太陽光発電システムを設置する屋根の面については、南向きの屋根が太陽光発電になぜ向いているのか、その理由と設置できる屋根の形や広さなどを紹介していきます。

屋根の形状や面積の調べ方

屋根伏せ図を見る

自宅の屋根がどんな形でどれくらいの広さなのかは、「屋根伏せ図」を見るのが早いです。

建造物を真上から描いた平面脚を伏せ図といい、特に屋根のつくりと形状を描いたものが屋根伏せ図です。

新築したり購入したりしたときの図面があれば見てみましょう。

屋根勾配から面積がわかる

間取り図があれば、そこからおよその屋根面積を計算することもできます。屋根の真下にあたる部屋の面積から、一回り大きい屋根の面積を想定し、屋根の面積と「勾配伸び率」をかけ算するのです。

勾配伸び率は、屋根の角度がわかれば、下記の表を使って求められます。

屋根の勾配
勾配(寸)角度(度)勾配伸び率=B
(水平の長さに対しての比)
1.05.71.005
1.58.51.011
2.011.31.020
2.514.01.031
3.016.71.044
3.519.31.050
4.021.31.070

下の屋根勾配確認定規を使って屋根の角度と照合すれば、およその角度から勾配伸び率がわかるはずです。

ただ、ある程度正確に知りたいのであれば、施工業者に調べてもらった方がよいでしょう。

屋根の形状

方角の次は屋根の形状です。形によって一面に取り付けられる太陽電池の大きさに差がでます。

切妻(きりづま)

一面が広く、比較的大きなモジュールを載せやすい。ただし、方角に注意が必要。

寄棟(よせむね)

四面あるので、方角は選びやすい。切妻に比べ、1面ごとの広さが限られる。

陸屋根(ろくやね)

もっとも安全に工事・設置ができる。傾斜をつけるために土台の取り付けが必要。

片流れ(かたながれ)

屋根全体にモジュールを置ける一方、北向きの屋根には設置が難しい。

太陽光発電を設置できる屋根の種類や構造の調べ方

屋根を何で葺いているかで設置価格に大きな差が生じます。それは屋根材によって工法が異なるからです。スレートや金属屋根は、穴をあけて野地板に太陽電池パネルを同定することが容易だし、クリップ方式も用いやすい。

穴をあけにくい瓦屋根の場合は、支え金具を取り付けた「支持瓦」に一部を置き換えたり、瓦の一部を一日一取り外し、野地板に「支持金具」を取り付けたりする場合もあります。

屋根の構造が書き込まれた図面があれば、ある程度工法を想像できますが、あくまでも素人の想像の範囲でしかありません。

設置を本気で検討しているなら自分で調べるよりも、とりあえず販売会社に連絡し、実際の施工業者に見てもらうのがいちばんよいでしょう。

屋根の種類と特徴

屋根の種類特徴
スレート素材は「粘板岩」。石製だが軽く加工しやすい。
板金素材はステンレスやアルミ合金。非常に軽く加工しいやすい。
平板瓦重く耐久性のある瓦の中でも薄く、穴をあけて加工できる。
和瓦耐久性に優れるが、その分加工しにくさがある。
セメント瓦和瓦同様加工しにくいので、支持瓦を用いることもある。

太陽光発電の屋根の向きが発電量を左右する

小学校の理科の時間を思い出してみて下さい。

さて、太陽はどちらから昇って、どちらに沈むのでしたでしょう。

学校の先生が天才バカボンのオープニングソングを引き合いに出して、「西から昇ったお日様は東へ沈む~」の反対だよと言っていたのが懐かしく感じます。

そうです、太陽は東からのぼり、南の空を通って、西に沈むのです。

季節によって太陽高度が異なり、夏は高く、冬は低くなります。太陽高度が高くなると、昼の時間が長くなり、日照時間も長くなります。冬はその逆で、太陽高度が低くなると、昼の時間が短くなり、日照時間も短くなります。いずれにしろ北の空に太陽が姿を見せることはありません。

ちなみに太陽高度の求め方は、中学の時に習いましたが覚えていますか?(答えは最後に記載しておきます。気になる方はチェックしてみて下さい)

太陽は東、南、西と進んでいく

太陽の光は常に南側から当たっていることになります。

建築業界の常識ですが、この南からの光を有効利用するために、メインとなる居室や子供部屋などは南側に配置し、掃出し窓等の大きな窓をつくり、できるだけ太陽の光を取り入れて室内を明るくしようとします。

反対に、北側にはお風呂やトイレやキッチンなど、いわゆる“水回り”を配置して、特に大きな窓がなくても困らないようにしています。

太陽光発電システムは、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換するシステムです。太陽の光が当たらなければ、話になりません。効率よく発電させるためにも、できるだけ太陽の光を当てたいので、特に問題がなければ、南向きの屋根に配置することになります。

ただし、家というものは土地に合わせて建てられるもので、東西南北に合わせて建てられるものではありません。もちろん、できる限り居室を南向きにと設計されるのですが、ぴったり真南に向いている家を探す方が困難でしょう。

しかし、太陽電池モジュールは、可能な限り南を向く形で設置を考えなければなりませんので、その場合には、南東向きや南西向きの屋根に載せることになります。

上の図は、南向きの屋根に設置したパネルが100パーセントの出力を発揮するとした場合、他の方角を向いた屋根に載せたパネルがどれだけ減衰するかを示したものです。

家屋の屋根の形状や立地条件によっては、南側の屋根に小屋根や天窓があるとか、あるいは日陰になっているとかで、やむをえず西向きの屋根や東向きの屋根に太陽電池モジュールを設置することがあります。

真南に向けて太陽光発電システムを設置した場合と比べてどれくらいの違いが出るものなのでしょうか。

実は、西向きや東向きに設置した場合、南向きの場合に比べて、85パーセントの力しか発揮できなくなると言われています。しかし、よほど変な形の屋根でない限り、南か南西か南東向きの屋根に設置することができるはずなので、そこまでは気にする必要はありません。

ただ、どうしても東面か西面にしか、太陽光発電システムを設置できない場合は、どちらのほうがよいのでしょう。
答えは“東面”です。

というのは、発電効率を考えた場合に、気温の低い朝から昼にかけて日が当たる東向きのほうが、発電効率は良好になります。昼を過ぎると、屋根全体の温度が上がり、太陽電池モジュール自体の温度も高温になります。太陽電池モジュールは高温になると発電効率が下がります。

ですから、温度が低い朝方に光が差してくる“東面“の方が設置には向いているのです。

太陽電池モジュールの角度と発電の関係は?

太陽電池を設置するときの傾斜角度は、一般的に30度が理想とされています。当たり前のことですが、日本各地でその土地の“緯度”は異なっています。例えば、沖縄は北緯約27度で北海道の北端では約北緯約45度となります。

先に太陽高度について少しお話をしましたが、土地の緯度によって太陽高度は変化します。ですから、一年間にその土地で太陽からの光を最も効率よく受けるために算出された太陽電池モジュールの傾斜角度“年間最適傾斜角”というものが設定されています。最適な傾斜角度は北の地域に行くほど、上がっていく傾向にあります。

傾斜角度が違うと、発電効率はどのくらい変わるものなのでしょう

年間最適傾斜角での発電量を100%として考えると、そこから角度を10度上げると、約0.5%効率が落ちると言われています。

では逆に小さくするとどうなるのか。角度を0度とした場合の発電量は本来の性能の約90%程度になります。さきほど、西面、東面に通常のように角度をつけて設置した場合、通常の85%程度になることはお話ししました。

0度で設置した場合は約90%です。ということは、西面、東面では、0度、すなわち水平に設置するほうが発電効率は高くなるということなのです。

ただ、太陽電池モジュールに角度をつけて設置することには、汚れや堆積物を降雨時に洗い流すという意味もありますので、実務的には0度に設置することはしないほうがよいでしょう。

見積もり次第で100万円以上も変わる

気持ちがある程度固まったら販売会社に見積もりを依頼しましょう。
設置可能な面積はどのくらいか、どんな屋根材でどんな工事になるか、強度は十分か、などを含めて査定してもらうようにしましょう。
できれば-社でなく数社から見積もりをとるようにしたほうが300万円→190万円になったというケースも有ります。