※この記事で説明しているのは、中古住宅の太陽光発電ではなく、産業用太陽光発電についてです。
FIT制度による売電価格が下落している現在、中古の太陽光発電所市場が注目を集めています。
しかし、中古だと「なにか設備に不具合があるのでは?」「儲からないから手放したのでは?」と不安に感じる方も多いかと思います。
確かに中古の太陽光発電所は新築のものと比べて発電効率が落ちていたり、FITの適用期間が短いなどデメリットが多いのも事実。
ですが、高い価格で売電収入を得ることができる、初期費用を抑えて購入できる、中古でも減価償却の対象になるなど、デメリットに負けないメリットが盛りだくさんです。今回はそんな中古の太陽光発電所のメリット・デメリット、手続きが必須な名義変更について解説していきます!
税金対策におすすめな減価償却についても触れています。
中古太陽光発電が市場に出回っている理由【なぜ売却されたのか?】
利回りの良い安定した投資である「太陽光発電所を途中で売却したということはなにかトラブルがあったのでは?」と不安に思う方も多いかもしれません。
確かに「設備に問題が…」「予想よりも収益をあげられなかった」などの理由で太陽光発電所を途中売却するオーナーも一部存在します。しかしながら、それ以外にも設備を売却する理由は様々です。
投資用の太陽光発電所を売却する理由としては、急遽現金が必要になったというケースが多い言われています。
投資用の太陽光発電所は立地や最初の初期費用を抑えることによって手堅く利益をあげることが可能です。ただし、太陽光発電所投資で利益をあげるには最低でも10年〜20年はかかるなど、長期的に見積もる必要があります。
そのため、急遽現金が必要になると太陽光発電所による収益を待つことができないので売却という道を選ぶオーナーがいるのです。
また、本業の投資に資金を一本化したいという目的で売却するオーナーも多くいます。
現在コロナウィルスの影響で資金繰りが必要になったという理由で、多くの中古太陽光発電所が売りに出されるようになっているため、良い利回りの掘り出し物件を見つけやすくなっているようです。
さらに、出力制御といい、電気の需要供給バランスを維持するために電力会社が発電した電気の買取を停止することがあります。
これまで実際に出力制御で電気の買取をストップしていたのは九州電力管轄エリアのみだったのですが、今後は東京電力・中部電力・関西電力以外のエリアで出力抑制される可能性がかなり高くなり、これによる売電収益の低下を見込んで物件を売却する方も増えているようです。
(参考:【2022年】中古太陽光発電の売却価格相場|高く売る方法と出力制限の影響は?)
住宅用太陽光発電所の売却理由
住宅用太陽光発電所の売却理由としては転居が大きな割合を占めます。
転居をする場合、オーナーは住宅の太陽光発電所設備をそのままにするか、新しい家に取り付けるか選択することが可能です。ただし、後者の新しい家に取り付けるという選択は、「新しい家の屋根の形に合わない」「設備の取り外しや設置に多額の費用がかかる」などの理由からあまり現実的とは言えません。
そのため、転居の際に太陽光発電所の設備をつけたまま住宅の売却を行うオーナーが多いです。
このように、太陽光発電所を途中売却したからといっても、必ずしも設備のトラブルや問題ではないと言えるでしょう。
中古太陽光発電所(稼働済み太陽光発電所)を購入する2つのデメリット
中古の太陽光発電所には多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。しかし、このデメリットを理解すれば、購入前に対処できますよ。
①太陽光パネルや物件設備が劣化している可能性
中古太陽光発電所の一番のデメリットは設備が経年劣化していたり、汚染されている可能性があるという点です。
太陽光発電所設備は屋外に設置されているため、雨や風が原因で設備が劣化しやすかったり、太陽光パネルが汚染されやすかったりする特徴があります。
設備不良やパネルが汚染していると、発電量が低下するため、売電収入が減ってしまいますよね!
しかし基本的に市場に出回っている太陽光発電所は、前のオーナーによって修理や清掃ができている状態なので、そこまで気にする必要がありません。
購入前に最終のメンテナンス・定期点検の日時や修理内容などを確認するようにしましょう!
また、写真だけでは気づくことのできないパネルの傷や故障、周囲環境を確認できるように購入前には現地調査に行くのが安心です。ただし、実際に現場を訪れることは時間もかかる上、素人では細かい点までチェックをすることが難しいので、業者に頼むのもおすすめです。
②太陽光発電の固定買取期間が短い
売電収入を軸にした運用を始めたい方にとって、固定買取期間の短さがデメリットだと捉えられることも。
中古産業用太陽光発電所の場合、稼働を初めてから20年間が固定価格買取期間となるので、例えば、前オーナーが5年間運用してれば、残りの15年間が固定価格買取期間です。
そのため、15年間では十分な利益がでないと考える方も多いのですが、実際には中古の太陽光発電所設備は、稼働を始めた年の売電価格が適用されます。
つまり、現在の売電価格よりも収益は多くなることがほとんどのため、一概にデメリットとは言えません。
さらに、FIT期間は20年間ですが、太陽光パネルの寿命は25〜30年以上とも言われており、継続して発電・売電することができます。
FIT期間終了後は、売電価格が下がってしまうもののローンも返済できているのでランニングコスト以外は全額収入です。
中古太陽光発電所(稼働済み太陽光発電所)を購入する3つのメリット
中古太陽光発電所には、新規物件に劣らない、もしくはそれ以上のメリットがあります。
ここでは中古太陽光発電所所を購入するメリットをご紹介していきます。
①売電価格(FIT価格)が高い
太陽光発電所によって発電した電気は、固定価格買取制度(FIT)によって20年間一定の金額で売電することが可能です(住宅用の場合は10年間)。
このFIT制度のおかげで太陽光発電所投資は「満室が約束された不動産投資」とも言われていて、20年間にわたって確実に利益を得ることができます。しかし、売電価格は年々下落しており、2014年には32円であった売電価格は、2023年には9.5〜10円(発電容量によって売電価格は異なる)と3分の1程度になっています。
しかも、これまで10kW以上の産業用太陽光発電所は発電したすべての電気を売電することができましたが、2020年度から10kW以上50kW未満の産業用太陽光発電所は余剰売電となり、自家消費をした上で余った電気しか売電できなくなってしまいました。
このような売電価格の下落と売電条件の変更により、新規の太陽光発電所投資でたくさんの儲けを出すことは難しくなりつつあります。
正直、現在の売電価格では、新規の太陽光発電物件で利益を出すことはできない可能性が高いです。
しかし中古の太陽光発電所設備を購入した場合は、その設備を設置した時期の売電価格・条件が適用されるので、新規太陽光発電所に比べて高い売電収入を期待することができます。
仮に、2014年に設置された太陽光発電所所を購入した場合は、32円の売電価格が適用されるということです。そのため、中古の太陽光発電所所の場合は高い売電収入を期待することができます。
太陽光発電のセカンダリーマーケットでは中古太陽光発電のニーズが増えており、仲介業者のサイトに中古太陽光発電が掲載されると、すぐに買い手がつくほどのスピード感なのです。
②収益シュミレーションが立てやすい
発電の実績があるという点も中古の太陽光発電所をおすすめする理由のひとつです。
太陽光発電所を設置する前には、過去の日照データを参照し、あらかじめどのくらいの電気が発電できるのか、どのくらいの収益を見込めるかをシュミレーションで算出できます。しかし、これはあくまで予想なので、必ずしもシュミレーション通りに運用できるとは限りません。
とはいえ、不動産投資や株式投資に比べると太陽光発電投資は収益シミュレーションが正確なのは新規物件も中古物件も変わりありません。
それでも中古太陽光発電所では実際に稼働していた実績があるので、正確なデータを元にシミュレーションすることができるのでズレが生じづらいです。
また、設備にトラブルなどがあった場合などの情報も全て記録されているので、それらの情報を照らしあわせて慎重に判断することができます。
中古太陽光発電を購入する際は、銀行や信販会社から融資を受けるのが一般的なのですが、中古太陽光発電の場合、シミュレーションとの発電量・売電量の差が少ないので融資審査に通りやすいというメリットもあります。
③設備導入費用を抑えることができる
初期費用を抑えることができる点も中古物件のメリットです。太陽光発電所を始める上で一番のネックとなる点がその初期費用の高さです。産業用ともなれば50kw以上の規模のもので1,000〜2,000万円ほどの資金が必要になってくるため、この初期費用の面を危惧して購入に踏みきれない方も多くいます。
一方、中古の太陽光発電設備は新築に比べて費用を抑えることができる上、中古物件で始める場合は、既に設備が設置されているため、設置・購入費用を抑えることができます。
さらに、中古太陽光発電は発電の実績があることからシミュレーションの信ぴょう性が高く、金融機関から融資を受けやすいという利点もあります。
信販会社の場合は、年収が500万円以上あり、信用情報に問題なければ融資を受けられるケースが多いです。
太陽光発電所の融資については以下の記事で詳しく説明しています。
実際、中古の太陽光発電がどのくらいの価格で販売されていて、どのくらいの利回りなのかを知りたいという方は太陽光発電の仲介サイト『SOLSEL』や『タイナビ』などのページを見てみることをおすすめします!
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減価償却は中古太陽光発電所も対象
中古太陽光発電所でも、10kW以上の産業用の場合は減価償却の対象となり、所得として計上できるため、納税額を抑えることができます。
しかし、中古の太陽光発電所は特別償却は対象外となります!
税金対策として、中古太陽光発電所所を導入を検討している場合は、この点に注意しましょう!
中古の太陽光発電所は新規よりも200万円以上儲かる?
中古の太陽光発電所のメリットとデメリットは分かったものの、一番気になるのは「中古の太陽光発電所でも儲かることができるのか?」という点ですよね。
先ほども説明しましたが、中古物件は稼働した年の売電価格が適用されます。新規物件との収益差がどのくらい生まれるのかシミュレーションしていきましょう。
今回は予算を1,500万円として計算していきます。
新築 | 中古 | |
価格 | 1,500万円 | 1,500万円 |
発電量(年間) | 100,000kwh | 60,000kwh |
売電価格 | 9.5円 (2023年FIT価格) | 32円 (2014年FIT価格) |
固定買取期間 | 20年間 | 11年間 |
条件は上の表の通りです。
新築では初期費用のコストが下がっているため、同じ予算でも発電量が40,000kwも大きいの設備が設置できます。ただし、売電価格は中古と比べて半分以下になってしまいます!
上記の条件で計算すると、新築では1年間で95万円、中古では192万円の収益を見込むことができます。
固定価格買取期間を考慮すると、
となります。 固定買取価格期間の差を考慮しても、中古太陽光発電所の方が200万円以上儲かるという結果になります。 もちろん全ての場合で中古の太陽光発電所が得するというわけではありませんが、中古でも十分儲かるということがわかります! 太陽光発電を新しく作るとなると、工事にかかる期間はもちろん売電のための申請や電力会社との契約などやることが盛りだくさんです。 新規で太陽光発電を購入する場合、購入から実際の稼働には下記の図のような手順を踏み、かなりの時間を要します。 しかし、中古の太陽光発電の場合はすでに設備は揃っているので完成を待つ必要はありません。また、申請や契約といった面倒な手続きも必要なく、名義の切り替え後すぐに太陽光発電所を稼働、売電収入を得ることができます。 その際の名義変更は必須事項で、万が一名義変更しなかった場合、売電の権利を失ってしまう可能性もあるので、忘れずに完了させましょう。 しかし、名義変更の手続きは面倒なものが多く、素人だとわかりづらい部分も多いです。 ただ、中古太陽光発電所を仲介会社で購入すると、必要な手続きをすべてサポートしてくれるので、面倒な作業や間違いもないので安心です。 初期費用を抑えて導入したい場合や、新規設置の手間を省きたい場合は、中古太陽光発電所がおすすめです。また、点検費用や劣化による修繕はデメリットとなってしまいますが、初期費用と比較するとそこまでコストがかかるわけではないのでメリットの方が大きいです。 さらに2020年にはFITの価格が12〜13円ととても低価格となりました。今後も価格は下落することが予想されるので、これから太陽光発電所を購入する方は中古物件も視野にいれて考えてみましょう。 中古太陽光発電所の購入を検討している方は、中古太陽光の取り扱い実績No1を誇り、購入に必要な手続きをマルッとお任せ可能な仲介業者『SOLSEL』がおすすめです! 気になる方はぜひお問い合わせしてみてくださいね!【名義変更は必須】中古太陽光発電所の購入手続き
まとめ:これからの太陽光発電所は中古が狙い目!