太陽光発電所を選ぶ上で、「目的」を明確にしていますか?
「太陽光発電で老後資金2,000万円を稼ぎたい…!」
「オール電化だから家の電気代を上手く節約したい」
などと、人によって太陽光発電を始める目的は異なります。
目的が異なれば、“住宅用(家庭用)” か “産業用” でどちらを選択するかも変わってきます。
家庭用と産業用の太陽光発電には、発電出力や購入価格、FIT価格、買取方式と様々な違いがあるため、今回は6つの違いについて徹底解説します。
住宅用(家庭用)太陽光発電と産業用太陽光発電の違い
太陽光発電について調べると、広い土地にパネルが何百何千枚と置かれている発電所もあれば、住宅の屋根に数十枚並べてあるだけの規模の太陽光パネルもありますよね。
「大きさが全く違うけど、どう区別してるんだろう?」
と、気になった方もいるかと思います。
太陽光発電は、発電所によって規模がかなり異なるのです!
規模が変われば、価格もパネル数も発電量も違ってくるということが、太陽光発電の予算をシミュレーションする上で難しい所ですよね。
さらに、太陽光発電は目的によって規模が変わります。
「将来のために利益を多く生み出したい!」
「消費電力をセーブしたり、緊急時の発電として活用したい」
などと、自分の目的に沿った太陽光発電を選ぶために、“家庭用” と “産業用” の太陽光発電の違いを説明します!
1.発電出力の違い
太陽光発電所は、家庭用と産業用で発電出力が異なります。
この発電出力は、パネル1枚あたりの発電量 × パネル枚数 で算出できます。
太陽光パネル1枚は通常200~300Wほどの出力があるので、パネルが20枚あれば4~6kWと家庭用の規模になるのです。
ちなみに、パネルの大きさは 150cm×100cm が標準で、屋根に合わせた小さい形状のパネルもあります。
低圧・高圧・特別高圧とは、政府が定めた電気事業法による区分です。
特別高圧は企業が導入することがほとんどで、高圧は中小企業から個人の方まで幅広く導入しています。
低圧は、太陽光発電オーナーのほとんどが企業ではなく個人の方で、10kWを境に低圧の家庭用の太陽光発電か、低圧の産業用の太陽光発電かを区別しています。
「初めてだけど、太陽光発電の導入を考えている……!」
という方におすすめなのが、1~49.9kWの低圧の太陽光発電所です。
2.太陽光発電所の購入価格の違い
太陽光発電は、発電出力によって購入価格が大きく異なります。
産業用の規模では、初期費用+ランニングコスト(維持費)を含めた上での価格を表示しています。
家庭用の太陽光発電を始めるなら、100万~250万円、
産業用の太陽光発電を個人の規模で始めるなら、1,000万~3,000万円ほどとなるでしょう。
ちなみに、この購入価格の元が取れる期間は、家庭用も産業用もだいたい10年程度です。
3.買取方式の違い
太陽光発電で生み出した電気の使いみちは、自家消費か電力会社に売るかの2通りです。
自家消費は、生み出した電力を節約のために家庭で消費したり、蓄電池に電気を貯めたりします。自家消費した分の電力量は、“電気使用率” と言い、日中で10~15%程度を家庭で消費します。
では、残りの85〜90%の余った電気はどうするかというと電力会社に売るのです。
この余った電気を売ることが、余剰電力の買取です。
家庭用は余剰電力の買取に限定されているため、自家消費して余った電気を売るスタイルになりますね。
また、産業用の太陽光発電であれば、“余剰買取か全量買取” か選ぶことができます。
全量買取は、生み出した電気を消費せず電力会社に全て売ることです。
つまり、産業用の規模の発電所は、電気を売って利益を得るために導入するものと言えます。
4.FIT制度(固定価格買取制度)の違い
太陽光発電で生み出した電気は、電力会社が固定された価格で買い取ってくれることを政府が約束しています。
このことをFIT制度と言い、その価格や適用期間は太陽光発電の規模により異なります。
10kW未満の家庭用太陽光発電であれば、10年間・24円+税です。
また、出力制御に対応できる機器を設置していると、FIT価格は26円+税になります。
出力制御とは、電気のバランスを保つために電力会社が “発電所からの電気購入” をストップすることです。
この出力制御に対応できる機器は、東京・中部・関西電力会社以外は設置が義務付けられているため、それ以外の地域のFIT価格は26円+税になります。
太陽光発電で利益を得るために始める方は、20年間・14円+税の10~499.9kWの発電所を選ぶことが多いです。
500kWを超える規模の発電所は、所有者が電力会社に価格を提示して買い取ってもらう入札制度により価格が決まります。その価格は10~13円が相場です。
5.発電所設置場所の違い
家庭用と産業用の太陽光発電の設置場所は、屋根か土地の2通りになります。
発電出力の少ない家庭用太陽光発電は、太陽光パネルの数も少なくなるため屋根に収まります。落下防止の止め金具を付けたり、太陽光が強い南に設置したり、工夫して屋根に置くことが大切です。
また、出力もパネル数も多い産業用の太陽光発電所は、土地に設置します。
そのことを “野立て” と言い、野立ての太陽光発電は、周りに影を作るものがないか・地盤は強いか弱いか・基礎は地面のままかコンクリートか、などとその土地の環境に合った工事が必要になります。
6.太陽光パネル選びの違い
太陽光パネルは、家庭用か産業用で選び方が変わります。
現在、太陽光パネルの種類はシリコン系か化合物系に分かれており、世界のシェア8割がシリコン系の太陽光パネルです。
また、世界規模で見ると外国産のパネルが90%以上のシェアを誇り、国産と比べると安価になっています。日本では、耐久性とサポートが強みの国産パネルが好まれる傾向です。
シリコン系のパネルは、化合物系のパネルと比べると、発電効率と価格が高い傾向です。
その中でもシリコン系のパネルは、“単結晶” と “多結晶” の2つの種類があり、多結晶の方が発電効率と価格がやや低くなっています。
発電効率と価格の高さで比べると、
シリコン系単結晶>シリコン系多結晶>化合物系
となります。
しかし、経年劣化率では単結晶がやや劣ります。
太陽光パネルの寿命は30年以上ですが、雨や鳥の糞などの環境によるダメージでパネルの発電効率は劣化していきます。
その劣化具合を経年劣化率と言い、5~20年単位で見ると下の表のようになります。
5年 | 10年 | 15年 | 20年 | |
単結晶 | 3.2~3.9% | 6.4~7.8% | 9.6~11.7% | 11.8~15.6% |
多結晶 | 2.3~2.8% | 4.6~5.6% | 6.9~8.4% | 9.2~11.2% |
単結晶の方が、経年劣化率が高いため、発電効率が多結晶よりも低下してしまいます。
数年に1度、メンテナンス業者にパネル清掃を依頼して汚れた箇所を無くすことで、パネルの経年劣化率を防げるので、定期的に清掃することをおすすします。
発電効率が元から高い単結晶・丈夫な国産のパネルは、パネル枚数が少ない家庭用に最も向いていると言えるのです。
また、産業用であれば多結晶や外国産のパネルを導入している方もいます。
単結晶・国産パネルと比べて価格が安い分、1,000万円以上かかってしまう初期費用を抑えられるからです。
しかし、近年パネルの生産が全自動化し、技術力が大幅に向上しました。
外国産だからといって発電効率が悪く耐久性が低いわけではなくなってきているのです。
さらに、技術力の向上のおかげで単結晶パネルの価格も下がりつつあります。
そのため、産業用の太陽光発電は、外国産で単結晶の太陽光パネルがおすすめと言えます。
“家庭用” 太陽光発電なら、もしもの時・節約に!
家庭用の太陽光発電を始める場合、「もしもの時・節約」を目的として導入しましょう!
うまく活用すれば電気代0円に収められ、日々の電気代を大きく節約できます。
最近ではオール電化の家庭も多く、ますます太陽光パネルを設置する家庭も増加しました。
所有している車がEVであったりオール電化使用の家であったり、とにかく電気を消費するご家庭は検討をおすすめします。2019年から、家にあるモノ全てがインターネットで繋がる「スマートハウス」も現実的になり、これからは今よりも電力が必要になってくるでしょう。
また、震災や台風被害で電力供給がストップした場合も太陽光発電は強い味方になります。
災害が多い日本では、緊急時の対策として太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの活用が叫ばれています。
“産業用” 太陽光発電なら、投資用に!
産業用の太陽光発電は、全量買取を選択できます。
発電した電気全てを売ることができるため、利益を得やすく「投資」として産業用の太陽光発電を導入する方がほとんどです。
投資としての太陽光発電は、「費用を抑えて利益を生み出す」ことがとても大切です。
だからこそ、外国産のパネルを選ぶ・地盤が丈夫な土地を選ぶ・メンテナンスプランを減らし費用を抑える、などと利益を生み出すための対策が求められます。
「将来のため投資で老後資金を増やす……!」
「あまり手間をかけずに20年間、月収20万を得続けたい!」
などとお金を得ることを目的する場合は、産業用の太陽光発電を選択しましょう!
太陽光発電を導入する前に家庭用と産業用どちらにするか決めておくこと
太陽光発電システムを設置することになったら、まずは家庭用と産業用どちらにするかを慎重に検討しましょう。
家庭用太陽光発電の場合は、屋根に設置するため新たに土地を購入する必要もなく、100万円台から購入できますが、発電した電気すべてを売電することはできません。
一方、産業用太陽光発電の場合は、初期費用コストが1500万円前後かかるので、金銭的負担は大きいです。しかし、出力が大きいので、当然発電量も多いです。産業太陽光発電では、全量買取が可能なため、規模にもよりますが年間100万円以上の売電収入が得られるというメリットがあります。
どちらにせよメリットとデメリットがあるので、目的に合った太陽光発電を選ぶことが大切です。
まだ、家庭用太陽光発電と産業用太陽光発電とどちらにするか迷っている方は、まずは無料見積もりをしてみてはいかがでしょうか?