ZEH(ゼッチ)の家とは?補助金の申請法や住宅の基準を簡単に徹底解説

近年、太陽光発電と共にニュースなどで注目されている、新たな住宅のカタチとして『ZEH(ゼッチ)』という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

ZEHとは、これからの生活とエネルギーについて総合的に考えられた住宅のこと。

しかし、“ZEH” という言葉だけでは、具体的な内容をイメージすることは難しく、「多分、省エネに関する取り組みをしている家かな?」という程度の認識で終わってしまうことが多いようです。

そこで、この記事ではZEHの意味や定義、ZEH化された住宅の特徴、メリット・デメリットについて、誰にでもわかるように簡単に解説をしていきます。

ZEH(ゼッチ)とは?

ZEH化については政府が推進している政策の1つ

ZEHとは、Net Zero Energy House(ネットゼロエネルギーハウス)の略称で、政府が推進している取り組みです。

私たちの日常では、料理を作るときにガスやIHを使用したり、スマホの充電で電気を使用したり、照明を付けたりといった行動を当たり前のようにしていますよね。当たり前の行動の中で、私たちは様々なエネルギーを消費しています。

これまでの住宅方式では、太陽光発電システムを使用しても消費エネルギーをゼロにすることは難しく、長年の課題でもありました。

しかし、ZEHという新たな概念を盛り込んだ住宅の場合は、消費エネルギーを抑えつつ、エネファームや太陽光発電を利用し自宅で創ったエネルギーを使用することで、最終的にエネルギーの消費をプラスマイナス0にすることが可能なんです!

政府は、住宅やエネルギーに関する基本計画の1つに、ZEHの普及を掲げています。計画の一部では、2020年までにZEHを標準的な住宅として実現させ、2030年までにZEH化した住宅を全住宅の割合の中で平均値まで押し上げたいとしています。

つまり、環境に優しく従来の住宅よりも価値のある、ZEHを普及させることが国益として捉えられているということなのです。


出典:eco-fan

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ZEH化住宅の普及率

積水ハウスやセキスイハイム、住友林業などの主要ハウスメーカー12社の新築戸建て住宅と新築建売住宅のうち、ZEH住宅の割合は、15〜76%となっています。

一方でZEH住宅は全国のハウスメーカーで対応しているにもかかわらず、ZEH住宅の実績が0%のハウスメーカーも多くあるようです。

この事態の打開策として政府は、今年度初めてZEHを手掛ける事業者を対象に、補助事業を制度化しようと試みています。

ZEH化マンションも次々と建設されている

平成30年よりZEH化マンションが続々と建設されるようになりました。マンションのZEH基準は、簡単に言えば、年間の一次エネルギー消費量を20%以上削減することです(他にも細かい条件はあります)。

例えば、外壁や床などの断熱性を高くしたり、エコキュートやエネファーム、床暖房の導入により一次エネルギーの削減を試みています。

ZEH化の家のメリットと特徴

光熱費ゼロの実現も可能!無理せず消費エネルギーを抑えられる

新築住宅ZEH化させることで、光熱費削減効果が期待できます。

ZEHは、太陽光発電などでエネルギーを創るだけでなく、省エネにも力を入れた住宅システムです。

そのため、ZEH化した住宅は、断熱や最新の省エネ機器の導入、気密性の確保などにより、暖房や冷房などを使用しなくても快適に過ごせるため、無理をして節電しなくても必然的に光熱費を抑えることができます

ZEH化住宅は、不自由することのない快適な生活を考えた省エネの実現が可能なのです!

災害対策の一環としてZEH化した住宅が役立つ

近年、地震や豪雨、台風などのさまざまな複合型災害が発生しており、激甚災害指定の事例が珍しいものではなくなってきています。

2019年度にも台風の影響で、多くの地域が大規模停電や河川の氾濫、浸水などの被害を受けましたよね。

このような自然災害で停電や断水があった場合、自治体や国の復旧作業では追い付かないケースも多く、少なくとも1〜3日間はライフラインに頼らずに自力で生活を行わなければなりません。

しかし、ZEH住宅であれば、オール電化住宅なのでガス漏れによる火災等のリスクを除くことができたり、停電時でも太陽光発電などのエネルギーを創るシステムが備わっているため緊急時の代替エネルギーとして活用したりすることができます

創エネルギーや省エネルギーなど複合的な考え方があること

ZEHは、省エネだけではなく創エネもコンセプトに掲げています。
例えば、太陽光発電は光エネルギーを使って電力を発電し、発電した電気を自家消費することで省エネを目指します。

しかし、この場合は、消費エネルギーを0にするために、大容量の太陽光発電設備を設置する必要があり、現実的に難しいというデメリットがあります。

また、政府が推進しているZEHの考え方は、エネルギーを創るだけでなく、省エネなど他の点を重視しています。

まとめると、省エネ、創エネ、蓄エネといった、複合的なエネルギーの活用を実現した住宅が、ZEH特有の特徴といえます。

つまり、太陽光発電設備を設置するだけでなく、消費エネルギーを抑えるために高い性能を持つ断熱材を取り入れ、発電した電気は必ず蓄電することで、買電を最小限に抑えた生活を送ることができるということです。

住宅の評価に省エネが導入されたためZEHは資産価値がでてきた

ZEHを導入するメリットは、生活に関することだけではありません。資産価値としてもメリットがあります。2016年4月に、国はBELSと呼ばれる住宅の評価を決める基準について、新たな制度を設けました。

BELSとは、住宅の評価基準の制度でエネルギー性能を評価することで、星1〜5つの評価基準となっており、星が多いほどエネルギー性能が高い住宅として評価されます。

つまり、ZEHのような省エネや創エネといった、環境にやさしくエネルギー効率の良い住宅については、資産価値も高い評価を受けられるということです。

2019年時点で、ZEHは発展段階なので、特に資産価値を高く評価される傾向にあります。

子や孫に住宅を継がせる場合や、不動産として住宅を考えている方もZEH導入のメリットがあります。

ZEH化するための仕様と基準

ZEH化住宅は、

①断熱性能
②省エネ性能
③創エネ

この3つの基準を満たさなければいけません。

①断熱性能

断熱性能は、室内外に熱を伝えづらく性能のこと。

暑い日の熱を室内に伝わりづらくすることで、エアコンをより効率的に最小限に抑えることができたり、反対に寒い日は寒い空気が室内に入りづらくなるので、必要以上の暖房器具を使わなくても快適な生活を送れるようになったりします。

具体的な断熱性能は「UA値(外皮平均熱貫流率)」という指標で表され、ZEH基準は、UA値:0.4〜0.6(W/㎡k)以下です。

②省エネ性能

省エネ効果の高い家電や機器を導入し、一次消費エネルギーを従来よりも20%以上削減する、省エネ性能の高さも基準に含まれます。

空調・照明・給湯・換気の4つの機器で、ZEH基準を満たした機器を使用していることが条件です。

③創エネ

ZEH住宅では、エネルギーをつくる創エネも基準としてみなされます

さらに、創エネに加えて蓄電池やエネファームなどを組み合わせて導入することで、日常のエネルギーだけではなく災害時のエネルギー補充もできる家を目指しています。

ZEH住宅を建てる事で補助金を受取ることができる

2019年のZEH化住宅の補助金制度

ZEHで補助金をもらうことができるのは、

(1)住宅を新築する人

(2)新築建売住宅を購入する人

(3)自己所有の既存住宅を改修する人

上記のいずれかのに該当していることに加え、

・所有者自ら居住する戸建て専用住宅であること

・登録されたZEHビルダーまたはプランナーが設計、建築、改修または販売を行うZEHであること

この2つを満たした場合です。

ただし、条件を満たしたからといってすべての人が補助額をもらえるわけではなく、補助金を申請した人の中から抽選で選ばれます。

補助額はZEHの性能によって変わります。ZEHの性能は以下のパターンです。

①ZEH:一次エネルギー消費量を省エネの基準よりも20%以上削減する住宅。

②ZEH+:一次エネルギー消費量を省エネの基準より25%以上削減することに加え、電断熱性の強化、電気自動車などを導入している住宅

③ZEH+R:ZEH+に加え、防災機能の優れた住宅(ここでいう防災機能とは、蓄電池などにより停電時に電気を確保できたり、太陽熱利用温水システムが導入されていることを指す)

補助額は、70〜125万円+αとなります。

ZEH化住宅の補助金額

2020年度の補助金は2019年12月時点では公表されていませんが、国は新築戸建て住宅1戸につき60万円を支援する方針です。

いまよりも補助額は少なくなりますが、ZEH住宅の普及のためより多くの人がZEH補助金をもらえるようになるのではないかと予想しています。

ZEH化住宅の補助金申請前に確認しておくべきこと

ZEHの補助金を申請する前に以下の4点を確認する必要があります。

①ZEHの補助金申請期間

②申請期間だけでなく、住宅の完成時期も決められた期間かどうか

③ZEH仕様の間取りやデザインとなっていること

④ZEH仕様の住宅かつ窓の数や窓の大きさに関する条件をクリアしている

これらの条件を満たしていない場合、申請しても補助金の抽選対象外となってしまいます。

ZEHの補助金申請期間や公募開始の時期、住宅の完成時期に関しては環境共創イニシアチブ(SII)の公式ホームページで確認できます。同ホームページ内のZEHという項目に、ZEH関連の情報や補助金制度について詳細な情報が記載されています。

また、ZEH仕様の住宅となっているかは、工務店や購入に関連する担当者に連絡・相談を行うのが適切です。

ZEH補助金はいつもらえる?

補助金の申請が許可されると、2〜3週間のうちに、補助金交付の決定通知書と実際に完成したことを報告するための実績報告書が送付されます

それぞれの申請募集期間ごとに、実績報告書の提出期限が設けられており、期限までに住宅の引き渡しが完了し、実績報告書などの書類を提出する必要があります。

これは、その提出期限までに住宅が完成して引き渡しを受けて、実績報告書の必要な書類を揃えて提出しなければなりません。

実績報告書の提出が完了し、無事に受理されると補助金確定通知書が送付されてきます

この書類に、補助金が振込される日時と補助金額が記載されています。

また簡単なアンケートも同封されていますが、補助金を受けるためにはこのアンケートに答える必要があるので、「回答するのを忘れていた」ということになれば、補助金を返金しなければいけなくなる可能性もあります。

確実に回答するようにしましょう。

実際に補助金が振り込まれるまでは、半年ほどかかるという口コミがありました。

住宅のZEH化によって懸念される2つのデメリット

①ZEH型の住宅を建てるコストは高く負担が大きい

ZEH化住宅を設置するためには、通常の建設・内装費用にプラス250〜300万円かかると言われています。
(正確なデータの開示はありませんが、一般社団法人環境共創イニシアチブ:SIIという経産省管轄の下でZEHの審査や補助金の交付を行っている機関が上記のように発言しています)

費用が高額なのは、最新機器を搭載していることや、新しい住宅システムであり設計が複雑化してしまうからです。中には、施工に不慣れな部分が出てしまい、不備の修正など結果的にコストが高くなってしまうケースもあるようです。

ただ、今後普及が進むことで、業者側もコスト削減が実現できる可能性があります。また、国からの補助金制度もあるので、ZEH住宅の建設費用削減も可能です。

②エネルギーをつくるために必要な太陽光発電の売電価格が下落傾向

ZEH型の住宅は、エネルギーを創り消費エネルギーを抑えることです。また、それだけでなく余ったエネルギーを売電することで、収益を得られるように設計されています。

しかし、創エネの柱でもある太陽光発電の売電価格は、年々下落していることから売電収益という点で、期待できない可能性があります。

2019年の売電価格は、24〜26円(住宅用太陽光発電の場合)となっており、今後も下落していくことが予想されています。

ただし、FIT制度(固定価格買取制度)により一定期間(住宅用太陽光発電は10年間、産業用太陽光発電は20年間)は、FITを導入した年の売電価格で売電することができるので、収支バランスの長期的な計画や予測は立てやすいといえます。

また、ZEHの初期費用コストは、普及が進むと共に下落していく可能性があるため、売電収益を重視せずとも運営を続けることはできるでしょう。

売電価格が下落して、収益が得られなくなる前にZEH住宅の導入を検討するのが有益です。

ZEH対応のハウスメーカーはある?

ZEH住宅は、大手のハウスメーカーから各地域のハウスメーカーなど、全国のほとんどのハウスメーカーで対応可能です。

ただし、ハウスメーカーを選ぶときは、SIIに登録されたZEHビルダーまたはZEHプランナーのハウスメーカーかどうかを確認することをおすすめします。

なぜなら、先ほど説明した補助金を受け取るためには、SIIに登録されたZEHビルダーまたはZEHプランナーによって設計・建築・改修または販売されることが条件になるからです。

住宅サイトHOME’Sでは、全国のZEHビルダー・プランナーが対応しているハウスメーカー一覧を提示しているので確認してみてくださいね。

今回はZEHビルダーまたはZEHプランナーのおすすめハウスメーカーを5社ピックアップしてご紹介します。

①セキスイハイム

大手住宅メーカーとして認知度が高いセキスイハイム。「あったかハイム」のCMを見たことがある方もたくさんいるかと思います。

セキスイハイムでは、太陽光発電システム搭載型住宅へいち早く展開し、太陽光発電搭載型住宅の実績は16万棟となっています。

新築住宅のうちZEH住宅の普及率は55%程度です。

セキスイハイムが掲げるコンセプトは、ZEHのさらに先を行く住宅を提供することです。ZEHは消費エネルギー0の住宅ですが、セキスイハイムの場合は蓄電システムにも力を入れ、創るエネルギーの方がプラスになる “スマートパワーステーション” と呼ばれる住宅を展開しています。

他には、ヒートポンプ式冷暖房を活用した換気システム、「快適エアリー」があります。このシステムにより、全室へ空気を回しつつ、温度差が出ないよう快適な空間を作り出すことが可能になりました。

お年寄りや小さなお子様のいるご家庭に人気のハウスメーカーです。

②レオハウス

クレヨンしんちゃんのCMでお馴染みのレオハウスが建てるZEH住宅は、注文住宅ができるにも関わらずリーズナブルな価格で設計・建設ができるという特徴があります。

ZEH住宅は、一般的な住宅よりもコストが掛かるため、35坪程で2,000万円以上が平均相場です。しかし、レオハウスの場合は、同社が提示しているプランで35坪1,770万円から提供しています。

費用価格をなるべく抑えてZEH住宅を購入したい方におすすめのハウスメーカーです。

③住友林業

住友林業は、“木を楽しむ人” をテーマに住宅の設計・建設をしている大手ハウスメーカーです。住友林業が手がけるZEH住宅にも断熱に優れた木や断熱性の高い窓が使用されています。その結果、ZEH基準を上回る断熱性能が実現されました。

住友林業は、ZEH住宅の普及率を2020年に80%を目指して取り組んでいます。

どんな世代・家族構成でも、木のぬくもりを感じられる暖かな家づくりができるハウスメーカーです。

④へーベルハウス

ヘーベルハウスが使用しているALCコンクリート・ヘーベルは、一般的なコンクリートに比べて約10倍の断熱性があり、暑さや寒さを遮り結露の発生も予防することができます。

コンクリート以外にもさまざまな手法を使うことで、断熱性能に優れた家づくりが可能になりました。

へーベルハウスは都市部の住宅設計・設置に長けているので、「広い土地は購入できない……」という都心部にお住まいの方におすすめです。

⑤一条工務店

一条工務店は40年の老舗のハウスメーカーで、住宅展示場への出展棟数No1を誇っています。

一条工務店は、“i-シリーズZero” というZEHブランドを確立しています。このブランドは、2015年のハウスオブザイヤーにも選ばれており、省エネ性能が高く評価されています。

また、1kw辺りのパネル単価を31万円まで抑えたリーズナブルな太陽光発電システムでありながら、大容量のパネルを設置できるという創エネへも重きを置ているブランドです。

他にも、全館床暖房やロスガード90と呼ばれる空気交換システムを導入したりと、快適な生活を送るためのこだわりが伺えます。

実績と信頼のあるハウスメーカーでZEH住宅の設計・建設を考えている方におすすめです。

まとめ

ZEH化住宅は、消費エネルギーを0にするためも、様々な省エネ機器や創エネ設備が導入されているので、従来の住宅よりもより省エネを実現しやすくなりました。

ZEHを導入した家は、創エネと省エネなどを組み合わせた、環境にやさしく人にも優しい新しい住宅のカタチとして、環境問題が謳われている今だからこそ重宝される住宅です。

ZEHは政府が推し進めている政策なので、補助金制度も充実しており、比較的導入しやすいくなっています。

初期費用が従来の住宅より300万円程度高くなるため、導入を迷っている方もいると思いますが、2020年以降はよりさらに導入するための壁が低くなると予想できます。

しかも、初期費用が高額とはいえ、長期的に考えると年間の光熱費が節約できるだけでなく、快適な生活が送れる環境が整うという点は大きなメリットとなります。

この機会にZEHの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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