付ける証拠として投資回収期間の計算を提示しているが間違っている

読者にとって、大きな衝撃を与えるような内容が、投資回収期間10年が大ウソという部分でしょう。

何度もお伝えしますが、10年で投資回収が完了可能です。

この誤った内容を裏付けるために、計算式を紹介しているのですが特に注目すべき点は電気代を計算に入れている点です。

本来、投資回収として考える費用は、太陽光発電システムの工事費や諸手続き費用です。しかし、なぜか電気代を入れてしまっているので、計算結果が赤字になってしまっています。

ここもポイントですが、生活費である電気代は投資回収とは関係ありません。

よく考えれば分かりますが、そもそも電気代は太陽光発電の設置及び運用に関わらず、毎月発生する支出です。

結論ありきか、それとも別の考え方なのかは不明ですが、投資回収期間の計算に関する誤った記述も、今回の騒動の原因となっていることは明白でしょう。

計算式が分かりにくいのも誤った認識を与える原因といえる

ダイヤモンドが掲載している計算式は、以下の通りです。

(売電収入-電気料金+設置前の光熱費)-(初期費用+年間の電気料金)=-115万円

この計算式ですと、10年間の初期費用回収の計算としては誤りで、光熱費の削減に関する計算へとすり替わっています。また、10年間の回収期間の計算であれば、年間の電気料金は不要ですし、売電収入に-する電気料金と光熱費については分かりにくいです。

売電収入に引いてる項目が表す内容は、太陽光発電を設置したことでどの程度光熱費が抑えられて、売電収入が残るかということです。しかし、それについて細かな記述がないので、何を伝えたいか分かりにくくなっています。

一般の方でも分かりやすく尚且つ正しく記載しますと、以下のようになります。

例(売電収入+(設置前の光熱費-設置後の光熱費))-初期費用=10年間の回収と収支結果

太陽光発電設置による光熱費削減効果を考慮した場合、10年で投資回収が可能か計算。

また、「太陽光発電10年で投資回収は大ウソだった」の記事で出ている事例を正しく計算し直すと、4万円の赤字になっていますが1ヶ月で回収可能な金額です。

この点についても補足説明がなく、更に回収後についても計算式が誤っている点が、今回の記事取り下げの理由の1つです。

太陽光発電は10年で投資回収期間を完了できるだけでなく他にもメリットがある

「太陽光発電10年で投資回収は大ウソだった」の記事が取り下げられたとしても、太陽光発電について不安になっている方はいるかと思います。

ですが、投資回収期間10年は可能ですし、誤った論調と計算であったことを理解することが大切です。

そこで太陽光発電のメリットと黒字化について解説します。

住宅用太陽光発電の費用回収は10年で完了なだけでなく11年目からは黒字化可能

しきりに売電価格下落と赤字について記述されていましたが、実際は10年で回収可能ですし、そもそも電気代は初期費用回収とは関係ありません。

また、回収後についての解説は少なく見積もっていますが、初期費用回収が完了した後に売電か価格が11円/kwhとなったとしても、太陽光発電の初期費用による回収は不要なので継続的に黒字化させることが可能です。
太陽光発電の費用回収の計算方法と平均投資回収期間

災害の多い日本では太陽光発電で自給自足という点で役立つ

売電権利がもしなくなったとしても、自家消費型で運用するメリットはあります。

また、どちらかといえば、売電収入を狙うよりも最近では自家消費型に合わせた住宅や、新しいシステムの販売も増えています。

地震や豪雨に伴う大規模停電時には、自治体による復旧にも時間が掛かり個人で対応しなくてはいけません。その時に代替エネルギーとして、太陽光発電装置を実装していれば多くの家電製品を稼働させることが可能です。

太陽光発電は、単に利益目的によるメリットだけでなく、生活に関わるエネルギーという観点でもメリットがあることを覚えておきましょう。
停電時に非常用電源となるなど災害時に役立つ太陽光発電のメリット

太陽光発電に関する誤った記事に惑わされず多種多様な情報から見極めること

今回の「太陽光発電10年で投資回収は大ウソだった」という記事の、掲載経緯については不明です。しかし、一時的ではあっても公開されてしまったことは事実で、多くの方が目にする状態となりました。

センセーショナルなタイトルや見出しでしたので、中には太陽光発電の導入をためらうケースもあるかと思いますが、そういった表現に惑わされず中立な目線で考える事が大切です。

また、太陽光発電自体は、メリットがありますし売電収入を得ることが可能です。今回の騒動の大きな現認でもある回収期間の誤りについても、実際は10年で回収可能です。
太陽光発電メリットとデメリット!売電価格は下がる一方で設置は損か得か

当サイトを含めまして、この機会に改めて太陽光発電について導入について考えてみてはいかがでしょうか。

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