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太陽光発電は天候によって発電量が左右される?年間を通して発電量が増える時期はいつ?

太陽光発電を行う上で、切っても切り離せない関係にあるのが天気の問題です。雨や曇りの日が続いたときや梅雨の時期には、「発電量がシュミレーションより低下しているのでは?」と心配になってしまいますよね。

太陽光発電を効率よく行う上で、天候とうまく付き合っていくことはとても大切なポイントです。今回の記事では天候がどのくらいの影響を太陽光パネルと発電量に及ぼしているのかQ&A方式でお答えしていきます。

後半では天候にまつわる問題に対する対策もご紹介しています。

太陽光発電は天気によってどのくらい発電量が変わる?

やはり、太陽光で発電するという仕組み上、太陽の出ない雨や曇りの日には発電量が大幅に落ちてしまいます。それは避けられませんが、発電量が0になってしまう日というのはほぼありません

太陽光発電効率は曇りの日で、晴れの日と比較して40~60%、雨の日には5~20%になってしまうと言われており、太陽から直接当たる光ではなく、雲などに反射してくる弱い光でも発電しています。

どのくらい発電効率が良いのか、どんな天候に強いのかは、メーカーと太陽光パネルの仕組みによって変わってきます。太陽光発電を開始する土地の気候に合わせて選ぶことが、効率よく発電することに繋がります

それぞれの太陽光パネルの特徴

主な太陽光パネルの種類をあげておきます。

太陽光パネルには大きく分けて3種類あり、シリコン系・化合物系・有機系と分けることができます。この中で、最もポピュラーなものはシリコン系で、有機系は実用化されていません。

その中でも細かく分けると表のようになります。
(表中に登場する変換効率とは、太陽光を電気に変換する際の効率のことをいい、変換効率が高いほど同じ面積で大きな出力をだすことができるようになっています)

種類メリットデメリット
単結晶シリコン・発電ロスが少ない
・変換効率が高い
・高温に弱い
多結晶シリコン・製造コストが安い・変換効率が悪い
アモルファスシリコン・単結晶、多結晶に比べると高温による変換効率のダメージを抑えられている
・薄い膜なので応用性が高く、加工しやすい
・変換効率が悪い
HIT型(シリコン系)・単結晶よりも変換効率が良い
・高温による出力低下が抑えられている
・製造方法が複雑なため、コストがかかる
CIS/CIGS(化合物系)・上の4つに比べてかなり低コストで製造できる
・高温や影に強い
・薄いので省資源で環境に優しい
・変換効率で結晶系シリコンに劣る
・原材料の一部に有害なカドミウムを含んでいる商品がある

雪の日の発電量は0になる?

地域によっては雨や曇りだけでなく、雪による発電量の低下が気になっている人もいるかもしれません。

太陽光パネル全体に雪が積もっていては発電することはできませんが、雪下ろしをすれば翌日から発電を再開することができます。

太陽光パネルは暑さにはとても弱いですが、寒さには強いので気温の低下による影響を心配する必要はありません

しかし、雪解けの水分によってパワーコンディショナーが故障した場合は修理に10〜40万円かかってしまう(部品交換の場合は5〜10万円程度)こともあるので、パネルだけでなく、パワーコンディショナーの設置場所にも普段から気を配っておくようにしてください。

実は、太陽光パネルは高温・熱に弱い!発電量が一番多い時期はいつ?

実は、太陽光パネルは本当に高温にとても弱いです!

太陽光パネルの種類の表にもありますが、太陽光パネルは高温に弱く、それぞれのパネルの種類によって、高温に弱いものから比較的強いものまで様々な種類が開発されています。

基本的に太陽光パネルの仕組み上、パネル自体が25度を超えるとそこから発電効率が下がってしまい、1度温度が上がるごとに発電効率は約0.45%減少してしまいます

太陽光発電の発電量が多いのは春〜初夏にかけてのシーズンです。

夏には30度を超える日が連日続きますよね。夏の間は、パネルの温度は60度や70度までのぼります。そうすると、発電効率は30%ほど低下するケースもあります。

太陽光パネルの汚れはどのくらい発電量に影響を及ぼす?

太陽光パネルの汚れは、年間1%ほどの影響を及ぼすと言われています。

太陽光パネルは屋外に設置する以上、雨風で飛んでくるゴミや鳥の糞などに影響を受けてしまいます。

太陽光パネルは、太陽光を効率よく受けて発電するために、10度から30度程度の傾斜がほとんどなので雨に流されて大抵のゴミは流れ落ちます。それでも鳥の糞が固まってしまったり、蓄積されてしまうことはあります。

また、結晶系のパネルは、汚れや影などで一部が隠れてしまうと、その他の周りの部分も発電しなくなってしまいます。その場合は故障につながる可能性もあります。

年数と共に積もる汚れで故障してしまう可能性や、その他の年数とともに出てくる故障原因については、こちらのページで詳しく解説されています!気になった方はぜひチェックしてみてください。

年に1%ほどとは言え、10年で10%と考えると発電効率に大きな影響が与えられていますね。こまめでなくてもいいので定期的に専門業者に洗浄してもらうことをおすすめします

10kWの場合は、6〜8万円程度で、年間点検と洗浄をしてもらえます。

自分で洗浄するのは危険なだけではなく、パネルを壊してしまう可能性もあるので、専門業者に依頼してやってもらうのがベストです!

天候や暑さの影響を最小限に抑えるための対策

天候に左右されることは太陽光発電において、避けて通れない道だということが分かっていただけたかと思います。それでも少しの天候変化では揺るがない、余裕のある発電を行いたいところです。

そこで、少しでも効率よく発電するためにできることをいくつかご紹介します!

発電効率の良い太陽光パネルを選択する

太陽光パネルと言っても、一つしか種類がないわけではありません。

上の表でご紹介したものも、全ての種類をご紹介したわけではなくメインで取り扱われているものになっています。

おすすめなのは、ソーラーフロンティアのCIS太陽電池モジュール。

日本製で、20年間の出力保証がついています。省エネ・省資源で環境にも優しく、カドミウムフリーの太陽光パネルです。

上の表に書いたように、CIS太陽電池は部分的な影から受けるダメージが少なく、高温にも比較的強いので、非常に優秀なパネルだといえます。

それぞれのパネルの特徴をつかみ、地域の天候や自分にとって重きを置きたいポイントに注目することで合ったパネルを選んでください。

また、メーカーによっても耐久性や発電量、強み弱みが異なっています。どの種類でどのメーカーなのか、どんな保証がついているのか条件を一つひとつ確認してより効率のよい太陽光発電にしましょう

汚れへの対策を行う

パネルの汚れは、少しであろうとも5年10年経つと与える影響が大きくなります……。

そのため、汚れにはしっかりとした対策を取ることが必要です。定期的に洗浄を行うことが一つ挙げられます。自分で屋根に上がって洗浄するのは危険なので、業者に依頼しましょう。

汚れ対策としてだけでなく、効率よく太陽光を取り込むためにもとても重要なことですが、設置角度や設置場所をプロの業者の方と一緒に考えましょう。最適角度だとしても、影が入ってしまっては、効率良く発電させることができません。設置角度と設置場所は慎重に決めていくべきですね

周りに大きな木があったり、電柱で影が出来てしまう場所などは設置場所に不適切ですが、そこしか建てる場所がない場合はCIS/CIGSタイプのパネルを選ぶことで発電量の低下を最小限に抑えられます

パネルの仕組みとして、一部に影がかかっていても他の部分の発電に影響を及ぼさないような設計になっています。

太陽光発電所が台風で飛ばされるって本当?

自然災害によって破損する可能性はまったくないとは言えません。しかし、太陽光発電自体もそこまで適当に設計されているわけではないので、よほど異常な強風や台風でないと破損したり、パネルが飛ばされたりすることはありません。

それでも、日本は地震に始まり、津波、台風などの自然災害から逃げて生活できません。常に可能性を頭に入れておくに越したことはないです。

詳しく、異常気象によるパネル破損について知りたい方はこちらの記事も是非チェックしてみてください。

まとめ

ここまで、気候と太陽光発電の関係性についてご紹介しました。

天候の影響を受てしまうことは仕方がありませんが、パネルや定期点検をすることで、発電量をなるべく減らさないようにすることはできます!

最近では太陽光パネルも次々と進化を遂げ、より強くより効率の良いパネルが開発されています。

一見、天候に左右される不安定な投資に見えるかもしれませんが、1年を通して、天候の悪い日もあれば日射時間の長いときもあります。毎日の細かな天候の変動に一喜一憂するのではなく、長い目で発電量を分析し、状況に応じた対応をすることが最善策といえます。