太陽光発電保有者に蓄電池をすすめる理由とメリット・デメリット

太陽光発電設備を導入しようと検討している方の中には、各メーカーの設備内容を確認していて蓄電池について気になったことがあるでしょう。

太陽光発電設備は、太陽光パネルだけではなく分電盤やパワーコンディショナなど様々な周辺機器と組み合わせることで稼働できます。そして、近年では蓄電池を加えた設備内容で販売も行っており、太陽光発電設備を導入する方にとって理解しておくべきポイントの1つといえます。

しかし、太陽光発電は理解しやすいですが、蓄電池となると一般的に電気を貯める漠然としたイメージのみしか浮かばないことも多く、太陽光発電設備に加えるメリットなどについて分からないことも多いです。

そこで今回は、太陽光発電を検討している方や既に太陽光発電を保有している方に向けて、蓄電池の特徴やメリットとデメリット、各自治体で実施されている補助金制度について分かりやすく解説していきますよ。

太陽光発電に設置する蓄電池とは

まずは蓄電池の仕組みや特徴と、太陽光発電との関係性について解説していきます。太陽光発電設備のイメージとしては、設備の中に電気を貯める装置も付いていると考える方もいるでしょう。しかし、実際には太陽光発電設備に蓄電池を付けないと、電気を貯めることはできません。

自家消費という側面で見ても、重要な機器といえる蓄電池について基本から覚えておきましょう。

蓄電池とは電気を貯めるための機器


出典:tainavi-battery.com
蓄電池の役割とは、文字通り電気を貯めることでかつては産業用蓄電池が主流でした。産業用蓄電池は、工場など大規模設備に使用される蓄電池のことで、住宅用太陽光発電設備に使用する蓄電池は、小型化された家庭用蓄電池になります。

太陽光発電設備に元々付けられていたわけではなく、近年の技術革新や発展のおかげもあり、住宅用太陽光発電設備のサービス内容に蓄電池も加えている事例が増えてきました。

また、太陽光発電設備を活用したHEMSなどスマートハウスにも活用されていることから、今後更に蓄電池の需要が増加していくと考えられています。

蓄電池には様々な種類があり太陽光発電にはリチウムイオン電池が使用されている

蓄電池を知る上で欠かすことのできないポイントが、主に4種類の蓄電池が製造されているということです。

1.リチウムイオン電池

太陽光発電に設置されている蓄電池は、このリチウムイオン電池が主流で他にもスマートフォンやパソコンなど電子機器に利用されています。正極側にリチウム含有金属酸化物、負極側に炭素材を用いていて、電解液は有機電解液を使った二次電池となります。

二次電池とは、充放電が可能な電池のことで分かりやすく説明しますと、使い切りタイプではなく充電して何回も使用できるタイプを指します。

リチウムイオン電池の特徴は、蓄電池の中でも電池容量や使用状況をチェックしやすく、蓄電効率が高いことから、技術開発に力が入れられています。また、住宅やオフィスなどにも利用されていて、普及率が高いので後述でも紹介する補助金制度の対象にもなっています。

自治体による蓄電池の補助金制度の記事はこちら
太陽光発電の国による補助金制度はなくなったが各自治体で続いている

2.ニッケル水素電池(蓄電池)

正極側にオキシ水酸化ニッケル、負極側に水素吸蔵合金用いていて、アルカリ水溶液を電解液として使った電池になります。過充電や過放電に強く、長寿命ということから鉄道システムの蓄電池としても使われています。他には、充電式乾電池やハイブリッドカーに搭載されています。

3.鉛蓄電池(蓄電池)

正極側に二酸化鉛、負極側に鉛を用いていて希硫酸を使った電解液の蓄電池になります。蓄電池の中でも古くから用いられてきたタイプで、身近な所では自動車のバッテリーに搭載されています。長い開発・使用実績があることや安価で使用できることから、広く普及していますが充放電を繰り返すごとにエネルギー効率が低下しやすい側面があります。

ただし、放電しきる前に充電するなど、使用方法について工夫を行えば、一定のエネルギー効率を維持することが可能です。

また、鉛蓄電池に使用する極板(プラスやマイナスに使用する板)の種類によって、クラッド式とペースト式に分けられています。

4.NAS電池(蓄電池)

正極側に硫黄、負極側にナトリウムを用いていて電解液にはアルミナを使った蓄電池になります。リチウムイオン電池と同じく優れた充放電性能を持っていて、工場や大規模設備に使用されている事例があります。

また、エネルギー効率が高く充放電性能に優れている反面、危険物を使用しているため維持管理について注意する必要があります。

太陽光発電設備に蓄電池も設置するメリットとデメリット


続いて太陽光発電設備にも用いられている、家庭用蓄電池を導入するメリットとデメリットについて分かりやすく解説していきます。太陽光発電のメリットといえば、太陽光発電を使って売電収益を得られるという点ですが、蓄電池を設置しなければ発電した電気を貯めることはできません。

太陽光発電メリット・デメリットのまとめ
太陽光発電メリットとデメリット!売電価格は下がる一方で設置は損か得か

売電単価に関して工夫する必要もある太陽光発電で、今後自家消費を検討している方は特に蓄電池導入について考えることが求められるでしょう。

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蓄電池を導入するメリット

1.災害時や停電時など非常用電源として家電製品等を稼働させることができる

2011年の東日本大震災では、国や自治体の対応だけでは、カバーしきれない程の甚大な被害が発生し、1週間以上電気が使えない地域が多数存在しました。

また、2018年には、水害なども目立ち各個人がエネルギーに対して考える必要が出てきています。そのような時代で、太陽光発電と蓄電池の運用は、非常に重要な役割を担うといえます。

蓄電池を導入すれば、例えば7,2kwhの蓄電容量で冷蔵庫や扇風機、テレビといった家電製品を最大で約12時間電源供給が可能です。また、倍の約14kwhの蓄電容量であれば、フル充電で最大24時間電源供給もできます。

電気は、生活にとって非常に重要なライフラインの1つですので、蓄電池の役割の重要性について理解できます。

停電時に非常用電源となるなど災害時に役立つ太陽光発電のメリット

2.太陽光発電と組み合わせて使用することで売電効率アップが見込める

蓄電設備がなく太陽光発電発電の場合、電気代の安い深夜帯に蓄電ができないので、日中に太陽光発電で発電した電気を売電に回す余裕がない場合にカバーできません。

しかし、蓄電池があれば電気代の安い深夜に電気を蓄電し、日中の消費電力を蓄電池で賄って、太陽光発電で発電した電気を売電に回すことが可能となります。このような方法がとれれば、売電収入がアップしますし節電にも繋がります。

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蓄電池を導入するデメリット

1.蓄電池の交換が必要

太陽光パネルの場合は、1度の設置で10年以上交換せずに使用することができますが、蓄電池の場合は充電と放電を繰り返すことで徐々に劣化していき、いずれ交換が必要となってきます。従って、太陽光発電設備の維持管理コストに蓄電池のコストも上乗せしなければいけません。

2.設置スペースの確保が必要

家庭用蓄電池というと、スマートフォンやパソコンなどに搭載されているサイズを思い浮かべますが、実際は横幅1メートル、高さ1メートル以上、奥行き30センチ以上と大きいのです。

従って、蓄電池を設置する場合は、屋外に1メートル以上の障害物の無いスペースを確保する必要があり、太陽光発電設備などでスペースに余裕がない方は後付けに困る可能性もあります。

蓄電池を設置することで得られる補助金


太陽光発電設備に蓄電池を導入することによる、基本的なメリットとデメリットについては理解できたでしょう。続いては、太陽光発電の維持管理コストにも関わる、蓄電池の補助金制度について解説していきます。

現在では、国による蓄電池単体の補助金制度はありませんが、自治体ごとに独自で実施している補助金制度は存在します。ですので、これから太陽光発電に蓄電池を導入する方は、補助金制度についても要注目ですよ。

東京都の場合は2019年も蓄電池に関する補助金制度は実施中

前述でも触れていますが、蓄電池導入に関する補助金制度は、国からは何も実施されていません。正確には、以前実施されていましたが2019年度は、蓄電池単体での補助金制度は組まれなかったということです。

ちなみに、ZEHと呼ばれる再生可能エネルギーを活用した、住宅システムに蓄電池が導入されているのですが、ZEH内の蓄電池については補助金制度があります。太陽光発電だけでなくスマートハウスに関心がある方は、そちらもチェックしてみるといいでしょう。

ZEHについて気になる方はこちら
ZEH(ゼッチ)とは何かを簡単にわかりやすく解説

自治体の補助金制度の概要についてですが、全国の各自治体によって補助金の金額や支給条件、どれくらいの期間補助金が発生するのかなど、様々な条件が違います。

例えば、東京都の場合は、太陽光発電導入に限らず蓄電池単体の設置だけでも補助金を受け取ることができます。ですので、既に太陽光発電を設置している方で、これから蓄電池のみを新たに設置する方にとっては、大きなメリットといえます。

また、支給条件の詳細についてですが、東京都内で新規設置すること・新品の蓄電池・住居用として使用するといったことが記載されています。更に、補助金の金額については、商品金額の6分の1、1kwh辺り4万円、24万円の中で最も安い条件が適用されるので、少なくとも24万円支給される可能性が高いでしょう。

東京都の蓄電池に関する補助金制度は、一般申請期間が2020年3月31日までなので早めに申請するのがよいでしょう。

太陽光発電に蓄電池を加えると効率的な運用が可能

太陽光発電に蓄電池を設置するメリット・デメリットを中心に、蓄電池について解説してきましたが、まとめると蓄電池を使って節電や売電収益アップに繋げることが可能といえます。

維持管理コストについても考える必要はありますが、固定買取価格が下落傾向であることや2019年に固定価格買取制度の期間が完了する方が今後太陽光発電を運用するにあたって自家消費についても検討する必要があります。

しかし、蓄電池がなければ消費電力の多い時間帯や電気代の安い時間帯に合わせて、太陽光発電で発電した電気を使うことが難しいです。売電収益アップということだけではなく、太陽光発電を自家消費に切り替える際に蓄電池の必要性が高まるでしょう。

また、太陽光発電だけでなく蓄電池も導入する場合は、補助金制度があるか確認しつつ補助金制度対象の蓄電池を選ぶことも大切です。

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