【産業用太陽光発電】20年後はどうなる?売電終了後に後悔しない方法を解説!

産業用太陽光発電は20年間、固定価格で決まった販売先に買い取ってもらえます。売電価格の下落によって発電システムを維持することが難しくなると、事業者によって発電設備を撤去しなくてはいけません。

その際、売電終了後に後悔しないように撤去費用を解説しています。また、土地を所有または借地かによって損をしないようにするための方法もパターン別に紹介しているため、20年後の事業計画を立てる際に役立ててください。

太陽光発電で20年という数字がなぜ重要なのか?

発電した電気の価格が保証されているのは10年から20年間のため、初期導入から撤去までのトータルコストを回収しても収益が出るのかを事前にしかりと検討する必要があります。10kWより容量の多い産業用太陽光発電の場合は20年間と定められています。太陽光発電を導入するにあたり、20年という数字は収益率を検討する際に重要な期間です。買い取り価格から売り上げを算出し、初期コストと20年間のメンテナンス費用を割り出しましょう。

システムは劣化していくため、1年目と20年目を比較すると同じ発電量にはなりません。20年後の売電価格は未定で、購入してくれる電力会社を見つける必要があります。太陽光パネルは30年ほどの寿命といわれており、20年目になると継続して発電をするのか売却するかなどの事業計画を再検討する時期ともいえます。設置した土地や条件によって20年後に損をしない方法が変わるため、事前にその後の運用を検討する必要があります。

見通しを立てるには見積もりが重要!

産業用太陽光発電の売電価格は20年間変わらない

FIT制度(固定買取制度)では、10kW以上発電すると全量買取を利用でき、産業用の太陽光発電システムを運営する事業者は発電した電気を電力会社へ20年間にわたり同じ単価で販売できます。FIT制度と呼ばれる電力の売電方法で、20年間の営業計画が立てやすく収益シミュレーションを判断しやすくなっています。決まった購入先に決まった金額で売電できるため、急な価格下落によって初期コストが未回収となるリスクを回避できます。長期的にわたり安定的に売電収入を見込めることが注目され、産業用の発電設備への投資促進につながった販売方式です。

自然エネルギーで発電した電力価格は下落傾向にありますが、20年にわたり導入時の単価で売電できるため市場価格の変動に影響されません。初期コストやメンテナンス費用に対して発電見込みの売り上げを試算すると、事業として採算が取れるか判断しやすくなります。日照時間や梅雨時期などによって発電量が変動する中、売電価格が変動しない全量買取制度を使用することで収益性の高い事業を展開できます。

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20年を過ぎると売電が出来なくなる可能性がある

産業用の太陽光発電を運営していく際に、売電先を確保できないと事業を継続できなくなります。全量買取制度の適用を受けることで導入から20年間は、事業者がクリーンエネルギー市場で営業する必要はなく、電力会社が取り決めた固定価格で電気を買い取ってくれました。しかし、20年後からは固定価格での売電が終了するだけではなく、電力を販売する電力会社を新たに探さなくてはいけません

資源エネルギー庁で売電できる事業者を検索することができますが、数多い小売電気事業者の中から契約をする事業者の経営判断によってを判断します。契約条件や単価は固定されていないため、売電者としてできることは、ニーズに合う販売先を早い時期からリサーチしておくことです。

プランによっては故障診断や修理サポートなども依頼できる場合もあり、その後のメンテナンスプランを検討して売電先を決めることが大切です。もし売電先が決まらないまま20年を過ぎると、せっかく発電しても売電が出来なくなる可能性があるので注意してください。だんだんと発電量が低下していくため、新たな事業計画を試算しないと、全量買取制度が終了してから損をしてしまう場合もあります。

20年後に損をしない方法をケース別に解説

太陽光パネル

発電システムの導入にふさわしい土地を持っていない方でも、土地付き(分譲)の太陽光発電を行うことが可能です。近年では投資目的として注目されており、発電に適した土地と発電システムがセットで販売されています。定期的なメンテナンスやシステムの管理もサービスに含まれていることが多く、売電収入を得るための負担を最小限に抑えることができます。

また、故障の際に一定の売電額を補償する物件やシステムのトラブルを教えてくれる物件などもあり、一般的な管理料は売電価格に対して10%ほどが相場です。

管理会社へ支払う管理料は年額で固定されるケースや月払いがあり、売電収益やメンテナンスにかかる費用などの取り決めた内容を購入前に確認してください。マンション賃貸や駐車場では利用者によって収益率が変動しますが、土地付きの発電ですと20年間は価格競争なしで買い取りされる仕組みのため、利回りに優れた投資といえます。所定の審査を通過するとローンを組めるため、少ない自己負担からソーラーパネルのオーナーとなれる仕組みです。

土地付き太陽光発電(分譲)の場合

まずは所有している太陽光発電が土地付き(分譲)の場合について解説します。この場合考えられるのは、太陽光発電設備をそのまま稼働させて継続して買電する場合と、太陽光発電設備を売却する場合です。

①継続して発電する

固定価格の期間が終了しても維持費を考慮しても採算が取れる場合は、継続して発電するケースを見ていきましょう。

既に初期コストは回収できているため、そのまま電力会社へ売電できれば収益を継続できます。初回20年よりは売電価格が安くなったとしても、投資目的で発電を続けるメリットとして継続した収入を得られることが大きいです。適切に運用していくためには定期的なメンテナンスを行う必要があり、一般的に年間10万円ほどの保守コストを念頭に入れておくと問題ありません。

継続して発電する土地が借地の場合は、賃料を支払ってまで運用を続けるかは状況によります。所有している土地で発電システムを運用している場合は発電システムを購入したい事業者へ売却する選択肢もあり、運用をやめたい場合は丸ごと売却することも可能です。

一般的な太陽光パネルは30年ほど発電できるため、その後も継続して発電することで10年ほどは収益を確保することができます。システムを売却して他の運用をした方が利益が得られるかなどを検討しながらも売電収入が入るため、発電システムを継続することは魅力的な土地活用といえます。

②太陽光発電設備を売却する

自身では発電は継続せず、設備をそのままの状態で他の事業者へ売却するパターンも選択肢の一つです。一般的な発電システムは30年ほど利用できるといわれており、20年運用した時点でも購入を希望する相手を見つけることは可能です

発電率が年々低下することは事実のため、土地を含めたシステムを売却する利益はさほど高くはありません。初期コストの3割から4割ほどが相場ですが、今後とも太陽熱発電のリサイクル市場は拡大していくと見込まれています。

③設備を撤去して土地の運用に切り替える

20年間の固定買取制度が終了したタイミングで維持費を考慮すると採算が合わない場合は、発電設備を売却してマンションや駐車場、テナントへ貸し出しなど土地の運用に切り替えるパターンを検討するのがおすすめです。大前提として初期コストを償却できていないと、撤去費用でさらに赤字になってしまうリスクがあるため、撤去に伴うコストがどのくらい必要かを事前に見積もりしてから土地の運用を変更するか決めましょう。システムを破棄してから新しく事業を始めるため、細かく将来性をシミュレーションすることが大切です。

撤去でかかる費用では太陽光パネル1枚当たり1,000円程度が相場で、発電できる量によって工事費用が決まります。撤去費用を見積もる際には所有しているパネルの枚数と発電ワット数によって金額が変動するため、撤去費用のコストは発電システムの規模で決まります。また、広い土地を確保できているからと、必ずしも土地運用が成功するとは限りません。安全かつ設置しやすい環境として採用されているのが郊外の土地が多いため、土地の運用で採算が取れるかも厳しくマーケティング判断することをおすすめします。

分譲太陽光発電の見積もりも可能!

土地を借りている太陽光発電の場合

使用されていない広い土地が余っていると、土地を貸し出して太陽光発電を導入する投資スタイルもあります。借りている側がシステムの初期コストやメンテナンス費用を負担するため、初回20年間でしっかりと負担額を回収できているかがポイントとなります。

その後は契約内容によりますが、貸主へシステムごと譲渡する場合は撤去費用や土地運用における採算を検討する必要はありません。土地を借りて発電システムを導入する際は、どのタイミングで返却し、その後のメンテナンス費用や売電収入は誰が受け取るのかなど細かく取り決めておく必要があります。

20年後も土地を借りて発電を継続する場合は、「一定の売電収入を土地オーナーへ支払う」または「オーナーの電気代を安く提供する」などの条件によって発電が可能になります。自社で電気を買い取るルートがあるか、売電先が確保できているかが重要です。収益率によってはメンテナンス費用やオーナーへの利回りを含めると継続して発電するメリットがあるか不透明のため、契約前に20年後の継続利用におけるルールも明記しておくことが大切です。

産業用太陽光発電設備の撤去費用

初期コストやメンテナンス費用だけではなく、太陽熱発電の設備を撤去するコストも導入する前に理解しておきましょう。産業廃棄物に指定されているため、撤去を決めた際には対応できる業者に見積もりを依頼します。発電を運用していてシステムが故障したことで取り換える場合は、修理会社または施工会社が廃棄を行うため心配ありません。事故や災害に伴うケースや所有者の判断で発電設備を撤去する場合は、所有している事業者が責任をもって廃棄する必要があります。

撤去にかかる費用を知っておくと、更地にして新しく運用を始める際の利益率を計画する際に役立ちます。あまりに撤去費用が高額で発電能力がある場合は、土地とシステムをまとめて売却するケースを検討してみましょう。撤去には作業費や人件費だけではなく、処分や運搬にかかる費用も含まれます。工程としては仮設工事から始まり解体後は整地にならし、産廃処理を行うため、それぞれの工程を総合した価格を撤去費用といいます。

撤去が必要になるケース

太陽光パネルやパワーコンディショナーなどが故障して交換する場合は、メーカー保証で無料となる場合もあります。交換にともなう撤去ですと一般的に施工会社が執り行うため、所有者が責任を負うことはありません。20年にわたる固定買取制度が終了したことで今後の運用を行わないケース場合は、責任をもって撤去する必要があります

モジュールは産業廃棄物に分類されますが、電気機器などは一般廃棄物となります。依頼する撤去業者がそれぞれの分類を行うため、わざわざ所有者が分類することはありません。一度システムを撤去してしまうと簡単に元には戻せないため、撤去を決める前に他の方法はないか検討することをおすすめいたします。それでも発電システムの撤去を希望する際は、複数の専門業者へ見積もりを依頼しましょう。何か不明な点があれば質問し、サービス内容と価格に納得した上で依頼してください。撤去した方がメリットがあるかはケースバイケースなので、20年後の維持費と収益を考慮して本当に撤去するかを検討します。

撤去費用の目安

太陽光発電の設備撤去コストは業者によって変動しますが、平均的な単価は下の通りです。

作業工程 部分 撤去目安/1kW 条件
仮設工事 0円 傾斜なし
解体工事 PVパネル・架台 3,000円 傾斜なし、コンクリート基礎
基礎 1,900円 傾斜なし、コンクリート基礎
4,300円 傾斜なし、スクリュー基
整地工事 2,100円 傾斜なし、コンクリート基礎
200円 傾斜なし、スクリュー基礎
産廃処理 収集運搬 700円 PVパネル
2,000円 コンクリートがら
中間処理 1,400円 PVパネル
2,000円 コンクリートがら
最終処分 700円 管理型

引用:資源エネルギー庁ー太陽光発電設備の廃棄等費用の積立てを担保する制度に関する詳細検討①

1kWあたりの撤去費用の合計は、以下の通りです。

作業内容 撤去目安/1kW
コンクリート基礎 1万3,700円
スクリュー基礎 1万0,200円
基礎を撤去しない

(PVパネルと架台のみ産廃処理する)

5,700円

引用:資源エネルギー庁ー太陽光発電設備の廃棄等費用の積立てを担保する制度に関する詳細検討①

この場合、リサイクルすることで撤去にかかる費用がプラスになる可能性もあるため、専門業者へ撤去費用の見積もり依頼を出して確認してみましょう。

太陽光発電設備の撤去費用について詳しくはこちらの記事で解説しています

▷【太陽光パネルの廃棄方法と廃棄費用】太陽光パネルの処分で得する方法を教えます!

まとめ

産業用太陽光発電の事業者として20年後の固定買取制度が終了した際に、発電システムを継続するか売却するか判断してください。有効活用できる土地では撤去費用を支払っても更地にし、撤去コストを試算して土地活用の採算が取れない場合は土地と発電システムをまとめて売却する方法もあります。新たに売電先が見つかり維持できる分の収益性を保てれば、10年ほどは発電できるため事業を継続する選択肢もあります。

いずれにしても重要になるのは全てのコストを考慮した上での見積もりを出すことです。十分なシュミレーションを重ねてお得に太陽光投資をしましょう。

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