太陽光発電の発電量は日照時間や日陰など気候条件が発電量を左右する

太陽電池モジュールには、モジュール自体の温度が高くなるにつれて発電量が落ちるという特性があります。

では、年間を通して、太陽電池モジュールにとっての最適温度を保てるのか。

答えは、太陽電池モジュールを透明な部屋で囲い、その中の温度をエアコンで調整するぐらいの、大規模な環境作りをしなければ無理です。もしくは、発電効率を下げることは前提で、日陰の状況を作り温度を下げるなどが必要になるでしょう。

しかし、そんなことをしたら、システム自体が大がかりになりますし、何のための太陽光発電なのか訳が分からなくなりますよね。

また、熱とは別に、日陰による発電効率の低下も課題といえます。そもそも、太陽光発電は、太陽光パネル全体に日光が当たることを前提として考えられています。従って、仮に雨や曇りなどで実質日陰の状態になると、10%程度しか発電できません。

太陽電池モジュール自体の温度を下げることや、日陰対策がとられていない現在、100%の出力を確保できる日は、年間でそんなに多くないといえます。

そこで今回は、太陽光発電の課題である「気候条件」をテーマに、温度や日陰について解説していきます。

太陽電池モジュールの温度変化や日陰などの地域性について

屋根の上の太陽電池モジュールは、一般的に晴天時で60〜70度になることが確認されています。

ただ、その土地の気温や日照時間にも左右されるため、日照時間の長い地域や平均既婚が高い地域は、太陽電池モジュールの高温状態リスクがあるでしょう。逆に、日照時間が短い地域や、周辺環境によって日陰になりやすい場合は、太陽電池モジュールの劣化は避けれられても、日陰による発電効率の低下が危惧されます。

他にも、北陸などの積雪の多い地域では、冬になると屋根の上の太陽光発電パネルが雪で覆われ、太陽光が太陽電池モジュールに届かなくなり、まったく発電しなくなってしまいます。

そういう意味では、日本海側の地域は、太平洋側の地域より太陽光発電については不利であると言えます(毎日、せっせと屋根の雪下ろしをするのであれば別ですが……)。

ただ、前述でも述べたように、日陰であれば熱による太陽電池モジュールの負担は軽減させることができる利点もあるのです。

太陽光発電量と積雪の関係は以下の記事で解説しています
雪国での太陽光発電発電量は減る?積雪がもたらす被害と対策

どのような地域が太陽光発電に最も向いているのか


出典:自作DIYソーラーと太陽光発電で売電・節約・エコ人生

太陽光発電についての記事を色々と書いていて、最近、ふと、そう思いました。

「年間を通して、晴れる日が多い地域」が最も適している!そう仮定し、色々と調べてみると、“ほぼ”正解でした。そう、“ほぼ”正解でした。

太陽光発電を行うためには、“晴れている”ことが条件だと思い込んでいたのですが、実は、曇りや雨の日でも発電自体はするのです。

ただ、発電量は晴れの日を100%とすると、曇りの日は約30%程度、雨の日や日陰が多いと冒頭でも説明したように10%程度となります。

つまり、空が明るい、いわゆる昼間には発電はするのです。ですから、太陽光発電に最も適している地域というのは、“晴れの日が多い地域”というよりも、“日照時間が長い地域”と言った方が、正解なのです。

ちなみに、快晴、晴れ、曇りの違いをご存じですか?これらは、ある一定の枠内に雲がどれくらいあるのかで決定されます。

ある一定の枠内を10として、その枠内にある雲の量が0~1の場合を“快晴”、2~8の場合を“晴れ”、9~10の場合を“曇り”と言います。

空が8割がた雲に覆われていたとしても、天気は“晴れ”になります。また、この雲量ですが、機械などを使わずに目視で量られます。コンピューター全盛のこの時代に、少し変な感じがしますよね。

2018年度の県庁所在地で見た年間日照時間ベスト10

順位都道府県時間
1位山梨県2461.5時間
2位宮崎県2410.5時間
3位高知県2372.9時間
4位群馬県2366.4時間
5位三重県2365.5時間
6位愛知県2355.3時間
7位徳島県2326.8時間
8位岐阜県2315.6時間
9位大阪府2299.5時間
10位静岡県2297.6時間

総じて言うと、やはり太平洋側の方が日照時間は長いようです。

ここで、1kW当たりの年間発電量のある都道府県別データからその発電量のベスト5をピックアップしてみると、

  1. 1位 山梨県
  2. 2位 長野県
  3. 3位 徳島県
  4. 4位 静岡県
  5. 5位 群馬県
1位の山梨県は日照時間も1位なことから納得がいきます。

では、2位の長野県は日照時間がベスト10にすら入っていないのに、なぜ2位なのか。

これは、長野県の夏場の気温に関係しています。気温が低いために、太陽電池モジュール自体の温度が上がらず、発電効率が落ちなかったことが原因として考えられます。

“日照時間が長い=発電量が増える”というのは疑いようもないところなのですが、長野県の例のように“日照時間”の長さだけが発電量に影響するわけではないのです。

屋根の向きやその傾斜など、太陽光発電システムの設置環境も、もちろん大きく関係してきますが、太陽光発電に適している地域についての結論は、おおよそ太平洋側で降水量が少ない地域がよいと言うことができそうです。

さらに高温となる夏に気温が全国平均より低くなる地域という条件を付けくわえられます。

6位の愛知県での太陽光発電設置について詳しくはこちら
愛知県は太陽光発電投資に向いているのか愛知県に太陽光発電投資は適しているのか?利回り・売電収入をシュミレーション

太陽光発電の効率は日陰でも落ちる

日陰について軽く触れていましたが、改めて太陽光発電と日陰の問題について説明していきます。

太陽光発電の効率を考えた場合、日陰についての課題も考慮する必要があります。一般的な太陽光パネルでは、日陰となる環境の1つである雨や曇りになると発電効率が10%まで下がります。

なぜ日陰でも光の届く環境で、急激な発電効率低下が起きるか、それは結晶シリコン系太陽電池の性質が原因だからです。一部が日陰となると部分的にセルが発電しないのですが、構造上他のセルにまで発電効率低下の現象が起きてしまいます。

従って、既存の太陽電池モジュールでは、日陰による急激な発電効率低下が免れないということです。

そこで、最近注目を浴びている太陽電池が、CIS系太陽電池モジュールです。この太陽電池の特徴は、可能な限り日陰となる部分のみの、発電効率低下に抑えられる構造となっています。従って、結晶シリコン系太陽電池よりも、日陰時の発電効率維持に期待が持たれています。

日陰に位置する太陽光発電量の影響と対策や保証

気候対策はCIS太陽電池モジュールに注目

太陽光発電の効率に関する課題を紹介してきました。表面温度が高くなる現象で、既存の太陽電池モジュールは発電効率が低下します。従って、日照時間が長くとも気温が高い地域は、出力ロスが発生します。

また、日陰による発電効率の急激な低下も問題となっており、日照時間が長い地域でないと効率を上げられない側面があります。

どちらも、今すぐ解決できる問題ではないので、なるべく充電した電気を使い過ぎないようにすることが大切です。

ただ、販売されているCIS系太陽電池は、日陰でも出力ロスを抑えられますし、表面温度75度でも結晶系シリコン太陽電池より発電効率が落ちません。今後、太陽光発電設置を検討している方は、太陽電池モジュールについても調べておくとよいでしょう。