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メガソーラーはビジネス・投資として儲かるのか?環境破壊問題と失敗する可能性

投資やビジネスの一貫として注目を集めているメガソーラー。

太陽光発電とメガソーラーの圧倒的な違いは、規模の大きさと利益です。メガソーラーには設置費用のコストの安さや、国の制度を利用して安定した売電収入が見込めるなど、ローリスク・ローリターンだと注目されている一方、環境破壊や売電価格の低下といった問題点が指摘されています。

この記事では、メガソーラーがビジネスとしてどのくらい有益なものなのかや問題点を解説していきます!

メガソーラーとは?発電の仕組み

メガソーラーと普通の太陽光発電の違いは出力規模にあります。具体的には、1,000kW以上の出力能力を持つ太陽光発電設備のことをメガソーラーと言います。

1,000kW以上の出力を要するソーラーパネルが並べられている土地面積を想像してもイメージしにくいですが、分かりやすい例えとして野球場やサッカーグラウンドの約2倍の敷地面積と考えれば想像しやすいかもいしれませんね。

ちなみに、1,000kWhのソーラーパネルを並べるためには2ヘクタール(2万㎡)ほどの土地面積が必要です。

近頃では、地球温暖化への関心の高まりに伴う再生可能エネルギーへの注目や、ゴルフ場などの使用用途がない土地の有効活用法としてメガソーラーの設置が広がっています。

メガソーラーの発電の仕組みは、一般的な太陽光パネルの発電の仕組みと変わりません。

太陽光パネルの太陽電池に光エネルギーが当たることによって、太陽電池を構成する半導体の電子が移動し、その電子の運動によって発電が行われます。

メガソーラーの問題点・デメリット

メガソーラーのデメリット・問題点について解説していきます。

①高圧連系の契約に関するコストが必要

メガソーラーのような大規模発電の場合、管轄している電力会社などと高圧連係という契約を結ばなくてはなりません。

また、高圧連係の契約にはキュービクル(高圧受電設備)という設備も必要になるので、この設置費用として発電容量100kWあたり100万円~150万円のコストがかかります

また、電気主任技術者を置いて定期的に保守点検を行うことが義務付けられているので、年間50万円から100万円ほどのコストが上乗せされます。

さらに、高圧連係の契約にも20万円ほどの設置協議費や手数料などといったコストが必要になってきますので、メガソーラーに関する支出は事前に確認しておく必要があるのです。

災害による被害・土砂崩れの可能性

メガソーラーは太陽からの光エネルギーによって発電します。そのため、光エネルギーを十分に吸収するために野外にそのまま設置されている場合がほとんどです。

そのため、台風や地震といった突発的な自然災害の被害にとても弱く、保証などに入る必要性があると言えます。

③固定買取価格制度(FIT)の見直し・FIP制度への移行

メリットの章で、固定買取価格があるため安定した収益が見込めると記載しましたが、この固定買取価格制度には注意が必要です。

固定買取制度は定期的に見直しが行われ、買取価格は年々下落しています。2014年には32円であった買取価格も、2023年ではなんと9.5円〜10円となるなど3分の1程度に下落しています。今後もこの固定価格は下落して行くことが予想され、最終的には制度そのものもなくなる可能性すらあります。

実際に2022年4月より、FIT制度はFIP制度に移行しました。

FIP制度(フィードインプレミアム)は1kWhあたりを固定価格で買い取るのではなく、再生可能エネルギーの導入を促すために、再生可能エネルギーの発電事業者が卸市場で売電した際に、基準の売電価格に対して一定価格のプレミアム(補助額)を上乗せすることを定めた制度です。

FIT制度とFIP制度のしくみをそれぞれグラフで示しています。

(画像引用:再エネを日本の主力エネルギーに!「FIP制度」が2022年4月スタート|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁

FIP制度では、「基準価格(FIP価格)」と「参考価格」が定められています。

基準価格は、再エネで発電した電気を家庭や企業などに供給する際に必要な費用を基準に設定されています。

また、参考価格は、市場取引で発電事業者が期待できる収入のことで、市場価格に連動して1ヶ月単位で見直しされます。

基準価格、参照価格とプレミアム単価の関係を図であらわしています。参照価格は1か月ごとに更新されるため、それにともなってプレミアム単価も変動しています。

(画像引用:再エネを日本の主力エネルギーに!「FIP制度」が2022年4月スタート|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁

そして、基準価格と参考価格の差がプレミアム(補助額)として再エネ発電事業者の売電収入にプラスされます。プレミアムも参考価格と同様に1ヶ月ごとに見直されます。

FIP制度に移行することで、再生可能エネルギーを始める動機付けにもなるため投資する企業のメリットが大きくなることが特徴です。

④電力会社との高圧連係の兼ね合い

以前、九州電力が完成したばかりのメガソーラー発電所の電気を購入しない(電力の買い取りを抑制する)というニュースが話題になりました。発電及び売電収入を目的とする事業者にとっては、非常にデメリットとなります。

メガソーラー発電所も、このような事態に陥らないために、電力会社との連系が大変重要になってきます。

多くの電力会社で24時間連続して発電し続ける発電所の電気を優先的に購入する方針になっているので、電気が余った状態で後回しにされるとメガソーラーにとって抑制という形でしわよせがきてしまうのです。

特にメガソーラー含む太陽光発電は、太陽が出ている昼間だけの発電という制約があるため、火力発電所や原子力発電所などのように24時間発電して送電し続けることは不可能です。従って、抑制される可能性があります。

対策としては、メガソーラー発電所を設置する場合、電力会社との高圧連係を行うことはもちろんのこと、電気が余ってしまうような状況が起こらないように、施工会社や収支バランスの計算を行う業者と綿密な打ち合わせが必要になってきます。

⑤環境破壊・自然破壊

メガソーラーを設置するためには、広大な面積が必要になります。

ゴルフ場などの跡地を利用してメガソーラーを建設することも多いのですが、場合によっては森林を伐採して土地を整地しなければならない場合もあります。

となると、問題視されるのが環境破壊についてです。

こちらに関してはかなり難しい問題で、このまま石炭や石油などを燃やして発電する火力発電を継続しても地球温暖化などの環境破壊問題は付きまといます。

どちらかといえば、これからの地球を守るためには、有害物質を発生する火力発電を一刻も早くやめて、再生可能エネルギーを用いた発電をしていくことの方がいいのではないか、という考えです。

火力発電に用いる燃料は、やがては枯渇していくエネルギーなので、どちらにせよ再生可能エネルギーを普及させておかないと将来発電できない環境になってしまうことは間違いありません。

(参考記事:メガソーラーは環境破壊につながる?問題点・課題と企業の導入事例

太陽光投資・ビジネスとして注目を集めるメガソーラーのメリット

冒頭でも触れた通り、メガソーラーとは1,000kW以上の出力を持つ、大規模な太陽光発電設備です。そのため、資金面や土地確保の問題などもあり、個人ではなく企業が導入することが一般的です

企業内で使う電気や、電気の小売り事業のために導入する企業もありますが、投資の一環としても注目を集めているんです。先ほど説明したようにデメリットや問題点があるメガソーラーですが、一方で所有者にとっては嬉しいメリットもあります。

具体的にメガソーラーで投資を行うとどんなメリットがあるのかを解説していきます。

①高い売電収益

メガソーラーとは1,000kW以上の出力を持つ、大規模な発電設備です。このように大規模なため、その発電量も豊富で、高い売電収益を期待することができます。

特別高圧とも言われるメガソーラーの売電価格は入札制度で決まります。

②初期費用が安い

太陽光発電の特徴として、設備が大けれは大きいほど、初期費用が安くなるという点があります。つまり、住宅用の太陽光発電などと比べて規模の大きいメガソーラーは、その分だけ初期費用を安くすませることができます。

初期費用を安くできることによって、初期投資回収も早い段階で見込めることができるので、投資のリスクも少なくなります

③税金・節税対策

メガソーラーのような売電収入が目的(投資目的)の太陽光発電の場合、減価償却や消費税還付などの節税対策を利用することができます。減価償却とは簡単にいうと、経年劣化によって下がるメガソーラーの価値の分だけ、毎年一定額を経費として計上できる制度です。

この減価償却以外にも、特別償却税額控除が適用される場合もあるなど、メガソーラーを導入することで節税対策になります。

④企業のイメージUP

メガソーラーは二酸化炭素を排出しない、再生可能エネルギーです。二酸化炭素の増加による地球温温暖化問題などが深刻化する現代において、この再生可能エネルギーというクリーンなエネルギー事業を行なっていることは企業のイメージUPにも繋がります

TCFDへの賛同や非化石証書など、企業が環境問題に対してどういった取り組みをしているかが株価や企業イメージに影響することが明確になっている今、多くの企業で太陽光発電をはじめとする再生可能エネエルギーへの投資を進めています。

国内のメガソーラーの事例・実績

メガソーラーには主に陸上、屋根、水上の3つの設置場所があります。ここではそれぞれの設置場所の事例をご紹介していきます。

【陸上】扇島太陽光発電所

陸上の事例としては、東京電力が導入した扇島太陽光発電所があります。神奈川県の川崎市に設置されたメガソーラーで最大出力は13,000kWとなっています。

こちらのメガソーラーだけで、年間に約1,370万kWhの発電が可能。仮に、一般的な4人家族の年間電力消費量が5,000kWhだと仮定すると、2,700世帯以上の電力を補うことができる計算になります。

【屋根】不二サッシ株式会社 千葉事業所

こちらは工場の屋上にメガソーラーを導入して事例となります。1,375kWの発電量を誇り、一般家庭360戸分の電力を発電することが可能です。

屋根にメガソーラーを設置する場合、耐久性などの問題から設置ができないケースもありますが、不二サッシ株式会社では屋根の改修工事のタイミングでメガソーラーを導入。太陽光発電による利益から、屋根の改修費負担を最小限に抑えることに成功しています。

【水上】ソーラーオンザウォーター桶川

韓国の技術を利用して設置された、日本初の水上メガソーラーになります。こちらのパネルは完全浮体構造をとっており、水位の変化にも対応することが可能。

発電出力は1,180kWで、一般家庭400世帯分の電力を発電することが可能です。

メガソーラーに関するよくある質問

ここではメガソーラーに関するよくある質問を取り上げ、解説していきます。

メガソーラーと太陽光発電の違いはなんですか?

メガソーラーと太陽光発電は、発電の方法に違いはなく、発電量の規模の大きさに違いがあります。

住宅用太陽光発電は10kW未満ですが、メガソーラーは1メガワット(1,000kW以上)の発電容量があります。

メガソーラーの欠点はありますか?

メガソーラーの欠点には、

  • 初期費用が高額
  • 高圧連系の契約に関するコストが必要
  • パネルを設置するために場合によっては森林を伐採する

などが挙げられます。

規模が大きくなる分、初期費用や安全を保つためにコストがかかります。

メガソーラーは、電気主任技術者を置いて定期的に保守点検を行うことが義務付けられていることもあり、ランニングコストも一般的な太陽光発電所よりも高くなります。

メガソーラーの寿命はどのくらいですか?

一般的な太陽光パネルの耐用年数は17年、寿命は30年ほどとされています。

定期的なメンテナンスにより、より長く安全に発電することができます。

メガソーラーの発電量はどのくらいですか?

1メガワットのメガソーラーの場合、発電量は1,000,000kWh以上です。

これは、一般の家庭200世帯の年間の電気使用量を賄える発電量に値します。

メガソーラーの初期費用はいくらかかりますか?

1メガワット以上の太陽光発電を設置するには、1億円以上の費用がかかります。

個人で設置するには、規模・コストともに莫大であるため、基本的には企業が投資目的に設置をするケースが多いです。

まとめ

メガソーラー事業の検討を考えている方の中で、メリットが分からなかった方は今回の記事でメリットや気を付けるべき点について理解できたのではないでしょうか?

原子力発電や火力発電の方が、発電効率が高いので主力発電として用いられていますが、メガソーラーのように、ソーラーパネルの枚数を増やすなどの対策を施せば、1年間の発電で300世帯の電力を賄うことができます。

また、日本では再生可能エネルギーの普及促進に繋がる制度を設けており、メガソーラー含む産業用太陽光発電では20年間固定価格による買取が保証され、安定した売電収入が可能な点が魅力的です。

さらに、メガソーラーの設置によって節税効果があるなど、デメリットを踏まえても導入するだけの価値は大いにあるといえるでしょう。

固定買取価格が年々減少しているという状況もあるので、メガソーラーの導入を考えている事業者の方は、メリットとデメリットをしっかり押さえた上で、施工会社と設計・工事・運用について早めのすり合わせを行うことをおすすめします。

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