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V2Hの特徴とメリット&デメリット|費用相場と補助金制度について簡単に解説

近年はさまざまな自動車ブランドからエコカーまで販売されていますよね。

エコカーの代表ともいえるEVやPHVを所有しているご家庭は、年々に増加傾向にあります。

EVやPHVの購入を検討されているご家庭向けに、をお持ちでV2H(Vihicle To Home)のメリットとデメリットについてご紹介します!

「V2Hを設置する初期費用は?」
「個人でもV2Hの補助金を受けられるの?」
「どこにお願いすれば補助金をもらえるの?」

そんな疑問にもお答えしますので、ぜひ最後まで記事をお読みください。

V2Hとは?

出典:東京電力エナジーパートナー EVを家庭用電源にする「V2H」とは? 仕組みやメリットをイラストで解説!

V2Hとは、「車から家へ(Vihicle To Home)」の略で、電気自動車(EV・PHEV)に蓄えた電力を家庭用に使用するシステムのことです。

電気自動車には大容量の蓄電池が搭載されています。通常の充電設備では、家から自動車への充電しかできません。V2Hを設置すると、電気自動車の蓄電池から家庭に電気を送ることができ、さまざまなメリットが生まれます。

V2Hを導入するメリットとデメリット

ここからは、V2Hを設置することで得られるメリットとデメリットについて詳しく説明していきます。

メリット

V2Hを家庭に設置すると、以下のようなメリットがあります。

  • 電気自動車のバッテリーを蓄電池として活用できる
  • 電気代が削減できる
  • 停電時の備えになる
  • EV・PHEVの充電時間を短縮できる
  • 太陽光発電システムとの連携でさらにお得

電気自動車のバッテリーを蓄電池として活用できる

前述の通り、電気自動車には大容量の蓄電池が搭載されています。一般的な家庭用蓄電池の容量が4~16kWhであるのに対し、電気自動車の蓄電池は10~60kWhです。

通常の充電設備だけであれば、電気自動車は移動にしか使用できませんが、V2Hを導入することで駐車場に停めているときにも活用することができます。

電気代が削減できる

オール電化住宅向けの電気料金プランを利用すれば、電気代の安い深夜に電気自動車を充電しておき、昼間の電気代が高い時間帯には電気自動車から給電することで、電気代を削減できます。

昼間の電気使用量が多い家庭や、電気自動車での移動が週末中心という方にメリットが大きいです。

停電時の備えになる

地震や台風などの災害時に停電してしまった場合、電気自動車の蓄電池から家庭の電気を使用可能です。

日産リーフe+(60kWh)の場合、家中の電力を約4日間分まかなえます。(参考:日産 リーフ[LEAF]蓄電池利用)

蓄電池の容量は車種によって異なりますが、一般的な家庭用蓄電池よりも長期間の停電に対応できて安心です。

EV・PHEVの充電時間を短縮できる

一般的な充電用コンセントは出力が3kWであるのに対し、V2Hの出力は6kWのため、最大2倍の速さで充電が完了します。

「電気自動車を頻繁に使用する」「遠出することが多く常に充電満タンにしておきたい」という方にぴったりです。

太陽光発電システムとの連携でさらにお得

太陽光発電システムを導入している家庭の場合、昼間に太陽光発電した電気で電気自動車を充電し、夜間に家庭で使用することができます。

電気料金が大幅に削減できるだけでなく、CO2排出量ゼロの電気を効率よく使えるので、環境にも優しいと言えるでしょう。

災害時にも、昼間に太陽光発電で電気自動車を充電しておけるので、さらに長期の停電に備えることができます。

デメリット

V2Hの導入が向いていない場合もありますので、確認しておきましょう。

  • 初期費用が高額
  • 設置場所が必要

初期費用が高額

V2Hの導入費用は、総額90~140万円程度かかるといわれています。

V2H機器本体の価格が55~100万円で、別途工事費用が30~40万円発生するので、決して安い買い物とは言えません。

ただし、電気代削減・ガソリン代削減などで初期費用を相殺していくことはできるでしょう。

設置場所が必要

自宅と電気自動車の間にV2Hの設置場所を用意する必要があるため、ガレージにスペースが取れない狭小住宅や、駐車場が離れた場所にある場合は設置できません。

V2H機器のサイズはエアコンの室外機より一回り大きい程度のサイズですが、故障やメンテナンスに備えて保守点検ができるスペースも必要となります。導入前に、設置業者に現地を確認してもらいましょう。

V2H補助金は2種類

一般的にV2Hを設置するには、工事費をあわせておよそ90〜140万円かかるとされています。

非常に高額な費用がかかりますので、補助金をうまく利用したいですよね。

V2Hの補助金は大きく分けて2種類です。

  1. 国の補助金
  2. 地方自治体の補助金

ひとつずつ紹介していきます。

①国の補助金

1つ目は国からの補助金です。

一般社団法人次世代自動車振興センター(以下自動車振興センター)という社団法人が、国の制度にもとづき補助金給付を運営しています。

自動車振興センターから受けられるV2H補助金は、全国どの地域からでも申請できます。

V2Hを購入していなくても、設置できるだけの予算を用意できており、かつ明確な設置計画があればOKです。

自動車振興センターの場合、V2Hの購入および工事費に対して補助金が給付されます。

購入費に対する補助金の額は、V2Hの銘柄によって決められています。

また工事の工程項目によっても異なり、工事の実績報告書にもとづき補助金が決定する流れです。

ただし、申請者は地方公共団体やその他法人(リース会社含む)が対象で、個人での申請は受け付けていません。

個人でV2Hの補助金を受けたい方は、次に説明する地方自治体からの補助金を検討してみてください。

国の補助金ポイント
  • 全国どの地域からでも申請可
  • V2H購入前でも申請可
  • V2Hの購入費および工事費に対して給付
  • 個人は申請不可

②地方自治体の補助金

2つ目は地方自治体からの補助金です。

各地方自治体で補助金を受けられる条件が異なっており、その地域にお住まいの方が対象となります。

申請条件や、対象となる費用はそれぞれの市区町村で異なるので、住んでいる地域のHPなどを確認してみてください。

今回は例として東京都のV2H補助金制度をご紹介します。

東京都の場合、申請できるのは以下の対象者です。

  • 東京都内に住所を有する個人
  • 上記に掲げる者とリース契約を締結したリース事業者

国からの補助金と異なり、個人の申請も可能です。

V2Hの購入費のみに対する補助金となり、工事費などは対象とはなりません。

東京都では、国や市区町村から別途支給される補助金がある場合、併用も可能です。

補助金額は以下の計算によって算出されます。

■助成額 = 助成対象経費 × 1/2  (上限50万円)

※国・区市町村などの補助金を併用する場合は、
助成額 = 助成対象経費 × 1/2 - 国・区市町村などの補助額
(上限50万円)

V2Hの価格帯は40~300万円程度と幅広いですが、上限50万円まで補助金が出ます。

地方自治体の補助金ポイント
  • 各地方自治体によって申請条件が異なる
東京都の補助金ポイント
  • V2H購入費に対しての補助金
  • 購入費の半額~30万円までの支給額
  • 個人の申請可
  • 国や市区町村の補助金と併用可

V2Hの補助金を申請する際の注意点

V2Hの補助金を申請するにあたり何点か注意点がありますので、紹介していきます。

①V2Hの購入が前提条件となる場合がある

無事審査を通過して、補助金をもらってからV2Hを購入しようと考えている方は、前提条件に注意が必要です。

たとえば東京都の場合、助成者要件の1つが「都内の戸建住宅にV2Hを設置、使用していること」とあります。

一方で自動車振興センターの助成者要件にはV2Hの購入がなく、設置計画書のみで審査してくれます。

V2Hの購入費用として補助金を考えている方は、住んでいる地域の前提条件をよく確認したうえで申請を出すようにしましょう。

②申請期限がある

V2Hの補助金申請には、いつからいつまでといった申請期限が設けられています。それぞれの地域によって申請を受付ける期限が異なる点も注意です。

東京都の場合、令和5年度の申請受付期限は、オンライン申請が「令和6年3月29日(金) 17:00申請受付終了」、郵送申請では「令和6年3月29日(金)17:00必着」となっています。

また、申請額が予算額に達した場合は、その時点で受付を終了します。
毎年応募が殺到している地域もあり、その場合は審査に時間がかかることも。

補助金申請を検討している方は、各地域の申請期限を確認しておきましょう。

③災害時に協力を要請されることがある

個人宅でV2Hを設置するために補助金を申請した場合、V2Hの利用場面は自身の生活だけではありません。

万が一災害が起こった場合に、地域の要請をうけて自宅以外への電気供給をお願いされるケースがあります。

個人の災害対策としてもちろん効果はありますが、補助金を受けた場合は電気供給を依頼されるケースがあることを頭に入れておきましょう。

V2Hの導入に関するよくある質問

V2Hの導入を考えるときに、気になる点についてまとめました。

V2Hと蓄電池はどちらの導入がおすすめ?

電気自動車+V2Hと蓄電池はどちらも、家庭の電気料金削減・停電時の備え・太陽光発電した電気の有効活用に役立ちます。どちらを選ぶべきかは、ライフスタイルによって異なります。

V2Hがおすすめの人
  • 電気自動車を昼間駐車する時間が長い
  • 長期の停電にも備えたい
  • 倍速充電を使用したい
蓄電池がおすすめの人
  • 電気自動車の導入予定がない
  • 電気自動車を自宅に置く時間が少ない

電気自動車を週末だけ・送迎だけに利用しているという方に、V2Hはぴったり。移動に利用していない時間は大容量蓄電池として活用でき、一石二鳥です。

電気自動車の購入予定がない方には、家庭用蓄電池が向いています。また、通勤に利用するなど、家庭に電気自動車を停める時間が少ない方にもおすすめです。

V2Hの対応車種は?

全ての電気自動車がV2Hに対応しているわけではありません。V2Hの設置を考えている場合は、電気自動車の購入前に確認するようにしてください。

国内自動車メーカーの対応車種を紹介します。

トヨタbZ4X、プリウスPHV、MIRAI(停電時のみ)
日産リーフ、アリア、サクラ、e-NV200
三菱eKクロス EV、アウトランダーPHEV、エクリプスクロスPHEV、i-MiEV、MINICAB-MiEV(バン・トラック)
ホンダHonda e
スバルソルテラ
マツダMX-30 EV MODEL、CX-60 PHEV
スズキなし
ダイハツなし
レクサスRZ450e、UX300e

V2Hのメーカーとその特徴は?

V2Hの機器メーカーは、デンソー・東光高岳・ニチコンの3社です。

デンソー

倍速充電機能や、太陽光発電した電気を効率よく利用できる「グリーンモード」、スマホアプリでの操作が可能など、使い勝手が良いのが特徴です。停電時の出力は6kWと大きく、一度に多くの家電を使用できます。

系統連系型なので、太陽光発電システムを導入している家庭におすすめです。

東光高岳

非系統連携型(太陽光発電システムとは連携不可)のシンプルモデル。本体サイズが比較的コンパクトで、駐車場に設置しても邪魔になりにくいのが嬉しいポイントです。

停電時の出力は3kWとあまり大きくありませんが、非常時の備えとしては必要十分でしょう。

ニチコン

ニチコンのV2Hは市場でトップシェアを誇っています。スタンダードモデルとプレミアムモデルの2種のラインナップです。どちらのモデルも太陽光発電システムとの連携が可能で、倍速充電にも対応しています。

停電時の出力が、スタンダードモデルは3kW・プレミアムモデルは6kWと異なっています。また、プレミアムモデルはスマホ操作も可能です。

プレミアムモデルの方が機能が充実していますが、スタンダードモデルの方が廉価となっていますので、ニーズに合わせて選んでくださいね。

まとめ

電気自動車とV2Hを導入すると、大容量の蓄電池として活用でき、電気代の削減や停電時の備えとなります。

V2Hの補助金は以下のとおりです。

<補助金の種類>

  • 国の補助金→法人のみ
  • 地方自治体の補助金→個人も可

<補助金の注意点>

  • 前提条件に注意
  • 申請期限がある
  • 災害時の自宅以外への電力供給要請がある

V2Hは購入費と工事費をあわせると非常に高額となりますが、補助金をうまく利用すればお得に設置できます。

これからV2H設置を検討している方は、ぜひご自身が住んでいる地域の制度を確認してみてくださいね。