太陽光発電の売電価格が下がる一方!導入するメリットはあるの?

発送電分離や電力の自由化、またはソーラーパネルの性能向上や生産コストの値下がりなどで、売電価格が年を追うごとに安くなっています。いつまで値下がりが続くのか、今後、太陽光発電システムを導入するメリットはあるのか、調べてみました。

太陽光発電システムに未来はあるのか?

電力自由化の影響で売電価格が年々下がっていますが、そもそも、この価格はどのようにして決められているのでしょうか?

固定買取価格制度によって価格が決められている

売電価格は経済産業省内の資源エネルギー庁「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」(FIT)で決定されています。

この制度は、地球温暖化などにともなって、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーによる発電方法を普及させるためです。また、一般的な電気の購入価格よりも高い値段設定で、契約後の一定期間(10年または20年)、固定で買い取ってもらえます。

具体的には、電力会社から電気を購入した場合、購入価格は1kWあたり約18円~29円ほどですが、住宅用太陽光発電システムで発電した電気を売る場合、売電価格が1kWあたり約26円~28円ほどに設定されています。両者には3円~10円の開きがあります。

従って、場合によっては購入価格が上回ることもあります。

固定買取価格制度があっても買取価格が下がる理由

再生可能エネルギーを利用した発電を普及するための制度でありながら、どうして買取り価格が下がり続けているのでしょうか。その理由の一つにソーラーパネルを生産するためのコストダウンと発電効率(変換効率)の改善にあります。

コストが安くなり初期投資費が抑えられる分、買い取り価格の値が下がってゆく傾向が見られるため、買取価格も同時に下落傾向で設定されています。

ただし売電価格は、契約を結んだ時点の価格で10年間(産業用で20年間)は変動しないことになっているので、年々下がり続けている状況下で、太陽光発電システムの設置を検討しているのであれば、できるだけ早く契約を結んだ方がお得です。

太陽光発電の需要や発電効率は期待できる

結論として、太陽光発電システムはこれからも需要が伸び続け、全電力発電量の多くの割合を占めるようになると予想されます。ましてや地球温暖化による異常気象などが頻繁に発生している昨今ではなおのこと、太陽光発電システムを導入するメリットが無くなることはありません。

発想を転換させて電力の自給自足というメリットについて考える

先ほど、ソーラーパネルの発電効率(変換効率)のアップと生産コストのダウンが、電力買い取り価格の低下を招いているという話しをしましたが、どれだけ発電効率の高いソーラーパネルが誕生しても蓄電システムが発達しなければ意味がありません。

そこで、自給自足という観点から考えてみませんか。

蓄電池の活用を考える

蓄電地の開発が再生可能エネルギーを利用した発電システムの未来をにぎっているといっても過言ではありません。最近では、実用に耐える高性能の蓄電システムが次々に開発されて登場しているので、近い将来、昼間に蓄電した電力を夜間はもちろん、雨天時などでも長時間にわたって利用できるようになるはずです。

発想を転換して、電力を販売することよりも、電力の自給自足を目的にして太陽光発電システムを導入するという考え方もあります。

特に、離島などで無尽蔵にある太陽エネルギーを利用して電力の自給自足ができるようになれば、これほど心強いものはありません。また、電力の自由化によって売電価格が低下しているという現状にあって、自宅だけで使用するための発電であれば、売電価格を気にする必要がありません。

災害時の非常電源として活用できる

他にも、昨今の災害頻度の高さを考慮した場合、自治体によるエネルギー復旧速度には限界があることが分かります。

従って、各家庭が太陽光発電設備を、非常電源として使用することを検討するのもいいでしょう。

最近の太陽光発電設備は、スマホなどの充電は勿論ですが電気式ポットなど、中型の家電製品であれば安定して電源供給できます。

広い視野で太陽光発電システムを考えてみませんか。

大規模な太陽光発電システム(産業用太陽光発電・メガソーラー)の場合はどうだろうか

家庭用向けの太陽光発電システムについて述べてきましたが、産業用太陽光発電・メガソーラーのような大規模な太陽光発電システムの場合ではどうなのでしょうか。

メガソーラー(大規模太陽光発電所)のメリットとデメリット

産業用太陽光発電の発電量

現在、大小含めてさまざまな企業が太陽光発電システム(産業用太陽光発電・メガソーラー)を運営していますが、撤退した企業はありません。また毎年新規に事業を始める企業が登場しており、その発電量は日本全国で原子炉30基分相当にのぼるといわれています。

今後も電力需要が飽和状態に達するか、蓄電システムの発展次第では、火力発電所や原子力発電所が淘汰されるまで伸び続けると予想されています。

産業用太陽光発電システムの課題

具体的な課題として挙げられるのは、規模の大きい太陽光発電システムの場合、土地代が大きなネックになっています。言い換えれば土地代さえかからなければ十分採算はとれるので、土地の賃貸料を差し引いて見積もる必要があります。

さらには、毎年かかる固定資産税とメンテナンス費用も考慮しなくてはいけません。

北海道のような広大で格安な賃貸料の土地を利用するのであれば、採算はとれますが、都市近郊の土地単価が高いエリアでは事業運営が厳しいというのが現実です。

従って、事業を始める場合は、できるだけ自分が所有する土地で行うか、地方の賃貸料の安い土地を利用するように工夫する必要があります。

安定供給も課題となっている

他にも課題があり、それは各地域にある電力会社との兼ね合いや連携の問題です。常時安定して電力を供給している原発や火力発電とちがって、太陽光発電システムの場合は天気の良い昼間に発電ピークを迎え、雨の日や夜には発電できません。

ですから、大量に電気を備蓄するシステムがない現状では、常時安定供給というわけにはゆきません。そのため、現状では安定供給しやすい火力発電など、従来の発電方法を優先する必要があり、余った太陽光発電システムで発電された電気は抑制されることになります。

大規模な太陽光発電システム(産業用太陽光発電・メガソーラー)をはじめる場合には、以上の点を充分検討し、地域の電力会社との連携なども考慮したうえで見積もりを立てる必要があります。

太陽光発電は売電価格だけに注目しないこと

年々太陽光発電の買取価格は下がっており、場合によっては電力会社からの購入価格の方が高くなる可能性もあります。

従って、今後は売電価格も活用しつつ、災害時や通常時に自宅でエネルギーを消費する自給自足型の利用方法が望まれるでしょう。

また、産業用太陽光発電システムも課題が残されており、住宅用・産業用どちらも導入の際には、単純な売電価格だけを見るのではなく総合的に役立つシステムか判断する必要があります。