自己資金がない方にとって、太陽光発電を行う上で必要不可欠なものが融資(ローン)です。
規模が大きくなればなるほど融資の額も大きくなります。
太陽光発電で受けられる融資には銀行融資・日本政策金融公庫・信販会社があり、融資を受ける前にしっかりと準備をしておけば融資を受けることはそう難しいことではありません。
この記事では、それぞれの金融機関の特徴や金利、さらには個人法人問わず審査通過に通りやすくするためのポイントまで解説します。
また現金払いよりも融資を受けることで得られるメリットを紹介します。
太陽光発電投資で受けられる融資(ローン)は3種類
太陽光発電投資で受けられる融資は、銀行・政策金融公庫・信販会社の3つになります。それぞれの特徴とメリットデメリットについて解説していきます!
銀行
- 金利が低い
- 担保があれば融資が通りやすい
- 審査がやや厳しい
- 審査期間が長い
- 個人向けに融資を行っていない銀行も多い(メガバンクなど)
- 太陽光発電の融資をためらう銀行もある
銀行融資は、金利が1.5~2.3%と比較的金利が低いため、融資先として人気です。審査基準も政策金融公庫と比べるとやや易しく、太陽光発電設備以外に土地や不動産などを追加で担保できる場合は審査が通りやすいことがあります。
ただ注意点として、個人向けの融資を行っていない銀行も多くあります。
特にメガバンクなどでは個人向けに融資を行っていません。そのため、個人で銀行からの融資を検討する際は地方銀行を検討しましょう。
地方銀行の中には個人の太陽光発電投資への融資を積極的に行っている店舗もあります。
具体的には、
- 千葉銀行
- 常陽銀行
- 武蔵野銀行
これらの銀行があげられます。
ただし、太陽光発電設備が設置されている土地からこれらの銀行の支店が離れすぎていると融資を受けられない可能性があります。
これは銀行の担当者が融資を行う前に実際に現地の設備を確認するためです。そのため、設備の場所なども考慮に入れて銀行の融資を検討するようにしましょう。
政策金融公庫
- 金利が特に安い
- 審査が厳しい
- 手続きが複雑で時間がかかる
金利が1%台から金融機関の中では1番金利の低い政策金融公庫。とにかく金利を抑えて売電による利益を最大化したい方におすすめです。
ただし、金利が低い分審査も複雑。
事業の計画書などの提出や入念な太陽光発電の事業計画が必要で、審査基準も厳しい点がデメリットと言えます。そうは言ってもこの金利の低さは魅力的です。一度話だけでも聞きにい行くのもいいでしょう。
信販業者
- 審査が易しい
- 審査期間が短い
- 金利が高い
- 施工業者と提携していないと利用できない
そもそも信販会社とはクレジットの取引を行っている企業のことを指します。この信販会社の最大の特徴は審査の易しさ。
手続きも銀行や政策金融公庫と比べて簡単で、施工業者や仲介業者に手続きのほとんどを任せることができるので負担が少ないこともメリットです。
手続きから審査が通るまでの期間も比較的短いので、多くの太陽光発電投資家が融資を利用しています。
ただし、他の2つと比べると金利が高めなので注意が必要です。また、信販会社の場合は、太陽光発電の施工業者と提携している信販会社以外は使えません。
つまり、提携のない施工業者で太陽光発電の設備を買おうと思っても信販会社からの融資を受けることはできません。そのため、施工業者との提携があるかあらかじめ確認することが大切です。
また、信販から融資を受ける場合担保は必要ありませんが、その分万が一返済ができなくなったときにすぐに物件が差し押さえられてしまう可能性があるということを覚えておいてください。
通常、太陽光発電は毎月コンスタントに売電収入を得られるため、返済が滞るリスクはかなり低いので、そこまで心配する必要はありません。
太陽光投資は、国が定めた制度のもと運用するリスクの少ない投資方法です。
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銀行・日本政策金融金庫・信販会社の金利と審査基準を比較
金利が1番低いものは政策金融公庫になります。
これだけ見ると「金利が安い方が絶対にいい!」と思われるかもしれませんが、審査基準が厳しいといったデメリットも存在します。
金利 | 審査基準 | 審査期間 | |
銀行 | 1.5~2.3% | やや厳しい | 1ヶ月以上 |
政策金融公庫 | 1~2% | 厳しい | 約3週間 |
信販会社 | 2.3~2.7% | 易しい | 即日〜3日以内 |
融資をどこで受けるかは、仲介業者や販売業者に確認するのが一番です。
審査通過のために必要な5つのコツ
3つの融資について解説しましたが、どの融資にも必ず必要なのが、融資するかどうかを判断する審査です。審査はそれぞれで難易度が異なりますが、落ちないように最善を尽くすことが大切です。ここからは太陽光発電投資の融資審査をクリアするためのポイントをご紹介します。
①太陽光発電についての知識を蓄える
太陽光発電投資は、太陽光発電についてあまり詳しくなかったり、投資初心者であっても簡単に始めることができます。
しかし、どのような仕組みで太陽光発電投資が成り立っているのかという基本的な知識は理解しておいたほうがいいです。
様々な手続きや担保を確保しても、最終的に融資を決めるのは金融機関の担当者の判断になります。つまり、担当者を納得させることが1番大切なのです。
そのためには緻密な事業計画書の作成や、直接担当者に説明して、太陽光発電投資について理解をしてもらう必要があります。太陽光発電投資の事業としての正当性を担当者が理解しないと、融資がおりることはまずありません。
まずは担当者に太陽光発電投資を理解していただけるように、自分が知識を蓄えることが重要です。
そして、十分な知識を蓄えたら提出する事業計画書を作成しましょう。
ポイントとしては、最低限自分の言葉で相手に伝わるように書く必要があります。どこかで借りてきたフォーマットに記入しただけの事業計画書では、銀行の融資担当者に熱意が伝わりませんし、信頼性が低くなります。
事業計画書の内容は、
- どんな目的で太陽光発電を設置するのか?
- 太陽光発電を行うことでどのような社会的貢献ができるのか?
- 融資受けて始める太陽光発電にどのような利益が生まれるのか?
など、考えられる疑問や質問を、自分の言葉で納得させる文章を記述します。
また、利益・数字に関する部分は、特に細かく記述することが大切です。毎月太陽光発電でどれだけの売電収入があり、設備のメンテナンスや維持費にどれくらいかかるのか。その収支を1円単位で記述します。
それだけでなく現実的な数値で計算することが非常に大切です。
太陽光発電を運用する利用者にとって、都合の良い数字を並べても、銀行の担当者やその上司などはすぐに見抜きますし、融資を断る理由になってしまうので注意しましょう。
ただし、かといって収益率が低すぎる見積もりも、事業の安定性に疑念を生じさせる原因となります。他の太陽光発電の事例を参考にして、基準から少々低く見積もるのがポイントです。
②借り入れが他にない
融資を申し込む時点で、他に借り入れがある場合は融資を受けづらいです。
これは太陽光発電に限ったことではありませんが、あまりにも多数の借り入れがある場合は融資を断られるケースもあります。
③自己資金をいくら用意できるか
まず担保や事業計画など関係なく、自己資金率を明らかにすることが必要不可欠です。
それぞれの融資を行う団体にとって、1番重要なものは
という点です。
従って、透明性や信頼性を高める為にも、まずは自己資金や親族から借りられる資金を明確にして、不足分を明らかにすることが大切です。つまり、融資を受けなければいけない資金量を、自身で把握することで担当者へ提案する際に矛盾なく説明ができます。
また、自己資金率が0%、つまり自己資金(貯金)がない方でも、信販会社の審査を通過した例はたくさんあるので、自己資金がないからと言って諦める必要はありません!
まず、担保や事業計画など関係なく、自己資金率を明らかにすることが必要不可欠です。
④年収が高い
当然、年収が高い方は融資に通りやすいです。
だからと言って、年収が低いから融資が受けられないというわけではありません。先ほども説明しましたが、年収400万円あれば、信販会社から融資を受けることができます。
年収に応じて、融資を受ける金融機関を選べば問題ありません。
⑤不動産など資産価値のあるモノを担保にする
こちらは主に銀行や政策金融公庫から融資を受ける際に重要になる点です。
日本の銀行などでは、融資のお金を返済できなかった時のリスクに備えて、保証として他の資産価値のあるものを担保として求めます。これは、裏を返せば担保となる資産を保有していれば、融資の審査が通りやすくなるということ。
しかし、この担保とする資産は必要な資金と同等のものでなければいけないので注意が必要です。
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初期費用の回収にかかる期間【現金払いと融資を受ける場合】
早速ですが、融資を受けた場合と現金で太陽光発電を一括で購入すると、回収期間にどのくらいの差が生じるかシミュレーションしてみます。
<シミュレーションの条件>
・場所:長野県
・初期費用(土地代込み):2,000万円
・システム容量:88kW
・年平均日射量:3.95kWh/m2/日
・年間発電量:約127,000kWh
・売電価格:14円(2019年度の売電価格)
・1年間の売電収入:約178万円
(メンテナンスや経年劣化による発電量の低下は考慮しません)
■現金一括払いの場合
2,000万円 ÷ 178万円 = 約11年
11年間で初期費用の回収が終わります。
■信販会社から融資を年利2.3%・15年間で受ける場合
利息は約360万円となるので、初期費用の総額は2,360万円です。つまり、
2,360万円 ÷ 178万円 = 約13年
初期費用の回収には13年間かかります。
ローンを受けた場合は現金払いよりも初期費用の返済にかかる期間が2年長くなるので、それに伴い総収益も350万円ほどの差が生じます。
しかし、融資を受けたとしても、フルローンにも関わらず総額1,200万円の利益が出ると考えれば、「融資を受けても儲かる」と言えますよね。
それでは、融資が受けられる金融機関やメリット・デメリットについて確認していきましょう。
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太陽光発電の購入は現金払いよりも融資を受けた方がお得?!
太陽光発電投資を始める際に、考えなければならないのは購入資金の準備方法です。
もちろん、現金で支払えるのであればそれでもいいですが、太陽光発電を現金で購入するのは、正直あまりおすすめしません……。
現金ではなく融資を受けた方が良い理由には、
- 手元に現金を残せる
- ローンを組んでも初期費用の回収ができ、利益も出せる
- 融資の方がレバレッジが効く上にスケールメリットが大きくなる
これらの理由があります。
①手元に現金を残せる
太陽光発電を購入するための費用は、1,000〜2,000万円程度だと言われています。
現金があるからといって、一気にこの額の現金が手元からなくなるというのは不安だと思います。何かあった時に現金があるほうが安心ですからね。
融資を受ければ、現金に手をつけずに太陽光発電を購入することができます。
②ローンを組んでも初期費用の回収ができ、利益も出せる
太陽光発電の場合、現金に手をつけなくてもフルローンで利益が出ます。金利を考慮しても初期費用を回収することができて、収益があるのはかなり大きなメリットですよね。
③融資の方がレバレッジが効く上にスケールメリットが大きくなる
太陽光発電投資を始めた方の中には、太陽光発電の魅力にハマり、2基目の発電所の購入を考えるケースが多いです。
その際、1基目を現金で購入し、手元に現金がないと融資を受けづらくなります。(必ずしも融資に通らなくなるというわけではありませんよ)
一方で手元に現金があれば、融資に通りやすくなるということです。
いまは、1基しか考えていないという方でも、太陽光発電投資を始めてから「太陽光発電をもっと買いたい!」と思ったときに融資を受けられないのはもったいないです。
手元に現金が残っていれば、2基目どころか3〜5基目の太陽光発電を購入することもできます!
太陽光発電をいくつか所有すれば、その分利益も増えるのでいいことづくしです。
融資を受けるにはこのような3つのメリットがあります。一方、現金のメリットは利子なしで購入できることです。
また、太陽光発電投資は年収400〜500万円程度のサラリーマンや公務員にも人気の投資方法で、年収400〜500万円あれば、貯金が0円でも融資を受けられます。
参考程度ですが、年収500万円の場合、融資額は約2,000万円と言われています。つまり、年収の4倍程度の融資を受けることができるということです。
仮に2,000万円の融資審査に通れば、システム出力約50〜90kWの太陽光発電所が購入できるので、その分収益もグッと多くなります。
できるだけ金利を抑えるためにはソーラーローンを活用する
ソーラーローンは、太陽光発電を購入する際に借りられる比較的金利の低いローンです。以下のような特徴があります。
- 一般的なローンより低金利
- 長期の返済期間を設定できる
- 頭金0円での借り入れも可能
- 保証人が不要な場合が多い
ソーラーローンの金利は、住宅ローンほどではありませんが、一般的なローンよりも低く設定されています。また、15~20年の長期ローンを設定できるプランもあり、FIT期間での返済を考えることができます。
太陽光発電の設備が担保となるため、保証料や保証人が不要な金融機関がほとんどです。プランによっては頭金0円での借り入れもできるので、初期費用を抑えたい方は、ぜひ検討してみてください!
まとめ:太陽光発電の融資には適切な金融機関選びが大切
太陽光発電は、現金よりも融資を受けて始めるほうがメリットが大きいです。
融資というと、「お金がないから借りる」というマイナスのイメージを持つ方も多いかもしれませんが、融資を受けられるのは信頼されている証拠であったり、今後の投資に生かすことができたりと、むしろポジティブな方法なのです。
太陽光発電の融資には3つの金融機関から融資を選ぶことができ、それぞれにメリットとデメリットがありますが、
- とにかく金利を低くしたい→政策金融公庫、銀行
- 融資の通りやすさ、簡単さを優先したい→信販会社
大きくわけるとこの2つのパターンです。金利を優先するのか、もしくは融資の通りやすさや手続きの楽さを優先するのかを考えた上でどの金融機関で融資を受けるかを検討しましょう。
太陽光発電は、1基だけでも十分なメリットが得られます。
しかし、現金を手元に残したままフルローンで利益が出ると考えれば、2基目・3基目とどんどん発電所の所有数を増やしていくことで、簡単により多くの利益を得ることができます。
この機会に賢く融資を利用して、太陽光発電でラクに投資を始めましょう!