野立て太陽光発電のメリットデメリットと3つのリスク

太陽光発電には、主に住宅用太陽光発電と野立て太陽光発電の2種類の方式があります。その中でも太陽光発電事業として、野立て太陽光発電を選ぶ方も多いです。また、土地を保有していない方は、土地付き太陽光発電の投資物件を購入するケースまであります。

しかし、太陽光発電に初めて取り組む方にとって、野立て太陽光発電と聞いても何が良いのか、悪いのか分からないことが多数あります。また、そもそも野立て太陽光発電を始める上で、何をすればいいのかも不明瞭な方もいるでしょう。

そんな野立て太陽光発電を始める前に悩んでいる方へ向けて、メリットとデメリット、そして3つのリスクについて説明していきます。今回の記事を読めば、野立て太陽光発電を始めるべきか改めて考える良い機会になります。

住宅用太陽光発電を選ぶか悩んでいる方も、野立て太陽光発電の特徴を把握した上で検討してみましょう。

野立て太陽光発電を始めるメリットとは

ここでは野立て太陽光発電を始める主なメリットを、3点ご紹介していきます。野立て太陽光発電とは、地面に架台と呼ばれる台を設置し、その上に太陽光パネルや周辺機器を載せます。ですから、野立てと呼びます。

野立て太陽光発電を設置するためには、少なくとも250坪程度以上の面積を持つ土地が必要となります。出力10kw以上の設備なため、その分土地の確保もしなければいけません。

だからこそ、売電収入に関するメリットもあります。

出力10kw以上のため売電収入が住宅向けよりも大きい

野立て太陽光発電を始める方の多くは、売電収入を目的としているのではないでしょうか。出力10kw以上の設備を設置するため、50kwの場合ですと年間に100万円以上の売電収入を得ることも可能です。

出力10kw未満の住宅向け太陽光発電の場合は、年間の売電収入が約10万円前後となり、野立て太陽光発電の収入メリットが分かります。

また、野立て太陽光発電は、全量買取方式で売電できますから発電した全ての電気を、売電に回すことができます。住宅用太陽光発電は、消費後に余った電気のみを売電できる場合と比較しますと、野立て太陽光発電の売電収入の得やすさも理解できるでしょう。

20年間は固定買取価格で売電できるため収支計画が安定傾向

野立て太陽光発電は、出力が10kw以上となることが基本ですから、固定価格買取制度の適用条件は住宅用太陽光発電と変わります。住宅用太陽光発電の固定買取期間は10年間に対して、野立て太陽光発電は20年間もの期間、固定買取してもらうことができます。

そのため不動産投資や株式投資よりも、収支計画を立てやすいメリットがあります。また、20年間もの固定買取が適用するため、初期費用の回収も行いやすくローリスクといえるのではないでしょうか。

日々の発電量は、地域ごとの日射量やその日の天気によって変わるため、厳密には売電収入に変動があります。しかし、売電価格が固定であること、20年間という長期間の条件は、売電収入の安定化に大きなメリットとなります。

土地の価格や交通の利便性など関係なく始められる

野立て太陽光発電のメリットには、土地に関する項目があります。太陽光発電と同じく人気のある不動産投資の場合は、都市部や交通の利便性、土地価格などが収益に大きく影響します。従って、地方や人口の少ない土地を保有している方にとって、不利な側面もあります。

しかし、野立て太陽光発電の場合は、影になる障害物や日当たり良好であれば土地に関する条件は少ないです。

また、土地を購入する場合、日当たり関係の条件が同じであれば、田舎などの広く安い土地の方が売電収入のメリットが大きいでしょう。初期費用コストが小さく、発電量が同じ土地の方が得だからです。

野立て太陽光発電を始めるデメリットとは

野立て太陽光発電はメリットばかりではありません。デメリットもありますから、客観的な視点で野立て太陽光発電について調べることが大切です。

そこで、ここでは野立て太陽光発電のデメリットについて、いくつかご紹介していきます。デメリットのポイントは、資金コストと流動性の低さ、制度に関する課題が挙げられます。

これらのポイントを意識しながら、野立て太陽光発電について検討してみるのがおすすめです。

固定価格買取制度の課題が野立て太陽光発電にも関係がある

野立て太陽光発電自体のデメリットではありませんが、関連する制度の影響を受ける可能性があります。それは、固定価格買取制度の課題です。

固定価格買取制度は、再生可能エネルギーの普及促進のために設けられた制度ですが、太陽光発電を含む売電価格と期間終了後がデメリットになっています。

2019年時点で出力10kw以上の野立て太陽光発電も、売電価格が下落傾向となっており売電収入に影響を与えています。また、20年間の固定買取期間終了後の、売電権利や売電価格についても定まっていません。
ですから、21年後の運用に関して、大きな方針転換など工夫が必要となるでしょう。

固定価格買取制度は以下の記事で詳しく解説しています
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野立て太陽光発電は初期費用が1500万前後掛かる

野立て太陽光発電のデメリットは、初期費用コストが高いことにあります。住宅用太陽光発電の場合は、300万円前後で導入できますが野立て太陽光発電は更に掛かります。

野立て太陽光発電は、1500万円から2000万円前後の初期費用が必要となるため、自己資金では難しい側面があります。ですから、一般的に融資を受けます。

また、フルローンを活用すれば、初期費用を0にできますが、毎月の返済負担を考慮しなければいけません。

野立て太陽光発電に含まれる3つのリスクとは

ここでは、野立て太陽光発電に含まれる3つのリスクをご紹介します。野立て太陽光発電に含まれるリスクとしては、

野立て太陽光発電に関する融資の2基目以降は難しい

野立て太陽光発電の初期費用は、1500万円前後と住宅の購入金額並みに高いです。ですから、一般的に融資を申し込むことになります。そして、野立て太陽光発電の設置する際、2基目や3基目も可能なため、追加で融資を検討するケースもあるでしょう。

しかし、野立て太陽光発電において、2基目以降の融資は難しい状況となっています。その理由としては、担保と頭金の準備が難しいからです。

1基目の返済や生活費のために、頭金が不足しているケースもあります。更に、融資を受ける際には担保が必要となるため、自宅を使用していた場合は別に用意しなければいけません。

このように、2基目以降の融資には様々なハードルがあるため、勢いで進めてしまうと思わぬリスクに遭う可能性があります。

初期費用と維持管理費用の負担や管理リスク

野立て太陽光発電は初期費用が高く、定期メンテナンス等の維持管理費用が毎年必要となります。従って、売電収入や自己資金から捻出しなければいけない、費用と管理リスクについても知っておきましょう。

多くの方は、20年間の固定買取制度に注目し、売電収入が長期的に確保できる点を意識しがちです。しかし、初期費用の回収が完了するまでは、維持管理をし続けなければ赤字になってしまうリスクもあります。

ですから、販売店とメンテナンス契約を行い、定期的な点検や補修等を受けられる土台を作りましょう。

メンテナンス料金は以下の記事で解説しています
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自然災害に伴う破損や故障リスク

リスクについて考える時は、自然災害も含める必要があります。2018年は台風が本州に直撃することが多く、太陽光発電設備が飛ばされることや破損など、災害リスクが実際に起きた年でもありました。

台風や雨、風などは、野立て太陽光発電にとって冠水によるショート、物が直撃して破損や飛ばされるなど、様々なリスクが考えられます。また、破損した太陽光発電は、稼働できず廃棄処分しなければいけないケースもあり、経済的負担も大きいです。

そのため、保険会社が販売している、自然災害補償に加入することが必須です。

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野立て太陽光発電の費用負担などもよく考えてから決めることが大切

野立て太陽光発電は、住宅用太陽光発電と比較して売電収入が大きく、全量買取や20年間の固定買取など、メリットが多いです。

しかし、一方で初期費用が1500万円などの高額負担となる点や、融資の審査に関する難しさなどのデメリットやリスクがあるのも事実です。

ですから、野立て太陽光発電を始める前に、資金計画を綿密に立てることや融資に伴う担保の手立て、初期費用回収の期間など様々な対策が必要です。

メリットとリスクを理解した上で、始められるめどが付いている場合は、見積もり会社などを通し、野立て太陽光発電の準備をしてみてはいかがですか。