【産業用太陽光発電の売却時にかかる税金】個人と法人別に解説|5年目以降の売却を狙え!

産業用太陽光発電の売却を検討している方にとって、どうしても気になるのは「税金」。売却によってどのような税金がかかるのか、不安になる方も多いと思います。

実際に、産業用太陽光発電を売却したときに税金がかかることはあります。ただし、所有者が法人か個人かによって、課税所得(税金の計算のもとになる所得のこと)の計算方法や、納める税金の種類が変わってくるのです。

そこでこの記事では、産業用太陽光発電を売却したときにかかる税金を、法人と個人にわけて解説します。また、売却したときの税金をできるだけ抑える方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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産業用太陽光発電とは?

そもそも産業用太陽光発電とは、システム容量が10kW以上の規模が大きい太陽光発電のことです。対して、10kW未満の場合は「住宅用太陽光発電」と呼ばれます。

住宅用太陽光発電の場合は、自宅の屋根や屋上に太陽光パネルを取りつけるのが一般的です。一方で、産業用太陽光発電の場合は空地などを利用します。

また、住宅用太陽光発電は「家庭の電力を賄う」ことがおもな目的であるのに対し、産業用太陽光発電はその発電量の多さから「法人の環境問題対策」や「投資」がおもな目的となります。

産業用太陽光発電については下の記事でもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

産業用太陽光発電について
産業用太陽光発電投資の設置費用やメンテナンス費用産業用太陽光発電投資とは?収益シミュレーションで本当に利益がでるか確認してみよう!

太陽光発電設備の耐用年数は「17年」

太陽光発電設備の法定耐用年数は17年です。そのため、太陽光発電設備を取得した場合は、17年かけて減価償却費を計上していくことになります。

売却によって「譲渡益」が出た場合は税金を納める必要あり

結論から言えば、産業用太陽光発電を売却したときに利益が出れば、税金を納める必要があります。

ただし、売却する者が法人か個人かによって納める税金は異なります。そこで、法人と個人のそれぞれで産業用太陽光発電を売却した際に納める税金について見ていきましょう。

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法人が産業用太陽光発電を売却して税金がかかるケース

法人が産業用太陽光発電を売却することで税金がかかるのは、売却によって「譲渡益」が出た場合です。具体的には、「売却額>取得価額(減価償却費の控除後)」となったときに、益金として法人に税金がかかるのです。

産業用太陽光発電などの売却によって税金がかかるケース

譲渡価額取得費用(減価償却費の控除後)>0円

  • 譲渡価額:産業用太陽光発電を売却したときに買手から受け取る金額
  • 取得費用:産業用太陽光発電の購入代金(購入手数料や土地の手数料なども含む)。売却するまでに計上してきた減価償却費の累計額を控除して計算

たとえば、産業用太陽光発電の売却額が2,000万円、購入代金が2,500万円、売却時点までの減価償却費の累計額が2,000万円とします。このケースで法人が産業用太陽光発電を売却したときの譲渡損益は、次のとおりに求めます。

2,000万円-(2,500万円-2,000万円)=1,500万円

よって、上記の場合は1,500万円の益金となり、ほかの所得と合わせて課税所得を計算し、税金額を決めるのです。

逆に、「売却額<取得価額(減価償却費の控除後)」となれば、法人にとっては損失となります。この場合は損金として計上され、結果として税金が抑えられます

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売却によって法人にかかる税金3つ

法人が産業用太陽光発電の売却によって譲渡益があった場合、これに付随して納める税金は次の3つです。

  1. 法人税:事業による所得(益金-損金)に対して課税される税金
  2. 法人事業税:事業活動を行う地方自治体で、事業活動に対して課税される税金。赤字の場合は課税されない。
  3. 法人住民税:事業活動を行う地方自治体で課税される税金。資本金や従業員数、法人税額などによって金額が決定する

<法人税率一覧表(開始事業年度が2019年4月1日以降)>

法人の分類 法人税率
資本金1億円以下の法人など 年800万円以下の部分 適用除外事業者※ 19%
上記以外の事業者 15%
年800万円超の部分 23.2%
上記以外の普通法人 23.2%

※「適用除外事業者」…事業開始の日の前3年以内に終了した各事業年度において、所得金額の平均額が15億円を超える法人のこと

このように法人では、産業用太陽光発電を売却したときの譲渡益が出た際、ほかの利益と含めて課税所得を計算し、税金を納めることになります。

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個人が産業用太陽光発電を売却して税金がかかるケース

個人の場合も法人と同様、譲渡益が出たときに税金を納めることになります。このとき、売却する産業用太陽光発電は”動産”に該当するので、売却による所得は「譲渡所得」として扱われます。

譲渡所得とは「不動産や株式などの資産を譲渡することで生じる所得」です。また、産業用太陽光発電を売却した場合の譲渡所得は「総合課税」になるので、ほかの所得と合算して課税します(不動産や株式を売却した際は、「分離課税」によって個々で課税所得を計算します)。

総合課税では、譲渡所得(土地や株式以外)を含む、次の8種類の所得を合算して課税所得を求めます。

<総合課税の対象となる所得一覧>

所得の種類 内容
給与所得 給与やボーナスなど
利子所得 預貯金や一般公社債などの利子
配当所得 投資信託の収益分配金や株式の配当金など
不動産所得 不動産の貸付けによる所得
事業所得 事業活動による所得
退職所得 勤務先からの退職手当や生命保険会社からの退職一時金など
譲渡所得
(土地・建物・株式などを除く)
不動産や株式などの譲渡による所得
一時所得 競馬・競輪の払戻金、保険の解約返戻金など

産業用太陽光発電設備を売却したときの譲渡所得は、次のとおりに求めます

産業用太陽光発電設備を売却したときの譲渡所得

譲渡所得=譲渡価額-(取得費用+譲渡費用)-50万円

  • 譲渡価額:産業用太陽光発電設備を売って買手から受け取る金額
  • 取得費:産業用太陽光発電の購入代金。購入手数料や土地の購入代金なども含む。売却するまでに計上してきた減価償却費の累計額を控除して計算する。
  • 譲渡費用:売るためにかかった費用

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また、上記の譲渡所得も2種類にわけられます。5年以上保有してから売却したときは「長期譲渡所得」、5年未満の場合は「短期譲渡所得」です。

このうち長期譲渡所得については、譲渡所得を半分にしてほかの所得と合算できます。つまり、個人が5年以上保有してから売却すると、課税所得が少なくなるので税金を抑えられるのです。

譲渡所得の種類 保有期間 総合課税への合算する際の計算方法
長期譲渡所得 5年以上 譲渡所得を1/2にして合算
短期譲渡所得 5年未満 譲渡所得の金額のまま合算

たとえば、取得から5年以上経過している産業用太陽光発電の売却額が3,000万円で、取得価額が2,500万円、譲渡費用が50万円とします。このとき、譲渡所得は次のとおりに求められます。

長期譲渡所得=(3,000万円-⦅2,500万円+50万円⦆-50万円)=400万円

総合課税の対象金額=400万円×1/2=200万円

また個人での売却する場合、法人にはない「最大50万円」を控除できるメリットがあります。譲渡所得が少なくなれば、その分税金を抑えられるのです(ただし、所得税は超過累進課税という制度なので、所得が大きくなると法人よりも税金が高くなることもあります)。

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売却したときの税金を抑える方法

ここからは、産業用太陽光発電の売却にかかる税金を抑えるための方法を2つ解説します。

ただし、売却する際の税金が軽くなるだけであって、その分初期コストが高くなることもあるので注意してください。

①(中小企業)取得時に「一括償却」を選択しない

中小企業の場合、産業用太陽光発電を取得した年度に即時償却できる「中小企業経営強化税制」があります。この制度を利用すると、中小企業は産業用太陽光発電を取得した事業年度に取得価額を一括で償却できるので、所得を大きく下げることが可能です。一方で、売却時点での取得価額が0円になります。

つまり、産業用太陽光発電の売却時点で譲渡価額から何も差し引けないので、その分益金が大きくなり、結果として納める税金も多くなるのです。

ただしお伝えしたとおり、即時償却すると売却するときの事業年度では税金が増えますが、一方で取得した事業年度は税金が軽くなります。そのため、資金に余裕がある場合は、あえて即時償却をせず事業年度ごとに減価償却費を計上する方法も考えられます。

②(個人)5年以上保有したあとに売却する

すでに述べたとおり、個人が産業用太陽光発電を5年以上保有してから売却した場合、その所得は「長期譲渡所得」となります。長期譲渡所得の場合は、所得の金額を1/2にしてからほかの総合課税と合算できるので、その分税金を抑えることが可能です

ただし注意してほしいこともあります。産業用太陽光発電に限った話ではありませんが、保有期間が長くなるほど、当然資産の価値は低下していきます。つまり、長期で保有してから産業用太陽光発電を売却した場合、税金を抑えても売却額が少ないので、結果的に損することもあり得るのです。

もちろん、産業用太陽光発電の売却には個々のタイミングがあります。そこで、税理士や売却先の業者などと相談しながら、適切なタイミングで売却することをおすすめします。

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まとめ

法人も個人も、産業用太陽光発電を売却したときに譲渡益が出れば税金がかかります。具体的には、売却額から取得費用(減価償却費の累計額を控除後)を差し引いたときにプラスになれば、ほかの所得と合算して税金を納めることになります。

また個人の場合は、売却額から「最大50万円」を控除することが可能です。さらに、5年以上保有してから売却すると、総合課税の対象額が譲渡所得の半分になり、節税効果が大きくなります。

ただし、売却にはタイミングがあります。場合によっては長期間保有するよりも、短期で売却した方が利益は大きくなるケースもありますので、税理士などに相談しながら検討するのがよいでしょう。

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