テレビCMをはじめとする広告媒体の効果もあり、最近知名度が高まっているエネファーム。
しかし、まだまだ導入しているご家庭も少なく、エネファームの仕組みや導入するメリット・デメリットなどを十分に理解できていない方が多いようです。
エネファームを設置する際、各自治体や市町村から補助金をもらうことができたり、停電時でも電気が使えたりといったメリットもあります。
この記事では、エネファームの設置後に後悔しないために、仕組みや評判、デメリットなどを簡単に解説していきます。
【エネファームとは?】仕組みを解説
エネファームは、都市ガスやLPガスなどを使って発電する「家庭用燃料電池」の機能と、発電の際に発生する熱を利用し、給湯や暖房などに使用する「コージェネレーションシステム」との二つの機能を持ちあわせた機器のことです。
家庭用燃料電池は、都市ガスやLPガスなどを改質器に通すことで水素に変え、その水素と空気中の酸素とを反応させることによって電気を発電する仕組みとなっています。
エネファームは、発電に使用できない熱に変わるエネルギーを二次利用したコージェネレーションシステムによって、お湯を沸かしたり床暖房として利用することができます。
ガスや石油を使わずにエネルギーを作ることができるので、オール電化やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)住宅にも導入されています。
エネファームの設置費用相場
パナソニック(補助金適用前) | 100万円前後 |
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京セラ(補助金適用前) | 120万円前後 |
アイシン精機(補助金適用前) | 200万円前後 |
エネファームの本体価格は、メーカーや種類によって変わりますが、おおよそこのくらいの費用です。
さらに、本体価格に加え、設置工事費用が30〜80万円程度かかります。
上記の価格はあくまで相場なので、詳しく知りたい方はリフォーム会社や一括見積もりサイトなどを利用して見積もりをしてもらうのがおすすめです。
エネファームの設置時に利用できる補助金制度
エネファーム導入時に申請できる補助金制度が、国や地方自治体などで設けられている場合もあります。
2020年度の補助金申請期間は、
2020年4月7日(火)~2021年2月19日(金)
となっています。
詳細は補助金の管轄をしている一般社団法人 燃料電池普及促進協会の公式ホームページで確認してください。
2021年度(令和3年度)の補助金制度について
2021年度の補助金制度の概要はまだ未発表となります。(2021/4/6時点)
情報が解禁されると、一般社団法人 燃料電池普及促進協会の公式ホームページで詳細を確認できます。こちらのページも随時更新していきます。
エネファームを設置する6つのデメリット
- 設置するためのスペースが必要
- 設置価格が高い
- 天然ガスの相場に左右されやすい
- 貯蔵タンク内にある湯の温度で発電が制限される
- 寿命が短く20年毎に買い替えが必要
- 発電した電気は売電できない
①設置するためのスペースが必要
発電時に発生する熱でお湯を沸かして貯蔵する必要があるため、貯湯タンクを設置するスペースが必要になります。
エネファームはご自宅の庭などに設置するパターンが多いです。
エネファーム自体は幅70〜100cm、高さ160cm程度の大きさなので、都会のように土地面積が狭い場合は、邪魔になってしまったり、景観が悪くなるといった口コミもありました。
②設置価格が高い
価格相場でも説明しましたが、エコキュート本体に加えて設置工事代もかかるので、合計150〜300万円程度の費用がかかります。
補助金制度を使用すれば、費用を抑えられますが、とはいえ高額な出費になので設置をためらっている方も多いです。
しかし、エネファームを設置することで毎月の光熱費を削減できるので、初期費用の回収は5〜6年程度だと言われています。
補助金制度を活用し、初期費用をなるべく抑えて導入するようにしましょう。
③天然ガスの相場に左右されやすい
都市ガス用のガスはほとんどが海外から輸入されているので、輸入価格が高騰するとガス料金も高くなってしまうリスクがあります。
④貯蔵タンク内にある湯の温度で発電が制限される
一部の製品では、貯蔵しているタンク内の湯が沸くと発電しないような仕組みになっているので、湯を使用する頻度や量によって、発電量が左右されてしまいます。このようなシステムが組み込まれているメーカーを避けたい場合には、事前に確認しましょう。
⑤寿命が短く20年毎に買い替えが必要
先ほど触れた通り、エネファームの寿命は、定期的なメンテナンスや修理を行ったとしても20年程度です。
その都度買い替えが必要になります。
⑥発電した電気は売電できない
太陽光発電システムとは異なり、エネファームで発電した電気を電力会社に販売することはできません。
ですが、今後法改正などが行われて、売電できるようになればメリットとして活用できる可能性もあります。
エネファームを設置する5つのメリット
- 発電後のエネルギー効率が既存の発電システムより極めて高い
- 自宅で発電するので送電ロスがない
- 利用するガス会社によっては優待プランなどが設けられている
- 騒音が原因で近所トラブルになる可能性は低い
- 発電の様子が観察できる
①発電後のエネルギー効率が既存の発電システムより極めて高い
エネファームは、火力発電所や原子力発電所などとは違い、発電する際に発生する熱エネルギーを余すことなく利用することができるので、石油や天然ガスで作ったエネルギーの消費を減らすことができます。その結果、石油や天然ガスの使用量を23%程度削減することができます。
エネルギーを作る際に有害物質の排出をする石油などの使用量が抑えられることで、地球温暖化防止や環境汚染の防止につながります。
ちなみに、エネファームでエネルギーを作る際の反応物は水だけなんです!
クリーンでエコだと言われる所以はここにもあるんですね。
②自宅で発電するので送電ロスがない
エネファームは太陽光発電とは違い、遠方の発電所などで発電して、送電線を使って電気を送るシステムではなく、各ご家庭で発電するので送電の際に起きる送電抵抗がほぼ0%です。
一般的に、電気は距離に比例して減衰しますが、エネファームを使用し、ご自宅で発電した電気を使えば、距離による減衰の影響を受けません。
③利用するガス会社によっては優待プランなどが設けられている
各ガス会社によって専用料金のメニューや優待割引制度などが設けられているので、ガス料金が安くなる可能性があります。
また、エネファームで作られた電気を使用することができるので、電気代などの光熱費も削減することができます。
④騒音が原因で近所トラブルになる可能性は低い
エネファームは、燃料電池で発電するので、ガソリン式の発電機などと比較すると、静音性が高く騒音リスクを抑えられます。
ただし、エネファームからは低周波音が発せられるので、人によってはうるさく感じるかもしれません。
エネファーム設置の際は、念のためご近所へ挨拶周りに行っておくのもおすすめです。
⑤発電の様子が観察できる
モニターやリモコンの画面で発電量が確認できるので、電気に対する意識が高まり、省エネルギーにつながります。
エネファームの定期メンテナンスとお手入れ方法
定期メンテナンス
エネファームの寿命は20年程度です。
20年間、一切メンテナンスが必要ないというわけではありません。長く使うためにも定期メンテナンスをしておくことをおすすめします。エネファームの定期点検は設置から約10年後です。「約」10年というのは、10年毎の決まりがあるわけではなく、発電量によるからです。メンテナンスが必要になるとモニターに「点検」の表示がでます。(メーカーによって異なる)
表示がでると、1ヶ月以内にメンテナンスを受けないとそのまま運転が止まってしまうので要注意。メンテナンスは販売店やメンテナンス事業者などに依頼してください。
エネファームは、排管が詰まったり、発電できなくなったりといったトラブルや故障が起こり得ます。
一般的にエネファームは10年の保証期間があるので、故障や不具合が生じた場合は点検や修理をしてもらえますが、保証期間を過ぎるとメンテナンス費用は全額実費となるため、導入時には修理費用や交換費用の積立も考慮しておきましょう。
お手入れについて
エネファームは、機器の外装やリモコンの汚れを拭き取ったり、年に2〜3回ほど貯湯タンクに沈殿している固形物などを流すために、貯湯タンクの底に溜まっている水を抜く作業が必要です。
作業自体は難しくなく、説明書に手順が書かれているので、それにしたがって作業を進めれば問題ありません。
また作業手順はメーカーによって異なる場合があるので、説明書を事前に読んでおきましょう。
停電時や災害時はエネファームは使える?
エネファームは、電力会社から購入した電気で動くわけではないので、自然災害や停電などによって影響を受けることはありません。
そのため、「電線が切れて送電できなくなった」「復旧に時間がかかる」といったことがなく、ご自宅で発電を続けることができます。
また、断水してしまった場合、エネファームに貯水している水を生活用水(洗濯や洗い物など)に使用することもできるので、“電気を発電する” という用途以外でも非常時にとても役立てることができます。
エネファーム・エコキュート・蓄電池・太陽光発電は合わせて設置するとよりお得!
最近、エネファームと太陽光発電システムを併用するご家庭も増えています。
エネファームと太陽光発電システムをダブルで稼働し、発電させることで、当然発電量も増えるので、電力に余裕が生まれ、より効率的な発電システムとして運用できます。
つまり、エネファームと太陽光発電システムを組合わせることによって、より安定した自家発電が可能になるということです。
エネファームで発電した電気は売電できないので、優先的にエネファームで発電した電気を消費し、太陽光発電で発電した電気を売電に回したりと、うまくダブル発電を使いこなせればできれば電気代の節約だけではなく、売電収入も得られます。
少し費用は嵩みますが、蓄電池も合わせて設置しておくと発電した電気を貯めておけます。そのため、夜間の電気代が高い時間帯に蓄電池に貯めた電気を使えるので、より電気代・光熱費を削減できます!
浮いたお金で家族で旅行に行ったり、いつもより豪華な外食に行ったりできちゃいますよ♪
もちろん、太陽光発電や蓄電池を合わせて設置をすると、高額な初期費用がかかります。
なるべく費用を抑えるためには、複数の施工会社から相見積もりをして比較・交渉したり、もらえる補助金を調べておきましょう!
「なんとなく良さそうだな」
「見積もりだけでもほしいな」
という方は、まずは無料一括見積もりサイトで見積もりをもらってみてくださいね。
見積もりサイトは特徴やサービス内容が異なるので丁寧に比較することが大切。しっかり比較して、お得に太陽光発電を設置したい方は記事をチェックしてみてください。

まとめ
エネファームは環境にもお財布にも優しいシステム機器ですが、設置費用が高いことや設置場所を確保する必要があることから、まだまだ導入している人が少ないです。
しかし、エネファームを導入することで、家計の助けになることはもちろんですが、停電時や断水時などの非常事態でも使用することができます。
近年自然災害が増えており、ニュースでも取り上げられていますよね。
「もしものとき」を考え、導入を検討してみてください。
(参考:エネファームって?|エネファーム パートナーズ)
(参考:エネファームについて | 燃料電池普及促進協会(FCA))
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