農地転用で太陽光発電を設置するために気をつける5つのこと

土地を保有している方の中には、親などから農地を引き継いだケースや農業を行っていたが、業種を変えて農地を使用しなくなったケースがあるでしょう。そして、農地が放置状態となっているため、農地転用で土地活用を検討する場合もあります。

農地以外の土地活用でしたら、特別な許可を得ずとも何かしら建物を設置できますが、農地転用の場合は許可が必要となります。また、太陽光発電を設置する場合も同様に、農地転用の許可を通した後に、設置工事を進めます。

そこで今回は、農地転用で太陽光発電を検討している方へ向けて、農地転用時に気を付けるべき5つのポイントと、農地から太陽光発電に切り替えるメリットをご紹介していきます。

農地転用自体、あまり一般的な手続きではないため、初めて行う方にとって何に気を付ければいいか分からない点が多いです。ですから、今回の記事を参考に、農地転用手続きと太陽光発電を考えてみてはいかがでしょうか。

農地転用で太陽光発電を始める場合に気を付けるべき3点

農地転用とは、田んぼや畑など国が農地専用の土地として定められていた所を、所定の手続きと許可を経て住宅や不動産、太陽光発電など別の用途に用いることを指します。

ですから、一般的な土地と違い農地の場合は、国の許可なしに農地以外の用途として建物を建てることや、農地の上で事業展開することはできません。また、農地転用を行い、太陽光発電を始める場合は、いくつか注意点やデメリットがあります。

そこで農地転用で、太陽光発電を始める場合に気を付けること3つのポイントを説明していきます。

近くに田畑がある場合は光害になる可能性がある

農地転用を行い、太陽光発電を始める場合に気を付けるポイントの1つは、光害に注意することです。農地として利用していた土地の中には、元農地の周囲に農地として使用している場所や、他人の農地が隣にあるケースもあります。

従って、事前に調査や確認等をとらず、太陽光発電を設置してしまうと、太陽光パネルから反射した強い光が作物などに悪影響を及ぼす可能性があります。弱い光であれば、農地で育てている作物に影響は与えませんが、太陽光パネルとなると反射する光も非常に強いです。

必ず悪影響となるかは、状況によって変わります。しかし、光の増加によって、光の当たる作物や周辺の温度が上がるなど、生育環境に関係するでしょう。

また、作物だけでなく太陽光発電設備の近くに、近所の家や施設がありますと反射した光がまぶしくて生活の邪魔になるリスクもあります。また、周辺農地の生産状況の確認や審査を定期的に受けることや、報告を行わなくてはいけません。

人口が少なく周辺に人や建物がなければ、影響を考慮する必要はありませんが、住宅が隣接してる場合や、使用している農地がある場合は事前に確認しましょう。

農地転用に太陽光発電を行う前に造成工事が必要

農地転用から太陽光発電を始める場合は、書面による許可手続きだけでなく造成工事も必要となります。造成工事とは、業者等が指定の土地を整理したり、土留め工事を行ったりすることを指します。

今回の場合は、農地だった所に太陽光発電を設置します。このままですと、柔らかい土地に架台や基礎を載せても安定しませんし、万が一台風や強風が直撃した時に飛ばされる危険性もあります。ですから造成工事にて、土をまるごと入れ替えて安定した地盤を作ります。

また、農地が水田の場合ですと、特に地盤が柔らかいため架台の設置はできません。

造成工事は必要となりますが、問題は費用です。一概に決まっていませんが、数100万円掛かる事例もあります。農地転用を行うだけでも、手間と費用が掛かることを覚えておきましょう。

農地法に違反した場合は罰則がある

農地転用を行う際は、必ず所定の手続きを進めて国から許可を得る必要があります。決められたルールを守るのは当たり前です。しかし、農地転用の手続きに手間が掛かる側面もあるため、面倒と感じるでしょう。

だからといって、農地転用の許可を得ず、勝手に造成工事と太陽光発電設置を行いますと罰則を受けることになります。

また、罰則については農業委員会の命令に従わない場合、行政代執行によって施設の解体などが行われますから、農地転用を希望する場合は必ず認可手続きを行いましょう。

農業と太陽光発電の両立は難しい側面もある

農地転用の中には、農家として農地を一定規模残しつつ、太陽光発電事業を始めるケースもあります。従って、農地の近くに産業用太陽光発電設備を、設置している方式となるでしょう。

しかし、農地と太陽光発電設備の距離が近いと、作物に届くはずの日射量が減少するリスクがあります。また、太陽光パネルの反射光によって、一部の作物や農地は温度が上昇することもあるため、農地の中で太陽光発電事業と農業を両立させることには課題が残されています。

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太陽光発電設備の架台を農地に対応させるため費用が高くなる傾向がある

造成工事によって柔らかい土を入れ替え、太陽光発電設備を設置できるように土地を整備したとします。しかし、それでも通常の設備と同じタイプを、農地に載せることは難しい場合があります。

ですから、農地転用を行った場所で太陽光発電設備を設置する際は、架台の高さを一定に保ちつつ、材質を変えて重量や耐久性を調整する必要が出てきます。

耐久性を変えずに軽量化させようとしますと、その分特注となり費用に上乗せします。従って、通常の土地に設置するよりも、初期費用がかさむリスクも考慮しなくてはいけません。

農地転用で太陽光発電を始めるメリットとは

農地転用した土地で、太陽光発電事業を始めることは、リスクやデメリットだけではありません。地盤は柔らかいため架台の調整が必要ですし、周辺環境への配慮も行わなくてはいけません。

しかし、メリットもありますから、中立的な視点で農地転用から太陽光発電を始めるかどうかを検討してみてください。

農地だったため日照など発電しやすい環境

太陽光発電の収入に影響を与える要素は、日当たりと日射量・時間です。その点、農地ですと日当たりが比較的良い場所と分かっているため、売電収入のめども立つでしょう。ですから、土地付き太陽光発電で物件を探すよりも、手間が少なく済むメリットがあります。

また、農地ですと周辺に障害物が少ないため、太陽光パネルの設置枚数や容量も大きくすることが可能です。ですから、住宅や事業所の屋根に取り付けるよりも、より大きな発電量が期待できます。

太陽光発電の発電量は日照時間や日陰など気候条件が発電量を左右する

耕作放棄地を活用できる

農地を別の目的に使用することは、農業に活用できる土地を減らすため農地転用という許可制にしている背景があります。また、日本では食料自給率が低いため、農地を減らす動きには慎重になっています。

しかし、それでも各農家の事情で、やむなく農業を縮小したり別の用途に使用したりする必要性が出てきます。また、農業を縮小して、別の事業を始めるといっても簡単ではありません。

放置状態が続くと耕作放棄地といって、手入れを入れていないため雑草が生えて農業に使えない土地へと変化します。この状況になってしまうと、農地だけでなく土地活用としてもデメリットです。

そこで太陽光発電を設置すれば、発電事業が始められますから余った土地の有効利用に繋がります。また、外部の方が購入する場合、通常の土地よりも安い相場のためお得に土地を取得できるメリットもあります。

太陽光発電は農地転用しやすい反面気を付けるべきリスクも押さえておくこと

農地転用を行うためには、まず農業委員会へ申請書類を提出し、許可を得ることから始めましょう。間違っても、無許可で農地転用の工事や、太陽光発電の契約を行ってはいけません。最終的に行政代執行で設備の解体など、強制的に別事業を終了させられてしまうといった厳しい措置を受けるからです。

農地転用の許可を取ったら、次に土地の整備や周辺環境の確認などについて気を付けましょう。光害によって、周辺の住宅や農地に影響を及ぼさないか、業者などと調査や視察を行いましょう。また、造成工事に掛かる費用についても、見積もりを取ります。

造成工事費用と架台などを調整した上での工事費用、この2つが太陽光発電を始める上で掛かる初期費用となります。

費用面や認可など気を付ける点は多いですが、日射量など発電量に関しての環境は期待できるため、農地転用からの太陽光発電も検討してみるといいでしょう。

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