住宅用太陽光発電の雨漏りの原因は設置ミス?もしものときのメーカー保証や対策

住宅用太陽光発電は、自宅の屋根に太陽光パネルを設置することが多く、新築物件だけではなく、後付けで設置することもできます。しかし、中には、住宅用太陽光発電の設置後に雨漏りが発生して修理を行わざるを得なかった最悪なケースもあります。

原因は取り付けの際の施工ミスですが、施工業者が修理費用を負担してくれるのであれば、そこまで問題視されることではないかもしれません。

しかし、悪質な業者があるのも事実で、修理費用を自己負担しなければいけない場合もあるようです。

今回は住宅用太陽光発電設置後に発生する雨漏りの原因や、雨漏り発生後の保証や修理費用の相場などについて解説します。

なぜ太陽光発電を設置すると雨漏りが起きるのか?

太陽光発電を設置することでなぜ雨漏りが発生するのか疑問に思う方もいるのではないでしょうか?

その一番の原因は、太陽光発電の設置時のミスになります

出展:kamisei公式サイト

通常、太陽光発電を設置する際は、屋根の一番下の骨格にあたる垂木と呼ばれる部分にパネルを金具で固定します。しかし、この垂木に固定するためには、上の画像の通り、屋根材や野地板、ルーフィングを越えなければなりません。

そのため、設置の際には防水の役割を果たす野地板やルーフィングに穴をあけることになり、その穴から雨漏りが発生してしまうのです

ただし、一般的には野地板やルーフィングに開けた穴はしっかりと防水加工を施すのでそこから雨漏りすることはありえません。つまり、施工業者の防水加工のミスによって雨漏りが起きてしまうのです

そのため、きちんとした業者に施工をお願いすれば雨漏りが起きる心配はないのです。しかし、優良な企業であってもミスをする可能性はゼロではありませんし、悪質な業者に騙されてしまう可能性もあります。

具体的にどのような被害にあわれたのか、実際の事例を見ていきましょう。

事例から学ぶ太陽光発電の雨漏りリスク

事例①「軽量鉄骨造りの家で雨漏り」

軽量鉄骨造りとは、6mm未満の鉄骨構造の住宅を指します。屋根は、ガルバリウム鋼板などを使用するのが一般的で、住宅用太陽光発電の設置も可能です。

この事例は、築20年の2階建て鉄骨造り・プレハブ住宅の屋根に太陽光パネルを設置した際に雨漏りが発生してしまったという事例です。

住宅用太陽光発電の設置後に、2階の天井と壁のクロス材の切れ目から少しずつ黒いシミが出てきました。築20年の間で、このようなひどい雨漏り・シミは初めてだったそうです。

太陽光発電を勧めてきたリフォーム関連会社へ連絡・調査してもらったところ、雨漏り・結露とは判断されず、保証対応も拒否されました

施工会社側は雨漏りを認めなかったのですが、クロスなどに発生する黒いシミは水が染み込んできた跡です。太陽光パネル設置後に雨漏りしたということは、施工ミスの可能性が高いと考えられます

事例②「ルーフィングが破られ雨漏り発生」

こちらの事例は、元々住宅用太陽光発電を設置していない住宅に後付けで設置した後に雨漏りが発生しました。なぜ雨漏りしているのかを調べたところ、屋根のルーフィングに穴が空いていました。

通常、住宅の屋根材の下には、ルーフィングシート(屋根下葺き材)と呼ばれる防水シートが敷かれています。

ルーフィングシートが敷かれていることで、屋根材からわずかに入り込んだ雨水や湿気を内装材や住宅内部へ侵入させないようにしています。雨漏りを防ぐためにも、屋根材とルーフィングのセットで行うのが基本です。

このシートは、1㎜以下の薄いシートなので経年劣化によって、破れたり穴が空いたりすることはあります。

しかし、架台を固定する金具(ビス)が屋根材を超えて、ルーフィングシートまで貫通・補修や追加の防水加工をしていないのは、明らかに施工業者のミスです

アンカー工法という太陽光パネルの設置方法は、屋根に穴を空ける必要がありますが、コーキング剤などを使用して気密性・防水性を高めます。

このような事例は、設置時に打ち間違った上に補修をしなかったことはもちろん、その後の施工業者の対応もずさんですよね。

事例③「住宅用太陽光発電設置後に瓦が割れていた」

太陽光パネルは、スレート屋根だけでなく瓦葺きの屋根にも設置できます。瓦武器の屋根に設置する場合は、瓦と架台を固定するのではなく、瓦の下にある構造部(垂木)と固定します。

こちらの事例は、2階建て住宅の瓦葺きの屋根に住宅用太陽光発電を設置した5年後に、天井の剥がれと壁のシミ、更に家具や畳(床)には雨漏りの影響でカビが発生していることに気が付きました

雨漏りの中でも特にひどい状態で、異臭がするほどでした。

雨漏りの状態を詳細に確認するため、家主さんが専門業者へ調査を依頼したところ、瓦屋根は合計36枚も割れていたようです。災害などがなければ通常割れない数です。

雨漏りが判明したあと、瓦の交換を行う前に雨が降ってしまい、1階まで雨漏りの被害を受けました

雨漏り被害を受けた上に、修理費用まで要求されたというひどいケースです。

雨漏りの修理費用は自己負担?それとも施工業者?

住宅用太陽光発電の設置工事ミスによる雨漏りに関しては、いつ太陽光発電を取り付けたかによって保証の種類が変わります。

また、自己負担で雨漏り修理を行う場合は、約5万円~30万円の修理費用がかかります。

住宅を建てる際に太陽光発電も設置している場合

たとえば、住宅を建てる際に住宅用太陽光発電も一緒に設置する場合や、住宅用太陽光発電付き住宅を購入する場合は、ハウスメーカー側で保証を提供しているので、修理費用の補償やサポートを受けることができます。

サポート内容の詳細を把握していない場合は、ハウスメーカーへ問い合わせてみることをおすすめします。

また、設置ミスが原因ではない場合は、

雨漏り修理費用の目安:5万円~30万円前後

瓦屋根など屋根材の交換:1㎡あたり3万円前後

天井の雨漏り修理費用の目安:15万円前後

上記の金額を自己負担しなければならなくなる可能性があります。

後から住宅用太陽光発電を設置する場合

住宅用太陽光発電を後から自宅に設置する場合は、施工業者が加入しているリフォーム瑕疵保険にて保証対応してもらえます

リフォーム瑕疵保険とは、住宅用太陽光発電設置だけでなく住宅のリフォームした、工事を原因とする不具合や被害を受け場合に補償を受け取ることができる保険です

国土交通省は、太陽光発電の設置業者に対してリフォーム瑕疵保険の加入を義務付けています

後付けの太陽光発電設置工事を原因とする雨漏りが発生したにも関わらず保証サービスが適用されない場合は、国から定められた義務を違反しているということです。

ちなみにリフォーム瑕疵保険を取り扱っている保険法人には以下のようなものがあります。

太陽光パネルのメーカー保証があれば雨漏りの修理代は補償されるのか?

太陽光パネルメーカーはメーカー保証の保証期間であれば、故障時の補償や災害時の保証対応など様々なサポートが受けられます。

しかし、太陽光発電設置業者と違い、雨漏りに関する保証・補償適用については義務ではないため、メーカによって対応方法が異なります

つまり、購入・契約したメーカーによっては、雨漏りの修理代が補償されないこともあるので、事前に保証内容と条件を確認しておきましょう。自己負担しなければいけない場合は、事前に自宅の周辺に雨漏りの修理屋や防水工事業者などがあるか、迅速に対応してくれるかを調べておくのもおすすめです

太陽光パネルの雨漏り保証の有無について、以下に分かりやすく紹介していきます。

パネルメーカー 雨漏りに関する保証
長州産業 施工10年保証に含まれている
・屋根材や構造によっては保証外の可能性あり
シャープ ・雨漏りの修理に関してはなし
・モジュールや周辺機器の修理保証などが中心
パナソニック ・雨漏りの修理に関してはなし
・自然災害補償あり(台風や落雷など)
京セラ ・雨漏りの修理に関してはなし
・自然災害補償あり(台風や落雷など)
東芝 ・雨漏りの修理に関してはなし
・他社と同じく出力保証や機器保証はある
・自然災害補償なし
三菱 ・雨漏りの修理に関してはなし
・他社と同じく出力保証や機器保証はある
・自然災害補償なし
ソーラーフロンティア ・雨漏りの修理に関してはなし
・他社と同じく出力保証や機器保証はある
・自然災害補償なし
カナディアンソーラー ・雨漏りの修理に関してはなし
・自然災害補償あり(台風や落雷など)
Qセルズ ・雨漏りの修理に関してはなし
・自然災害補償あり(台風や落雷など)

パネルメーカーから雨漏り保証を受けたい場合は、長州産業がおすすめです。

メーカー保証に関してより詳しく解説した記事もあるので興味のある方はチェックしてみてください。

太陽光発電(パネル)のメーカー保証比較と保証が無効になる3つのケース

太陽光発電の雨漏りトラブルを避ける対策方法

住宅用太陽光発電設置後のトラブルに巻き込まれないためには、施工業者の選び方について知っておく必要があります。

太陽光発電設備の施工業者はIDを所有している

施工IDとは、太陽光パネルメーカーが施工・販売を行う業者へ向けて与えている資格のことです。

国内メーカーのパネルを取り扱うためには、施工IDを取得する必要があります。施工IDがない場合、販売・住宅用太陽光発電へ設置できません

メーカーによっては、施工IDだけでなく電気IDなど複数のID取得を条件としています。

施工IDを取得するには、各メーカーが実施している研修へ参加し、筆記試験・実技試験に合格する必要があります。また、各メーカーで太陽光パネルの使用や設置方法が異なるため、複数の太陽光パネルを販売・設置するためには各試験に合格しなければいけません。

つまり施工IDを持っている業者は、各メーカーのパネルに関して正しく理解し、販売・設置できるノウハウがあります

施工IDを取得しているかは、直接担当者に確認したり、公式サイトに記載されているかを確認すればわかります。

良い施工業者と悪い施工業者の見分け方

太陽光発電の良い施工業者と悪い施工業者を、素人が完全に見分けることは難しいところです。しかし、以下に紹介するいくつかのポイントに注目して、確認してみるだけでも悪い施工業者の特徴やおかしい部分を見つけることができます

【良い施工業者を見分けるポイント】

取り扱っている太陽光パネルメーカーの施工IDを保有している

施工IDを保有した上で施工実績を公開しているか

保証内容を明確に説明してくれる

高圧的な態度で営業してこない

各メーカーのパネルや周辺機器に関して専門知識がある

設置方法および工法に関して、明確に説明してくれる

また、太陽光発電の施工業者から渡された見積書が、合計金額しか記載されていないなど、あまりに簡略化されている場合も要注意です。

なぜなら簡略化されていると、どのような作業にどのくらいの費用がかかっているのかを確認することができないので、不当に高額な費用を請求されるリスクがあるからです

他には施工業者の企業名を調べて、過去のニュースなどから違法行為をしていないか確認したり、内閣府の公式サイトから、施工業者の行政処分履歴などがないか調べるのもの良い業者を見分ける方法です。

悪徳業者の見分け方に関して詳しく解説した記事もあるので興味のある方はチェックしてみてください。

太陽光発電業者の選び方と評判の悪い悪徳業者を見極める方法

施工業者が保険に加入しているかは要チェック!

先ほども触れましたが、施工業者は必ずリフォーム瑕疵保険に加入しなければいけません。厚生労働省が定めた義務で、未加入の場合は悪質・ずさんな業者と判断しても良いででしょう。

リフォーム瑕疵保険へ加入している施工業者で住宅用太陽光発電を設置したあとに、万が一設置ミスによる雨漏りなどがあれば、

補償金額 =(費用-10万円)× 80%

上記で計算できる補償金額を負担してもらうことができます。

なお、補償対象は以下の3通りです。

修理や補修にかかった工事費

被害状況を調べるための分析や調査費

被害に遭ったため、やむなく引越しを余儀なくされた際の引越しと関連費用

また、一戸建て住宅の場合は、補償条件に築年数や構造・屋根の種類や形状など規定はありません

リフォーム瑕疵保険では、修理が完了したのちに保険金が支払われます。施工業者を選ぶ時は、必ずリフォーム瑕疵保険に入っているかを忘れずに確認しておきましょう。

設備の定期点検をかかさない

太陽光発電設備は、雨や風などによる影響や経年劣化などによって、架台や固定金具に少しずつ錆が発生したり、パネルの発電効率が下がったりします。

また、屋根材に充填されているシーリング材は、5年~10年程で寿命となるため、その都度新品と入れ替え・再充填しなければいけません。

一般的に寿命10年・20年以上といわれる太陽光発電設備ですが、メーカー側では4年に1回の定期点検を推奨しています

太陽光発電の施工業者(点検作業は、JPEA認定PV施工技術者もしくはメーカーが認定した技術者のみしか対応できません)とメーカーでは、それぞれ保証サービスだけでなく定期点検に対応しています。

定期点検については、住宅用太陽光発電の購入時にセットで契約しているため、後から点検パックの契約を行うことはありません。もし、購入時に定期点検を契約に含めていない場合は、悪質な業者の可能性もあるため断りましょう

メンテナンスにかかる費用相場は、1回で約2万円となります。毎年点検を依頼する場合は10年で20万円、4年に1回×20年の場合は10万円程度かかる計算です。

ちなみに、太陽光パネルの枚数が多かったり(過積載:屋根に多数のパネルを設置し、パワコンの出力を超える方法)、独自の点検項目があったりする場合には、1回のメンテナンス費用が高くなります

メンテナンスの予算は4〜5万円程度多めに準備しておくと、費用の捻出ができないといった問題を避けられます。

点検項目は、主に以下のような内容です。

太陽光パネルの破損や汚れなどの確認パワーコンディショナーなど周辺機器の破損や汚れの確認

架台や固定金具などの錆や破損確認

配線の端子が適正な接続方法になっているか、緩まっていないか確認

配線の傷などの確認

太陽光発電の動作試験

また、点検対象となる設備は以下の通りです。

太陽光パネル

パワーコンディショナー

架台

接続箱(発電した電気を集める箱型の機器)

電力量計

配線

ブレーカーなど

基本的にメンテナンスは、各部品・機器の状態を確認する製品点検(目視による点検)と、正常に発電・各機器が動作するか動作試験(測定機器を用いた試験)を行います。

太陽光発電のメンテナンス料金と維持管理にかかる費用相場

まとめ

住宅用太陽光発電設置後に、雨漏りが発生する場合は設置ミスかもしれません。

通常、設置ミスの場合は、施工業者側に工事および費用負担をしてもらえますが、悪質な施工業者は設置ミスを認めず、修理費用まで請求してくるケースもあります 

余計なトラブルに巻き込まれて、支払い負担を増やさないためにも、施工業者の比較段階で慎重に判断してください。 

もちろん、設置ミスでなくとも長年使用すれば、太陽光発電設備の劣化や破損するリスクはあります。だからこそ、施工業者が提供している定期点検を最低限4年に1回以上はしておくことをおすすめします。

定期点検をしていれば、フレームや架台の破損や錆などの設備の不具合を早期発見し、交換や修理をしてもらえます。太陽光発電が原因ではなく雨漏りしている場合は、リフォーム会社や防水工事会社へ修理を依頼するようにしましょう

住宅用太陽光発電はメンテナンスフリーではありませんし、施工業者によって施工品質や知識量・接客態度も変わります。設置技術力の高い施工業者で設置・定期点検も忘れずに対応してもらえるよう、施工業者の比較検討は今回ご紹介した見分け方を参考にしつつ丁寧に進めましょう。

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