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【PPAとは】太陽光発電を0円で導入できる理由|PPAモデルの仕組みとメリット・デメリット

PPAモデルという言葉をご存じですか?

太陽光発電を0円で設置できるという理由から、現在世界中で大きな注目を集めている言葉です。

この記事では、このPPAという言葉の意味から、仕組み、メリット・デメリットに至るまで余すことなく紹介していきます。

PPAとは?

テスラの蓄電池

PPAとは、Power Purchase Agreementの略称です。日本では「第三者所有モデル」などという言葉で訳されることもあります。

このPPAという言葉、そしてその動きは、企業にもCO2を排出しない再生可能エネルギーを使ってもらいたいという意識から海外で生まれました。アメリカをはじめとする諸外国ではすでに馴染み深いものとなっているこの「PPA」ですが、日本ではまだ日も浅く、聞き馴染みのない言葉のはずです。

そもそもとして本来PPAは、電力の売電事業者と需要者(主に企業など)を直接つなぎ、電力の売り買いをする仕組みを指します。しかしながら、現時点で日本では、法制度の問題によりPPA自体を実現することは難しく、その代わりに「PPAモデル」が広まっています。

ここでは、本来のPPAと日本の「PPAモデル」を説明します。

本来のPPA

PPAとは、電力の売電事業者と需要者(主に企業など)を直接つなぎ、電力の売り買いをする仕組みです。

企業は、石油や石帯などを利用した火力発電で発電した電気ではなく、太陽光発電などのクリーンな再生可能エネルギーを指名して買い取ることができるのです。

その結果、企業としては「再生可能エネルギーを積極的に活用しています!」という環境問題に積極的に取り組んでいることを世界にアピールすることができます。ちなみに、Googleでは100%再生可能エネルギーを実現しています。

なぜ企業としてはPPAによってわざわざクリーンなエネルギーを買い取って、再生可能エネルギーの活用をアピールするのでしょうか?それには、SDGsという存在が大きく関わっています。SDGsとはこれからの世界の営みを守っていくために、世界中の企業や個人が目指していくための目標となります。

このSDGsでは環境問題も大きな目標の1つとして掲げており、再生可能エネルギーの促進を提唱しています。つまり、このPPAによって太陽光発電のクリーンなエネルギーを使用することで、企業としては世界的にSDGsへの貢献をアピールすることができるのです。

日本のPPAモデルの仕組み

一方で、日本での「PPAモデル」は0円で太陽光発電を設置できるビジネスモデルです。

とても簡潔にその仕組みをまとめると以下のようになります。

  1. 企業が無償で事業者や個人の自宅に
    太陽光発電を設置
  2. 一定の期間企業が発電された電力を買い取る
  3. 一定期間が過ぎると太陽光設備が
    事業者や個人のものになる

これを図解すると以下のようになります。

PPAモデル 仕組み

どのような仕組みかと言うと、上記の図のように企業側はPPA事業者と呼ばれる電力会社から、0円で自社の敷地内に太陽光発電を設置してもらいます。そして、企業はこの0円で設置した太陽光発電から生み出された電力をPPA事業者から買い取ります。

つまり、企業は太陽光発電を設置する場所だけ提供するということ太陽光発電の設備自体はPPA事業者の所有物なので、発電した電力は無料で使用することはできず、事業者から買い取る形になります。

契約内容によっては、太陽光発電で発電した電力を自社で消費する分は無料で使用できるケースもあります。あくまで自社で消費する分の電力に限られるので、余った電力を売電する権利はPPA事業者側にあります。

結果として、太陽光発電によって生み出されたエネルギーを企業内で使用することができます。

このPPAモデルでは、PPA事業者との契約期間が定められており、この契約期間が終了すると太陽光発電の設備は企業側に譲渡されます。譲渡後は下の図のように、電気代を支払う必要がないうえ、余った電力を販売することで売電収入を得ることもできます。

ちなみに、アメリカではPPAとPPAモデルの両方が共存しています。一般家庭では「PPAモデル」が多く採用されており、70%以上もの家庭用太陽光パネルがPPAモデルによって導入されています。一方で企業などは、PPAによって売電事業者から直接電力の指名買いが多く行われています。

PPAモデルの設備導入側のメリット

PPAモデルによって、企業はクリーンなエネルギーを使用することが可能になりますが、それだけでは少しメリットが少ないように感じますよね。でも実は、このPPAモデルを導入することで、

  • 初期費用0円
  • メンテナンス費用0円
  • 電気代が安くなる
  • 災害時の電力を確保
  • SDGsへの貢献
  • 契約後は設備が譲渡される

といった多くのメリットがあります。

①初期費用が0円

1番大きなメリットは初期費用0円で太陽光発電を導入することができる点でしょう。通常、産業用太陽光発電を導入するとなると最低でも1,000万円以上の資金が必要です。規模が大きくなると億単位にまで価格が跳ね上がります。

このように、高額の初期費用がかかる太陽光発電を0円で設置できるのは大きなメリットですね。

②メンテナンス費用0円

メンテナンス費用ももちろん0円

発電量を維持し、設備を長期に渡って運用するためには、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。しかし、設備の規模が大きくなるほど、このメンテナンスにかかる費用も大きくなります。

PPAモデルであれば、太陽光発電の所有権はPPA事業者側にあるので、故障などのトラブル時にかかる費用を心配する必要がなく、すべて事業者にお任せとなります。

③電気代が安くなる

PPAモデルでは、企業側がPPA事業者から電力を買取りますが、この際の電気料金が通常の料金よりも安く設定されています。

そのため、企業としては電気代を節約することが可能です。

なぜPPAはモデルだと電気代が安くなるのかというと、再生可能エネルギーである太陽光によって発電されたクリーンなエネルギーだからです。通常の電気代には「再生可能エネルギー賦課金」というものが含まれています。

再生可能エネルギー賦課金とは、再生可能エネルギーを日本で普及させるための費用です。この費用は私たち消費者を含めた電気を使うすべての国民が支払わなければいけません。

しかし、太陽光発電の場合は、再生可能エネルギーを活用した発電方法なので、「再生可能エネルギー賦課金」が加算されません。そのため、電気代を節約することができるのです。

また、PPA事業者には余剰売電収入を得られる可能性があります。

PPA事業者は、基本的に契約した企業に発電した電力を売ります。しかし、発電量が多い場合は、企業側で電気を使い切れず、電力が余ってしまうのです。

このときに、余った電力を余剰電力として電力会社に売って収益を得ることを余剰売電収入と言います。余剰売電収入によって、PPA事業者は追加で収入を得ることができるので、その分の利益を還元して電気代を割安にしている事業者もいます。

④災害時の電力を確保

自社に設置された太陽光発電で発電した電気を買い取るのがPPAモデルです。

そのため、大手電力会社が災害などで停電した場合でも、太陽光発電の設備に問題がなければ電力の確保をすることができます

災害時や緊急時にも電力を確保できるので、作業を中断できない工場などがある企業側としては大きなメリットになります。

⑤SDGsへの貢献

PPAモデルでは、太陽光発電によって生み出された電力を自社で使用します。

そのため、クリーンなエネルギーを使用して営業しているというアピールになり、SDGsへの貢献にも大きく寄与することとなります。

⑥契約後は設備が譲渡される

PPAモデルで太陽光発電を運用する場合、契約期間は10年や20年という単位で定められています。

契約期間が終了すると、太陽光発電設備は企業側に完全に譲渡されます。つまり、完全に0円で設備を手に入れられるということです。

太陽光パネルの寿命は約30年ほどと言われているので、契約終了後も稼働させて発電を継続することができます

PPAモデルの設備提供側のメリット

PPAモデルは、設備を導入する企業側だけでなく、設備の提供者であるPPA事業者にも大きなメリットが盛りだくさん。

具体的には、3つのメリットが存在します。

  • 土地確保の必要がない
  • 顧客基盤を確保できる
  • 余剰電力の売電

①土地確保の必要がない

まず、PPAモデルの場合、企業の屋根や土地に太陽光発電を設置するので土地を確保する必要がありません。

太陽光発電を導入する際、土地の購入は高額な費用が追加でかかる上、新しく太陽光発電事業向けの土地を見つけること自体難しいと言われています。

その点、土地を確保する必要がなく、屋根を貸すだけで成り立つPPAモデルは、簡単に太陽光発電の導入ができるビジネスモデルとなります。

②顧客基盤を確保できる

PPAモデルは、10〜20年に渡って契約します。

つまり、10〜20年は契約した企業が太陽光発電の電力を買い取ってくれるということ。そのため、PPA事業者としては安定した収益を確保することができます。

③余剰電力の売電

契約した企業への電力供給の他に、余った電力は大手電力会社に売電できます。

企業への売電に加えて、余った電気を電力会社にも売れるので大きな収益源ともなります。

PPAモデルを導入する際の注意点・デメリット

メリットの多いPPAモデルですが、導入する際には注意点もあります。

  • 長期の契約を覚悟しなければならない
  • 契約終了後の設備の維持は自己負担
  • そもそも導入できない可能性がある

このように注意点もいくつか存在するので、導入を検討している企業の方は要チェックです。

①長期の契約を覚悟しなければならない

PPAモデルを導入する際には契約期間が定められています。

その期間は10年から20年ととても長い期間です。一度契約すると基本的には解約をすることができません。急に設備を取り外したくなったとしても、契約期間中は何もできないのです。

仮に契約を途中で破棄すれば、多額の解約金が発生する可能性もあるので契約する際は慎重に検討しなければなりません。

②契約終了後の設備の維持は自己負担

契約終了後、太陽光発電設備は晴れて自社の所有物となりますが、その後のメンテナンスなどの維持費は自己負担となります。

設置してからかなりの時間が経っているので、メンテンナス費用などが多くかかる可能性もあります。そのため、設置前にメンテンナス費用などのランニングコストもしっかりと計算しておくことが必要です。

③そもそも導入できない可能性がある

太陽光発電をそもそも導入できないケースもあります。

基本的に、PPAモデルでは企業の屋根や土地に設備を設置します。しかし、屋根によっては安定性を確保できず、太陽光発電を設置できないケースもあるので注意が必要です。

法人企業でも自家消費型太陽光発電の導入が進んでいる

少し前までは、太陽光発電といえば売電収入で収入を得るというイメージが強かったのですが、今では自家消費型太陽光発電の導入が増えています。

その原因は、売電価格(FIT価格)の低下と電気料金の値上げです。

太陽光発電はFIT制度(固定価格買取制度)の対象であり、10kW以上の産業用太陽光発電設備であれば、20年間は固定のFIT価格で買い取りが保証されます。

このFIT価格が、10年前の2013年度には36円/kWhだったのですが、年々下がり、2023年度では9.5~10円/kWhまで安くなっています。

対して電気料金は値上げされ、現在の電力量料金単価は30~40.69円/kWh(東京電力従量電灯C)です。

その結果、売電するよりも自家消費した方がメリットが大きく、自家消費目的で太陽光発電設備を導入する企業が増えているのです。

個人宅でもPPAモデルで太陽光発電を導入できる!

ここまで企業のPPAモデルの解説をしてきましたが、実は、一般家庭でもPPAモデルを利用して無料で太陽光発電を設置することが可能です

この場合、ご自宅の屋根に太陽光発電を設置することになりますが、企業に導入する際と大きな違いはなく、屋根という土地をPPA事業者に提供する代わりに、PPA事業者は太陽光発電を0円で設置し、そこから発電される電気を割安で各家庭に提供するという仕組みになります。

契約期間を終えると、太陽光発電設備はすべてご家庭に譲渡されます

個人宅の場合でも太陽光発電を導入する際には100~200万円の費用がかかります。これが0円で導入できるPPAモデルは、資金面で足踏みしていた方にとってはかなりおすすめです

一例として家庭用のPPAモデルを展開している「ほっとでんき」は、東京電力系列の企業で、契約すると毎月の電気代が最大20%割引されます。

太陽光発電のPPAモデルに関するよくある質問

PPAモデルの導入にあたり、気になる点についてまとめてみました。

太陽光発電のPPAモデル導入に使える補助金はある?

環境省の「ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」で補助金が利用できます。

オンサイトPPA・リースによる太陽光設備の導入には、戸建住宅以外の場合1kW当たり5万円、戸建住宅の場合1kW当たり7万円が補助されます。

補助金を利用するには、蓄電池の導入と、太陽光発電の逆潮流禁止(戸建て住宅以外)という条件を満たす必要があります。つまり、法人でこの補助金を利用する場合は売電収入を得ることはできません。

補助金の実施期間は令和3~7年度となっています。詳しくは下記サイトを確認してください。

民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業(一部 総務省・農林水産省・経済産業省 連携事業)令和5年度

太陽光発電のPPAには蓄電池も一緒に導入した方が良い?

PPA事業者の中には、蓄電池も一緒に導入できるところもあります。蓄電池を導入するメリットとデメリットは以下の通りです。PPAで太陽光の導入を考えている方は、蓄電池の導入も一緒に検討してみてください。

メリット
  • 自家消費率を高められる
  • 夜間も太陽光発電由来の電気を使用でき環境に優しい
  • 停電時の備えになる
デメリット
  • サービス料金が高くなる
  • 契約期間終了後のメンテナンスは自己負担

太陽光発電のPPA事業者はどのように選べばいい?

PPAモデルの基本的な仕組みはどこも同じですが、事業者によって契約条件やサービス内容が異なります。複数の事業者のモデルを比較し、自社に最も合う事業者を選びましょう。具体的な比較項目は以下の通りです。

  • 契約期間
  • 電気の買取価格
  • 運用・メンテナンスの体制
  • PPAや太陽光発電システムの運用実績
  • 契約期間終了後のシステム譲渡条件
  • 契約期間中に解約した場合のペナルティ

まとめ

世界中で話題を飛んでいる家庭用のPPAモデルは様々な企業がサービスを始めており、同じPPAモデルでも企業ごとの特色が見られます。

そしてPPAモデルは個人の自宅にも導入できるようになってきました。

当サイトでは各社が提供するPPAモデルの詳細を随時取り上げていきますのでチェックしてみてください!