ダブル発電ってなに?ダブル発電のメリット・デメリットを解説

太陽光発電に関わる話で、よく「ダブル発電」というワードを聞くことがあります。じつは、このダブル発電をうまく活用すれば、電気料金を大幅に下げたり、太陽光発電の売電収入を増やしたりすることも可能です。

そこでこの記事では、ダブル発電の概要や、メリット・デメリットについて解説してきます。

ダブル発電とは?

ダブル発電とは、「住宅用太陽光発電(10kW未満)」と「エネファームなどの自家発電設備」を組み合わせて使うこと です。

住宅用太陽光発電では、住宅の屋根に取り付けた太陽光パネルによって太陽光エネルギーを電力に変換します。太陽光発電の最大の特徴として、発電した電力は家庭で電気として使用できるだけでなく、使わなかった「余剰電力」で電力会社へ売れる点です。

住宅用太陽光発電の場合、売電収入は年間で約10万円弱ですが、家庭で使う電力を賄いながら収入も得られる点に太陽光発電の魅力があります。

一方で「自家発電設備」とは、その名のとおり電気を蓄えて発電できる設備のことを指します。代表的な自家発電設備は「エネファーム」ですが、ほかにも家庭用蓄電池や電気自動車などがあります。

それぞれの自家発電設備については後ほど詳しく解説します。

売電量を増やす「押し上げ効果」とは

ダブル発電では、太陽光発電だけでなく、エネファームや家庭用蓄電池などの自家発電設備も利用して家庭で使う電力を賄います。つまり自家発電設備を使うことで、太陽光発電によって自家消費で賄われる電力が少なくなり、より電力会社への売電に回すことが可能です。

これを「押し上げ効果」といいます。

押し上げ効果のメリットは、太陽光による売電収入が増える点です。当然ですが、太陽光だけでなく、エネファームや家庭用蓄電池によって家庭で使う電力を賄えれば、その分電力会社への売電収入が増えるのは当然です。

2019年からは買取価格が引き上げられた

実は、2018年までは、ダブル発電によって余剰電力を売電していた場合、電力会社の買取単価は安くなっていました。

太陽光発電だけでなくエネファームや家庭用蓄電池を使って発電すれば、当然余剰電力の売電量が増えるため、それをならす目的で単価が安くされていたのです。たとえば2018年の場合、ダブル発電の家庭からの電力買取単価は、シングル発電(太陽光発電のみ)に比べて売電量1kWhあたり1円も安い単価でした。

そのため、「ダブル発電だと買取単価が安くなってしまう」ことが、ダブル発電のデメリットの1つでした。

しかし2019年以降は、シングル発電とダブル発電は同じ買取単価になっています。つまり、ダブル発電のデメリット「シングル発電よりも買取単価が安くなる」ことがなくなり、現在ではより利用しやすくなっています。

太陽光発電と組み合わせる「自家発電設備」

では、太陽光発電と組み合わせる「自家発電設備」には、どのような機器があるのでしょうか?代表的な3つの機器を紹介します。

①エネファーム

ガスから水素ガスを取りだして、空気中の酸素と反応させることで発電する自家発電設備のことです。発電したときに発する熱でお湯を沸かせるので、お風呂にも利用可能。

また、エネファームは24時間稼働します。

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エネファームの評判や仕組みについてエネファームの価格はいくら?評判やメリットデメリットを簡単に解説!

②家庭用蓄電池

何回でも充電して、何度でも使用できる電池のことです。とくにダブル発電で利用する家庭用蓄電池では、電力会社から供給された電気を蓄電する場合と、太陽光で発電された電力を蓄電する方法があります。

蓄電した電力は、太陽光発電を発電できない夜の時間帯に、自家消費として使用することも可能です。

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③電気自動車 (V2H)

電気自動車の蓄電池に蓄えられた電気を、家庭で使用できます。これを「V2H」といいます。

ダブル発電では、電気自動車も一種の「自家発電設備」です。

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ダブル発電の3つのメリット

ここからは、ダブル発電のメリットについて3つ取り上げます。

①電気代が下がる

ダブル発電の最大のメリットは、光熱費が下がる点です。なぜなら、太陽光発電に加えて自家発電設備でより家庭の電気を賄えるようになるので、電力会社から供給される電力量が減るからです。

ダブル発電では、100%以上の電力を自給自足できるようになります。たとえば、朝から夕方までは太陽光発電で賄い、発電できない夜はエネファームで賄うと、電力会社からの電力が不要になります。さらに、自家消費分以上に余った電力もあれば、100%以上の電力の自給自足が可能です。

すなわち、ダブル発電で電力をすべて自給自足できれば、毎月の電気料金が0円になるのです(厳密には最低料金が設定されていることが多く、電気料金は完全に0円にはならない)。太陽光やガス、水などのエネルギーで発電した電力を、家庭ですべて消費するエコシステムを作り上げてしまえば、電気代をほぼ0円に近づけられる点が、ダブル発電の大きな魅力です。

②売電収入が増える

ダブル発電の2つ目のメリットは、売電収入が増える点です。なぜなら、エネファームなどの自家発電設備によって家庭で使う電力を賄うことで、より太陽光発電の余剰電力を電力会社へ売れるからです。

ダブル発電によってより効率的に売電したい場合は、日照がある朝~夕方は「太陽光発電+エネファームなどの自家発電設備の2つをセットで使う」、夜は「自家発電設備で賄う」のがおすすめです。日照がある時間は太陽光発電でも

③エネファームと組み合わせると天候に左右されなくなる

ダブル発電で太陽光発電とエネファームを組み合わせた場合、天候によって発電量に左右されることが減ります。太陽光発電のみの場合、雨や雪によって発電量が少なくなりますが、エネファームはガスと水で発電するものであり、天候に影響されないからです。

エネファームを設置していた場合、たとえ停電時であっても、ガスと水道さえ供給されれば発電可能です。

このように、太陽光発電に加えてエネファームも導入することで、天候リスクを軽減できる点がダブル発電のメリットといえます。

ダブル発電の2つのデメリット

つづいて、ダブル発電のデメリットについて見ていきましょう。

①初期コストが高い

最大のデメリットは、初期コストが高いことです。

たとえばエネファームの場合、設置費用で150~250万円ほどかかります。そのため、初期コストを回収するにも数年の時間が必要になります。

エネファームの価格についてはこちらの記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
エネファームの評判や仕組みについてエネファームの価格はいくら?評判やメリットデメリットを簡単に解説!

一方で、新築でZEH住宅(”消費”より”創るエネルギー”が上回ることを目指した住宅)を購入する場合、太陽光パネルとエネファームなどがセットで設置されることが多くなります。まとめて設置すれば、その分エネファームのみの設置費用を下げることも可能です。

このように、エネファームの設置コストを下げたい場合は、新築でZEH住宅を購入することも1つの手として考えられます。

②設置スペースが必要

エネファームや家庭用蓄電池を設置する場合、それらを置くためのスペースが必要になる点も、少々ネックとなります。

たとえばエネファームの場合、幅70~100cm、高さ160cmほどの大きさになります。家の広さに余裕があれば大丈夫ですが、都心などで土地が狭かったり、家具や荷物が多かったりすると、設置するスペースを確保するのに苦労することも考えられます。

自家発電設備の設置を検討している場合は、それを置くスペースも十分に考えましょう。

まとめ

ダブル発電とは、住宅用太陽光発電(10kW未満)に加えて、エネファームや家庭用蓄電池などの自家発電設備と組み合わせて使うことをいいます。太陽光発電だけでなく、エネファームなどによって家庭で使う電力を賄うことで、電気料金を上げたり、太陽光の余剰電力の売電収入を増やしたりできるメリットがあります。

一方で、エネファームや家庭用蓄電池は初期コストが高いことも念頭にいれておきましょう。初期コストが高い分、回収できる年数の計算も必要になってきます。