「店舗の電気料金が高い!節約するにはどうすれば良い?」
「飲食店を開業するが、水道光熱費のランニングコストを抑えたい。」
とお悩みではありませんか。
飲食店を経営するにあたって、水道光熱費は節約してなるべくコストを削減したいですよね。
特に飲食店は大型の設備を使用するので、電気使用量が多くなりがちです。電気料金を抑えられれば、コストの大幅削減も期待出来るでしょう。
そこでこの記事では飲食店での節電方法を紹介します。
普段の行動から節電に繋げる方法と、電力供給の電力会社から考える節電の2パターンを記事にしました。
後半部分では、低価格が魅力な新電力会社の選ぶポイントやおすすめの新電力会社についても触れているので最後まで読んでみてください。
飲食店の電気代の平均はどれくらい?
飲食店を経営するにあたって、電気代などのランニングコストはなるべく低く抑え利益を多く出していきたいですよね。
飲食店の種類によって変わりますが、水道光熱費は売上高の7%程が目安とされています。月100万円の売り上げた場合、7万円程の電気代がかかる計算です。
飲食店の電気代が高いのはなぜ?
飲食店の電気代は平均して、水道光熱費の比率売上高7%のうちの8割を占めます。飲食店の場合、一般の家庭と違い冷蔵庫や空調は大型の業務用を使用する場合が多く、どうしても電気使用量の割合が多くなってしまからです。
また、契約している電力会社のプランと自分の経営しているお店と合わない場合は電気代が高くなる傾向にあります。本当に選んでいる電力会社のプランで良いのか改めて確認しておくと良いでしょう。
飲食店での平均的な消費電力の内訳例を見てみましょう。
夏時期のピーク時ですと空調が約46%、照明が約29%、冷蔵庫、製氷機、ショーケースなどの厨房機器で約22%を占めます。
全て合わせると消費電力の約97%を占めるため、節電をを考えている場合には空調や照明、厨房設備を中心に節制すればほとんどの消費電力の節約になりますね。
電気代を削減する方法
飲食店を経営するにあたって、売上を上げて経費を減らすのは重要なポイントです。
もし電気代を月に5,000円削減できれば、年間60,000円も節約ができます。店舗によっては節約が経営に大きく関わってくる可能性もありますね。そこで、消費電力の削減に有効な節電方法を3つ紹介します。
①設備の見直し
基本的に古い設備は消費電力が高くなってしまいます。買い替えは費用がかかりますが、省エネ付きの設備に新調するのも長い目でみれば消費電力の削減になるでしょう。
買い替えが難しい場合の節電方法を説明します!
冷暖房などの空調
消費電力の約46%を占める空調ですが、設定温度を見直しましょう。
夏場は28℃、冬場は20℃が理想。また暑い夏の時期は、冷房にプラスして扇風機も使用すると効率よく冷え、節電にもなります。
エアコンの場合、フィルターが汚れていると冷暖房の効率が悪くなり消費電力が上がってしまうので、2週間に1回は掃除をしてほこりなどが溜まらないように気を付けて下さい。
室外機から熱を排出しにくくなると、多くの電力を消費してしまいます。なので、室外機にはなるべく日光が当たらないようにし、周りも荷物を置かないようにしましょう。
照明
照明はLEDを採用するとかなりの節電になります。LEDは従来の白熱電球と比べると約50%も消費電力が抑えられますよ。よってLEDに切り替えることをおすすめします。
【LEDと蛍光灯の電気料金比較】
照明の種類 | 365日 | 10年 |
LED | 5,700円 | 57,000円 |
蛍光灯 | 15,204円 | 152,040円 |
※電気代22円/kWh,照明数10個を想定
また蛍光灯の寿命は、6,000~12,000時間に対してLEDは40,000~50,000時間と言われていてLEDの方が長く使うことができます。
40,000時間のLEDを使い切る間に、6,000時間の蛍光灯を約6~7回も取り替える計算です。1か所だけでも約6,000円~節約できますね。
しかし、全ての照明を白熱電球からLEDに変える場合のに初期費用がかかり厳しい場合もあります。
その際に、東京都では「東京都区市町村と連携した地域環境力活性化事業地域」による飲食店のLEDへの切り換えの費用を1/2補助してくれる制度があります。店舗の地域でも補助や支援制度があるかもしれませんので、調べてみてはいかがでしょうか。
冷蔵庫
飲食店の冷蔵庫は業務用の大型のものを採用している場合が多く、消費電力も大きいです。冷蔵庫の代表的な節電方法は、冷蔵庫に食品を詰め込みすぎると冷えにくくなり余計な消費電力が発生してしまいます。不要な開け閉めは避け、冷気流出防止ビニールカーテンを設置するのも冷気を外に逃さず節電になります。
製氷機
ほとんどの飲食店がお水やドリンクを提供するので、製氷機を置いている店舗は多いでしょう。節電方法としてはエアフィルターと凝縮器はこまめに手入れをし、ホコリなどの汚れを残さないようにします。汚れていると製氷能力が低下して余計な電力を消費してしまいます。また、冷蔵庫と同様に開け閉めの時間や回数を減らして冷気を外へ逃さないように心がけましょう。
②節約・節制
トイレの電気は消す、必要ない部屋の電気は付けないなど電気をこまめに消しましょう。ただ、来店してくれるお客様が心地よく過ごせるようにあまり極端にならないように気を付けてください。
トイレの照明などは、人感センサーを採用すると電気の消し忘れを防げるので、余裕のある店舗は検討してみてはいかがでしょうか。
③電力会社の変更
2016年の電力自由化によって、自由に電力会社を選べるようになりました。この自由化にともない様々な会社が電力供給に参戦し始めました。
これらの企業の電力は新電力と呼ばれ、地方の電力会社と比べると電気料を安く抑えられる利点があります。飲食店は電気使用量が多く、新電力に切り替えることでコストカットが大いに期待できます。
飲食店の電力会社を選ぶ5つのポイント
新電力会社が次々誕生し、どの会社を選べば良いか悩んでしまいますよね。そこで、電力会社を選ぶ際に抑えておきたいポイントを5つ紹介します。
①料金プラン
新電力会社が提供している料金プランが経営している飲食店と合っているか確認しましょう。電力会社を選んで変えてもあまり安くならなかった、なんて事態を防ぐために電力会社の電気料金のシュミレーションをしておくと安心ですね。
また契約期間の縛りや、解約した場合の違約金についてなどは見落としがちなので、トラブルにならにように確認しておきましょう。
②電力供給エリア
気になる電力会社を見つけても、営業している店舗エリアでは電力の供給を行っておらず、契約できなかったなんて場合もあります。電力会社を調べる際、まずは店舗が対象エリアに入っているか確認してください。
③供給の安定性
新電力の参入により、電気代を安く節約できるようになりました。しかし、低価格での電力供給で経営が上手く回らず倒産してしまったり、停電が多くなり電力の供給が不安定になることも。
いきなり電力が供給されなくなってしまうとお店の営業もできずに困ってしまいますよね。安定して電力を提供してくれる会社が理想的です。しかし、絶対に電力の供給が止まらないという保証は無いので、万が一倒産してしまった場合の対応などや、できれば電力会社の経営状態は良好か事前に確認しておく安心です。
④発電方法
発電方法を考える理由は、環境問題に着目しているから。
電力の発電方法は、主なもので火力・水力・原子力・太陽光・風力・地熱による発電方法があります。
例えば火力は火を使うことによって温暖化の原因になっている二酸化炭素を発生させ、地球温暖化へ影響してしまいます。反対に太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる発電は環境への悪影響はほぼゼロとされていますよ。
電力の発電方法は「電源構成」と呼ばれ、例えば火力で60%、水力で20%、風力で20%の様に発電方法の割合を示しています。
この電源構成の開示義務はなく、電力会社の判断によります。環境問題に積極的に取り組む電力会社などは公開している場合が多いので、参考にしてみて下さい。SDGs(持続可能な)など環境問題が取り上げられる現代、個人も企業も環境に配慮した行動が必要になっていますね。
⑤顧客対応
何か問題が起こった時に、すぐに対応してくれる電力会社がおすすめ。
飲食店では、急なトラブルにすぐ対応してもらわないと営業にも影響が出てしまい困りますよね。24時間365日対応の電力会社もあり、トラブル対応にもしっかり対応しているか確認しておきましょう。
新電力会社のデメリットも理解しておこう
新電力会社は、低価格な電気料金がメリットとして挙げられますが、デメリットもあります。
それは契約期間や違約金も存在するようになったこと。
以前はありませんでしたが、新電力会社では契約期間が決まっていることや、違約金や解約金、または追加プランが発生する場合もあります。
人気のある新電力会社などは停電したり、電力が供給されないなどはほぼありません。しかし電力供給の安定性の不安は拭いきれないので、電力の供給経路や、口コミもしっかり確認した方が良いでしょう。
また新電力の場合、検針票が紙で発行されない、もしくは発行手数料がかかるという場合もあるので気を付けて下さい。
飲食店へのおすすめの新電力会社3選
①Looopでんき
Looopでんきは基本料金0円で、使った分だけ電気代がかかるというシンプルな仕組みが特徴です。一般家庭よりも電力消費量の多いビジネス向けのお得な料金プランも提供しており、従量料金はエリアごとに異なります。
【エリアごとの電気料金表】
エリア | 基本料金 | 従量料金(税込み)/kWh |
北海道電力 | 0円 | 31.5円 |
東北電力 | 0円 | 27.5円 |
東京電力 | 0円 | 27.5円 |
中部電力 | 0円 | 27.5円 |
北陸電力 | 0円 | 22.4円 |
関西電力 | 0円 | 23.4円 |
中国電力 | 0円 | 25.4円 |
四国電力 | 0円 | 25.4円 |
九州電力 | 0円 | 24.4円 |
東京電力の電気料金と比較した場合、Looopでんきの方が毎月6,971円安く、年間で約84,000円も得をする計算です。
まるまる1ヵ月分の電気料金分も節約になるという飲食店もあるのではないでしょうか。
【Looopでんきと東京電力の電気料金比較】
電力会社 | 月 | 年 |
Looopでんき | 60,032円 | 720,384円 |
東京電力 | 67,003円 | 804,036円 |
※従量電灯C(8kVA)2,183kWh/月(東京電力)利用想定
出典:Looopでんき ビジネスプラン
Looopでんきのルーツは、東日本大震災の被災地に太陽光発電を設置するボランティアから始まりました。現在も、太陽光発電や風力発電などの燃料費がかからない再生可能エネルギーの普及を目指し、それにともなって電気料金の低下を目指しています。環境問題にもきちんと向き合っている電力会社といえるでしょう。
ただし、電気がつかない、停電してしまった、コンセントが焦げ臭いなどトラブル対応に24時間365日駆けつける「かけつけるーぷ」を実施していますが、今現在の対象エリアが東京電力管内なので注意が必要です。
②エルピオでんき
エルピオでんきはビジネス向けプランとして「お店応援!定額プラン(2,500kWh)」を実施しています。業種を問わず7kVA以上の契約容量で電灯契約をしている業務店向けのプランで、毎月2,500kWhまでは基本料金+定額料金の62,130円で、超過分は1kWhあたり27.50円で利用できます。
【お店応援!定額プラン(2500kWh)の電力量料金(月ごと)】
区分 | 単位 | 料金単価(消費税率10%) |
最初の2500kWhまで | 固定料金 | 62,130円00銭 |
2500kWhをこえる分 | 1kWh | 27円50銭 |
出典:エルピオでんき お店応援!定額プラン(2500kWh)の詳細
全ての料金単価が地域電力よりも安く設定されていますが、実際に利用してみて期待したほど節約ができなかったなど、解約を希望する場合には違約金は発生しませんので安心して利用できます。
また、最低利用期間もなく、プラスαで他のサービスへの加入が条件に入っていませんので契約時に追加料金を支払う必要はありません。
発電方法の約40%が火力で二酸化炭素の排出は否めませんが、電力の発電方法を示す「電源構成」も公表しており、温室効果ガスの排出量も発表しています。しっかり環境問題にも意識が向いている証拠です。
③ENEOSでんき
ガソリンのイメージが強いENEOSから2016年からENEOSでんきが供給を開始しました。
全国に30ヵ所以上の発電所を有しているので、電気の安定供給に貢献しています。
ENEOSでんきの関西エリア対象の「関西動力プラン」は大型の設備などを利用する業務用向けのプランで、関西電力の低圧電力プランと料金を比較した場合、年間最大15,840円節約できる計算です。
【ENEOSでんきと関西電力の電気料金比較】
電力会社 | 電気料金/年 | 差額 |
ENEOSでんき | 538,992円 | △15,840円 |
関西電力 | 554,832円 | ー |
契約電力:12kW 使用電気料:2500kWhを想定
出典:関西エリアの電気料金(低圧電力・業務用)
また、電気料金をENEOSカードで支払いや、Tポイントカードなどの登録でガソリン代が安くなったり、カードのポイントが加算されたりと嬉しい特典付きです。ご自身のライフスタイルに合った特典を選んで得しましょう。
ENEOSでんきの環境に対する活動としては、天然ガスなどの環境負荷の少ないエネルギーの使用や、太陽光・風力などの再生可能エネルギーの活用にも取り組んでいます。
さらに、「再生可能エネルギー発電促進賦課金単価」という電気を使う全ての人への課金をを行っています。
1年ごとに単価が見直され、電気の使用料に比例して課金の額が変わり、最終的には再生可能エネルギーの発電設備の投資に使用され再生エネルギーの普及に貢献されます。
「節約したいのに、別に課金されるのか…。」と思われるかもしれせんが、ここ数年は2~3円/kWhなので、大きく電気料金には影響されません。毎日使う電気で環境活動に参加できるのは画期的ですね。
まとめ
主に飲食店における電気料金の節電方法と、新電力会社についての記事でした。いかがだったでしょうか。
節電方法としては大きく分けて3つです。
- 設備の見直し
- 節約・節制
- 電力会社の変更
新電力会社の選ぶ場合のポイントとしては3つあります。
- 料金プラン
- 電力供給エリア
- 供給の安定性
- 発電方法
- 顧客対応
それぞれ紹介しました。これらのポイントを絞って、電気使用量の削減にチャレンジしてみて下さい。