突然ですが、
「太陽光発電に興味がある」「太陽光発電の設置をしようと思っている」
そう考えている方に質問です。
太陽光発電の知識は十分だと言えますか?
FIT制度の仕組みをきちんと理解できていますか?
太陽光発電の今後についてどのように考えていますか?
太陽光発電を導入すると嬉しいメリットがあることは確かです!
ただ、知識が足りないままだとFIT制度が終了し売電価格が落ちた時に、「やならい方がよかったかも……」と思ってしまうかもしれません。
そうならないように、まずは、太陽光発電の基本的な仕組みや、太陽光発電を購入するにあたってのメリット・デメリット、売電収入、固定価格買取制度(FIT)、太陽光発電の今後について、しっかりと理解を深めていきましょう。
太陽光発電とは?
太陽光発電とは、太陽の光エネルギーを太陽電池という機器によって直接電気に変換する発電方式です!太陽光発電は、たくさんの機器が集まった太陽光発電システムというものによって発電されています。
太陽光発電の仕組み
太陽光発電の仕組みの中心を担っているのが太陽電池です。太陽電池は太陽の光エネルギーを直流電力に変換する装置で、太陽電池がたくさん集まったものを太陽光パネルと呼びます!
太陽電池は、電気的に性質の異なる2種類の半導体を組み合わせた構造になっており、その2種類の半導体がパネル上で移動することで電気が発生、そこに太陽電池の電極に電球やモーターなどで負荷をかけると、発電された電気が流れ出します。これが太陽光発電の仕組みです!
産業用太陽光発電と住宅用(家庭用)産業用太陽光発電の違い
太陽光発電には住宅用太陽光発電と産業用太陽光発電の2種類があります。
住宅用太陽光発電は家庭の屋根やカーポートに設置する太陽光発電で、電気代の節約や非常用電源として設置するケースが多いです。
一方で、産業用太陽光発電は土地を借りたり、所有している土地を利用して太陽光パネルを設置する規模の大きな太陽光発電所であり、投資商品として購入するケースがほとんどとなっています。
住宅用太陽光発電と産業用太陽光発電では、導入目的の違いだけではなく、出力規模や固定価格買取制度の適用期間・価格にも違いがあるのです!
2023年の売電価格は以下の通りになります。
買取方法 | 売電価格 | 売電期間 | |
10kW未満 | 余剰売電 | 16円 | 10年 |
10kW以上50kW未満 | 余剰売電 | 10円 | 20年 |
50kW以上250kW未満 | 全量買取 | 9.5円 | 20年 |
250kW以上 | 入札制度 | 入札制度 | 20年 |
(参考:買取価格・期間等|固定価格買取制度|なっとく!再生可能エネルギー)
固定価格買取制度とは、再生可能エネルギーで作られた電気を一定期間中は同じ価格で電力会社が買い取ることを保証する制度です。
再生可能エネルギーの普及のために始まった制度で、再生可能エネルギーの種類によって買取期間や価格が異なります
太陽光発電の7つのデメリット
続いてデメリットと解決策を紹介しますね。
①発電量が天候に左右される
太陽の光をエネルギーに発電する太陽光発電は天候によって発電量が左右されます。
悪天候時や夜間は、太陽の光がないため発電することができません。
晴天時の発電量を100%とすると、雨の日や曇りの日の発電量は5%程度まで低下します。
積雪の多い地域では、太陽光パネルに雪が積もって太陽光の吸収を妨げるため、冬季の発電量は低下する傾向にあります。とはいえ、雪がパネルに積もっても、すぐに溶けるくらいの積雪量であれば発電は可能です。
特に積雪の多い12〜2月でも、平均発電量の半分ほどの発電量を確保することはできます。
1ヶ月ごとの発電量だけみるとバラつきがあるので、発電量が不安定だと判断されがちですが、通常太陽光発電は年間の発電量で売電収入をシミュレーションすることが多いです。
過去の日射量のデータがあり、それを元にシミュレーションを行うので、収益計画にズレが少なくなります。
②売電価格が下落している
太陽光発電は、固定価格買取制度により、電力会社に発電した電気を買い取ってもらえます。
その買取価格を売電価格といいますが、売電価格が固定価格買取制度が始まった2012年からどんどん低下し、2023年には住宅用は16円、産業用は9.5円〜10円と約1/3〜1/4以下に落ち込んでいます。
売電価格の推移は下表の通りです。
住宅用 | 産業用 | |
2012年 | 42円 | 40円 |
2013年 | 38円 | 36円 |
2014年 | 37円 | 32円 |
2015年 | 33円(出力抑制なし) 35円(出力抑制あり) | 29円 |
2016年 | 31円(出力抑制なし) 33円(出力抑制あり) | 24円 |
2017年 | 28円(出力抑制なし) 30円(出力抑制あり) | 21円 |
2018年 | 26円(出力抑制なし) 28円(出力抑制あり) | 18円 |
2019年 | 24円(出力抑制なし) 26円(出力抑制あり) | 14円 |
2020年 | 21円 | 13円(10kW以上50kW未満) 12円(50kW以上250kW未満) |
2021年 | 19円 | 12円(10kW以上50kW未満) 11円(50kW以上250kW未満) |
2022年 | 17円 | 11円(10kW以上50kW未満) 10円(50kW以上250kW未満) |
2023年 | 16円 | 10円(10kW以上50kW未満) 9.5円(50kW以上250kW未満 |
売電期間 | 10年 | 20年 |
このように売電価格が低下している背景には、太陽光発電の普及に伴う設置費用が下がっていることや国民の電気代負担が増えていることが理由として挙げられますが、昔に比べて売電価格が下がっているということだけに注目され、太陽光発電は危険、オワコンなどと問題視されてしまっているのです。
しかし、実際には固定価格買取制度がはじまった2012年と今とでは太陽光発電の利回りはほぼ変わらず、10%前後を維持しているため、「太陽光発電はおわった」というのは間違いなのです。
③初期費用が高額
太陽光発電の設置価格・購入価格は、住宅用であれば100〜200万円、産業用であれば1,000万円程度です。
決して安い買い物ではありません。
初期費用の回収年数は10〜13年間(規模によって異なる)です。
太陽光発電とよく比較される不動産投資の初期費用は、物件価格の8〜10%と言われています。
例えば、2,000万円の物件の初期費用は160〜200万円となり、太陽光発電より価格幅が狭いものの、少し高く設定されているようです。
産業用太陽光発電と住宅用太陽光発電のどちらにせよ、固定価格買取制度期間中に初期費用の回収が可能なので、実質初期費用0円と考えても問題ありません。
また、住宅用太陽光発電の場合は、自治体によって補助金を利用できるところもあります。
例えば、宮城県石巻市の場合、太陽光パネルの容量1kWあたり2万円(上限8万円)の補助金が交付されます。
初期費用がどのくらいの期間で回収できるかは、お住まいの地域の補助金や、太陽光発電を設置している地域によって異なる(日射量の違い)ので、購入前にシミュレーションを忘れずに行いましょう!
④メンテナンス費用がかかる
太陽光発電はメンテナンスの負担が少ないです。
年に2〜3回パネル清掃や周囲の草や木の手入れをしたり、4年に一度の定期点検が推奨されています。
メンテナンス費用がかかるからといって、メンテナンスを疎かにすると、発電効率が落ちたり、寿命が縮まり本来のバリューを最大限に発揮できないまま交換しなければならない、といったことも考えられますよね。
また、費用を抑えるために所有者がメンテナンスを行うと、感電したりパネルが破損してしまったりというようなリスクがあるので、業者に丸っとお任せする方が良いです。
メンテナンスにかかる費用は年間0.5〜0.6万円/kW程度です。
50kWの産業用太陽光発電を所有している場合、年間2.5〜3万円のメンテナンス費用がかかります。
⑤出力制御の対象発電所が増えた
電気は需要と供給のバランスを保っています。
電気を使う人がいないにも関わらず発電量が増えてしまうと、大規模停電などのトラブルになりかねないため電力会社は電気の買取を抑制します。これを出力制御と言います。
せっかく発電したにも関わらず、出力制御中は電力会社が買い取ってくれないので、発電した電気が無駄になってしまうだけなく、売電できないので利益も当然少なくなってしまいます。
出力制御の対象エリアは、北海道電力・東北電力・東京電力・中部電力・北陸電力・関西電力・中国電力・四国電力・九州電力・沖縄電力です。
2022年までは、出力制御されているエリアは九州電力管轄エリアのみでしたが、2022年になって再生可能エネルギーの発電所が増えたことにより東北電力エリアや北海道エリア、中部電力エリアなどでも出力制御される発電所が出てきました。
太陽光発電の出力制御が行われる優先順位は低いとはいえ、出力制御により発電した電気を買い取ってもらえないと収益が減ってしまうのは事実です。
太陽光発電所の購入を検討する場合は過去の出力制御状況を確認したり、なるべく電気需要が多い東京・関西電力エリアの発電所を購入するなどのリスク対策を取ることをおすすめします。
ただし、住宅用太陽光発電の場合は、出力制御の影響をほとんど受けることはありません。もともと、50kW未満の低圧の太陽光発電に関しては、東京電力・関西電力・中部電力エリアでは出力制御の対象外です。さらに、規模の大きい太陽光発電設備から順に出力制御されます。
参考 出力制御について|なるほど!グリッド資源エネルギー庁⑥自然災害の影響
太陽光パネルは野外に設置されているため、自然災害の影響を受ける可能性があります。
基本的に、太陽光発電は地上から低い位置に設置されているため、風の影響は受けづらく、太陽光パネルの台風被害は稀ですが、津波や浸水で設備が水に浸かってしまい、パネルが故障する可能性はかなり高いです。
事前にハザードマップを確認して、リスクが高そうなエリアで太陽光発電を設置するのは避けましょう。
もしもの時に備えて保険に加入しておくのも良いですが、自然災害の場合効、動産保険や火災保険が対象外になることもあるので、加入前に念入りに確認しておきましょう。
⑦悪質な業者による営業や詐欺の可能性も
よくある被害ケースには下記のようなものが挙げられます。
- 発電効率を偽り高額な費用を請求
- 虚偽の利回りや設備を説明する
- 太陽光発電設置後に連絡が取れなくなり保証を受けられない
このように悪質な太陽光発電業者に騙されないためには、
まず、契約を急かされているならば迷わず断ることです。十分な説明もなしに、とりあえず契約を迫る業者は契約内容に不備があることを知られないために、未確認の状態で進めようとします。
また、発電効率が異常に高い・利回りが高いなど、あまりに都合のよすぎる数値を持ち出してきたり、説明をしたりする業者も避けましょう。
悪質な業者を避けるためには、安心できる見積もりサイトで、複数業者から相見積もりをしてもらうことをおすすめします。
(参考:知ってください!太陽光発電のトラブルと対策|資源エネルギー庁)
太陽光発電を導入する8つのメリット
ここまで注意すべき点を紹介してきましたが、デメリットを補って余りあるメリットがあるため、太陽光発電は人気を集めています!
①売電収入が得られる
太陽光発電はFIT制度(固定価格買取制度)の対象となっており、一定期間・固定価格で電力会社に売電することができます。不労所得が得られるので、家庭に設置する以外に副業や投資として太陽光発電を始める人が増加しています。
FIT制度とは、再生可能エネルギー普及促進のために国が設けた制度です。住宅用太陽光発電(10kW未満)の場合は10年間、産業用太陽光発電(10kW以上)では20年間同じ価格で売電できるため、景気の悪化や国際情勢に左右されることなく安定的に売電収入が得られます。
FIT制度の売電価格は、下のグラフのように安くなっていっています。ただし、太陽光発電設備の設置費用も年々安くなっているので、利回りは変わらず高めとなっています。
②他の投資商品に比べて収入が安定している
太陽光発電は、不動産投資や株式投資のように投資のひとつとして運用できます。
不動産投資などの投資商品と違うのは、固定価格買取制度の下、電気を売ってお金にすることができるという点です。
この制度によって、一定期間同じ価格で発電した電気を売ることが保障されているので、安定した収入が得られるというわけです。
さらに太陽光投資は、不動産投資などと違って世情に左右されないので、流行性ウィルスが流行ったり、会社が倒産して株価が落ちたとしても売電収入に影響が及ぶことがありません。
不動産投資と太陽光投資を比較
不動産投資と太陽光投資を比べてみました。
不動産投資 | 太陽光投資 | |
表面利回り | 1~15% | 8~11% |
初期費用 | ・物件により異なる ・ローン可 ・物件価格の1~3割の頭金が必要 | ・1,000万円~ ・ローン可 ・頭金0円のローンも可 |
維持管理 | △ リフォーム・修繕費など手間がかかる。 資産価値を上げることもできる。 | ◎ 年に数回のメンテナンス(点検や除草作業)のみで業者に丸投げも可能。 |
投資リスク | △ 空き家・家賃滞納・周辺環境の変化・自然災害など | 〇 自然災害・故障・出力制御など |
安定性 | △ 空き家など収益が減る可能性がある | ◎ 20年間は売電収入が保証される |
節税効果 | ◎ 所得税・住民税・贈与税・相続税など | 〇 法人税・所得税・消費税還付など |
不動産投資は物件によっては高利回りのものもありますが、空き家になったり家賃滞納されたりといったリスクがあり、長期間安定しているとは言えません。また、設備修繕などで出費がかさむと、収入も下がります。
リフォームして資産価値を上げるなど、自ら手をかけて利回りを上げるといった投資をしたい方には、不動産投資がおすすめです。
株式投資と太陽光投資を比較
続いて、株式投資とも比較してみましょう。
株式投資 | 太陽光投資 | |
表面利回り | 4~5% | 8~11% |
初期費用 | ・1万円~ ・100円から投資できる証券会社もあり | ・1,000万円~ ・ローン可 ・頭金0円のローンも可 |
維持管理 | △ 景気の動向や投資先企業の業績をこまめにチェックする必要がある。 | ◎ 年に数回のメンテナンス(点検や除草作業)のみで業者に丸投げも可能。 |
投資リスク | △ 経営破綻・値下がり・流動性リスクなど | 〇 自然災害・故障・出力制御など |
安定性 | △ 景気や世界情勢によって左右される | ◎ 20年間は売電収入が保証される |
節税効果 | × 特になし | 〇 法人税・所得税・消費税還付など |
株式投資の収益は配当金と株主優待で受け取ることができ、利回りは、4~5%ほどと言われています。
景気によって株価が変動するため、株価が上がれば売却して利益を得ることもできますが、下がれば損失となってしまいます。景気の動向や企業業績を日々チェックする必要があるでしょう。
応援したい企業やお目当ての株主優待がある場合はおすすめです。
③電気代を抑えて節約できる
太陽光発電を自宅の屋根や工場などに設置し、発電した電気を使えば、家庭内や工場内で消費する電力を賄えるので、月々の光熱費を抑えられます。
自宅に太陽光発電を設置すると、1か月の消費電力と同等の電力を発電できれば、光熱費を0円にすることも可能です。
また、太陽光発電で発電した電気を自家消費する場合、電力会社から電気を買う必要がなくなるので、電気代に含まれる再エネ賦課金を支払わなくてもよくなります!
再エネ賦課金とは、再生可能エネルギーを世の中に広めるためにかかる費用で、電気を購入するすべての国民に支払いの義務が発生します。
再エネ賦課金は、1kWhあたり1.4円なので、電気使用量が多ければ多いほど負担額が増えてしまいます。
一般的な4人家族の場合、月間約560円、年間に換算すると約6,720円の再エネ賦課金が太陽光発電を利用することでコストカットできます。(※電気使用量400kWh/月で計算)
また、電気代の高騰と売電価格の低下により、太陽光発電した電気を自宅や自社で消費した方が経済的なメリットが大きくなります。
最近、大手電力会社を始めとする電力会社各社が、電気料金の値上げを実施しています。燃料費高騰や託送費の値上げが原因です。
2023年10月現在、住宅用太陽光発電の売電価格が16円/kWhなのに対し、電力会社の電力量料金が30~40.69円/kWh(東京電力従量電灯B)となっています。
これは産業用太陽光発電においても同じ状況ですので、今後太陽光発電を導入する方は自家消費できる環境を整えることが大切です。
④非常用電源として利用できる
災害や停電といった非常事態はいつ起こるかわかりません。
一度停電してしまうと復旧するまでは、電気が使用できないので、不便な日常を送らなければなりません。
太陽光発電が設置されていれば、電気の供給がストップされても、日中の太陽が出ている時間は発電した電気を家庭内で使用できます。
蓄電池を合わせて設置しておけば日中に貯めた電気を夜間使うことも可能です。
以前は、電気代の節約のために太陽光発電を導入するご家庭が多かったのですが、東日本大震災を機に、非常用電源として太陽光発電と蓄電池をセットで購入するご家庭が増えてきています。
⑤寿命が長く劣化しづらい
太陽光パネルの耐用年数は17年とされていますが、実際の寿命は20〜30年と言われています。
長期にわたって、太陽光発電を運用していても太陽光パネルではなく架台や周辺機器が故障するケースがほとんどです。
とは言え、パネルも絶対故障しないわけではありません……。
少ないパネルの故障の中で、4割くらいを占めるのが表面ガラスです。
烏のフンが落ちて長い間そのままになっていると、その箇所だけが発熱することがあります(電気を熱に変えてしまう)。
発熱することで、太陽光パネルの内部が焦げてしまい、発電できなくなってしまいます。これをホットスポット現象と言います。
ホットスポット現象に気づかなければ、発電量の低下だけではなく、パネルの故障につながり、売電収入が減るどころか修理代までかかるので、収益がマイナスになってしまう可能性も……。
日頃から発電量に関心を持つようにし、出力に不自然さや違和感を覚えたら、すぐに販売会社に相談しましょう。
ちなみに、万が一パネル自体が故障した場合は、メーカー保証が適応されるので、保証期間や保証内容については事前に確認しておきましょう。
また、パネルの種類によって、経年劣化による発電量低下も違うので、より長持ちさせるためには、あらかじめ経年劣化が緩やかなものを選ぶと良いです。
(パネルの種類) | 5年間 | 10年間 | 15年間 | 20年間 |
単結晶シリコン | 3.2〜3.9% | 6.4〜7.8% | 9.6〜11.7% | 11.8〜15.6% |
多結晶シリコン | 2.3〜2.8% | 4.6〜5.6% | 6.9〜8.4% | 9.2〜11.2% |
アモルファスシリコン | 5.7% | 11.4% | 17.1% | 22.8% |
ヘテロ接合型 | 2.0% | 4.0% | 6.0% | 8.0% |
CIS・CIGS | 1.4〜1.5% | 2.8〜3.0% | 4.2〜4.5% | 5.6〜6.0% |
(※横スクロールできます)
⑥補助金制度がある
国からの補助金制度は2014年4月に終了しましたが、各自治体の補助金制度に申し込みができる地域もあります。
補助金の申し込みは、定員となり次第募集終了となるので、太陽光発電の設置を考えている方はあらかじめ補助金制度を調べておきましょう。
⑦環境問題に取り組める
再生不可能エネルギーである石油や石炭といった化石燃料は、エネルギーに変わる過程で二酸化炭素や窒素化合物などの環境汚染物質を排出します。これが異常気象や海面上昇などの環境問題の一因となっています。
一方、太陽光や風力などの再生可能エネルギーはいくらエネルギーを作っても有害物質を発しません。
そのため、環境問題の解決策の1つとして再生可能エネルギーが謳われており、政府や企業は再生可能エネルギーの普及活動に力をいれています。
ご家庭でも環境問題に取り組めるのが、太陽光発電の良さですね。
⑧融資を受けやすい
太陽光発電購入のための融資は、年収が400万円程度あればパネル分の頭金0円でもローンを組むことができます。
太陽光発電を購入する際に使用できる金融機関は、銀行、公庫、信販会社です。
ハードルの高さは、銀行>公庫>信販会社となっており、金利の違いや返済期間がそれぞれ異なります。
太陽光発電の設置価格
太陽光発電の設置価格は、住宅用太陽光発電と産業用太陽光発電によって大きく異なります。
住宅用太陽光発電は、住宅の屋根やカーポートに太陽光パネルを設置します。投資用というよりも、電気代の節約や非常用として取り入れるケースが多いです。住宅用太陽光発電の場合、屋根の広さによって設置できる太陽光パネルの枚数が変わりますが、設置価格は150〜200万円程度です。
しかし、住宅用太陽光発電の場合、補助金制度が活用できたり、PPAモデルといって自宅の屋根を貸す代わりに、太陽光発電を0円で設置できるサービスを利用すれば、初期費用を抑えて設置することができます。
PPAモデルは、自宅の屋根をPPA事業者に提供し、太陽光発電を設置してもらうことで、電気を安く使えたり、契約期間満了後に設置した太陽光発電を譲り受けることができるサービスです。
初期費用がかからないので、初期費用がネックになって太陽光発電の設置を諦めている方から人気を集めています。
一方で産業用太陽光発電は、規模が大きく、投資用として保有するケースがほとんどです。
土地代が含まれるケースと含まれないケースがありますが、最低でも1,000万円程度の初期費用が必要になります。
FIT期間終了後、住宅用太陽光発電はどうなる?
FIT期間終了後も電力会社に売電できます。ただし、売電価格はFIT価格より下がります。
住宅用太陽光発電のFIT期間は10年ですので、すでに卒FITを迎える家庭も出てきています。太陽光発電パネルの寿命は20~30年と言われていますので、FIT期間終了後も問題なく発電できると考えて良いでしょう。
地域の大手電力会社各社は、FIT期間終了後も電力買取を継続して行いますが、売電価格は7~9円/kWhです。
売電価格を上げたい方は、新電力の電力買取サービスを検討してください。大手電力会社よりも高い価格で買い取りを行っています。具体的には、伊藤忠エネクスの「太陽光余剰電力買取サービス」や、ENEOSの「ENEOS太陽光買取サービス」などがあります。
ただし、新電力に買取サービスを乗り換えても、FIT価格よりは下がってしまいます。よりコスト削減したい場合は、蓄電池を導入して、自家消費率を上げるのもおすすめです。
まとめ
太陽光発電は環境に優しいことはもちろん、光熱費の節約効果がとても大きいです。
メンテナンスを怠ったことにより発電効率が下がってしまい、「太陽光発電なんてやらなければよかった…。」と後悔しないように、設置後はメンテナンスを定期的に行いましょう。そして、安定的な太陽光発電でゆとりのある生活を送りましょう!
「売電の固定価格が下がってきてるし、やっぱりやめようかな…」
「FITが終了するとそのあとは損しちゃうの…?」
と、不安に思う方もいるかもしれません。
ですが、FIT期間が終了しても、太陽光発電の売電そのものが終わるわけではありません。
近年電力自由化に伴い新規の電力会社も参入してきているので、電力の活用方法と選択肢はさまざまです。
太陽光発電で快適な生活を送れるように、最適な選択を検討しましょう!